「テレビはいらないけど放送は観たい」の最適解。パナソニック「miyotto」実機検証レビュー

ink_pen 2026/1/16
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「テレビはいらないけど放送は観たい」の最適解。パナソニック「miyotto」実機検証レビュー
小川秀樹
おがわひでき
小川秀樹

編集プロダクションで編集・ライターとしてのキャリアをスタート。ビジネス、旅行、スマホ関連、著名人インタビュー記事などを幅広く制作してきました。趣味は国内外の旅行。特に東南アジアの文化を好み、タイとミャンマーには3年間の在住経験があります。

「テレビはいらないが、放送は観たい」、「外出先でも生放送を楽しみたい」。そんな現代のニーズに応えるのが、パナソニックの「miyotto(ミヨット)」です。HDMI端子すら持たない、スマホ・タブレット視聴に特化したこのネットワークレコーダーは、既存のテレビ視聴と何が違うのでしょうか?

本記事ではアプリの使い勝手や視聴の安定性、さらに先行するライバル機nasneや配信サービスなどとの比較を通して、miyottoの真価を検証します。

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miyottoが変えるテレビとの「距離感」

かつてテレビ視聴はリビングにある大きな画面と向き合うものでしたが、現在はTVerなどの配信サービスが台頭し、場所を選ばず観られる番組が多くなりました。一方で、すべての番組が配信されているわけではないなど、テレビと同様には観られない不自由さが存在します。

こうした制約に縛られず、好きなテレビ番組を好きな場所で自由に観られるのがPanasonicのmiyottoです。

miyottoは、テレビ放送をWi-Fi経由でスマホなどに飛ばすネットワークレコーダー。スマホ・タブレットはもちろん、Fire TVなどのストリーミングデバイスからPCモニターまで、あらゆる画面を「テレビ」に変えてくれます。極論テレビ本体を買わずとも、miyottoとスマホさえあれば事足りるのです。

今回は、「持ち運びテレビ」としてのポテンシャルが生きる10インチタブレットとの併用を中心に、その使い勝手を検証しました。

「どこでもテレビ」を叶える、スマートな見た目

↑マットな質感でインテリアの邪魔にならないのは好印象。

miyottoの本体サイズは幅5.5cm、高さ14.7cm、奥行き21.45cmとコンパクトで、レコーダーというよりは無線LANルーターのような佇まいです。デザインもシンプルで、側面に設定用のボタンが2つあるのみとなっています。

↑テレビ接続を前提としていないため、HDMIなどの映像出力端子はなし。

本体側の準備は簡単で、B-CASカードを挿入して、アンテナケーブルと電源をつなぐだけで終了します。上部にはLANポートがありますが、本製品の大きなアピールポイントは「Wi-Fi内蔵」である点。ライバル機のnasneはルーターとの有線接続が必要ですが、本製品は無線接続が可能です。

アンテナ端子とLANポートが離れている住宅でも、長いケーブルを這わせたり、Wi-Fi中継機などを別途購入したりする必要がなく、導入のハードルがぐっと下がります。

↑miyottoアプリはPanasonicのサイトからダウンロード可能。スマホ・タブレット版のほかにスマートテレビ用などもあり。

セットアップは極めて簡単。「miyottoアプリ」をインストールし、画面の指示に従ってWi-Fi設定や郵便番号入力などを行うだけで終わります。ただし、一点だけ気になったのがアカウント登録のフローです。初期設定時に、「CLUB Panasonic」と「ディモーラ(テレビ番組情報インターネットサービス)」という2つのサービスへの登録・連携を順に促されます。他がスムーズなぶん、登録作業が2つあるのが若干煩わしく感じられるかもしれません。

初期設定後のアプリのレスポンスは非常によく、チャンネルの切り替えや番組表のスクロールなどはとても滑らか。UIもシンプルで洗練されており、直感的に操作できます。

↑アプリの構成はTVerなどと似た印象。トップページには放送中の番組や予約数ランキングなどが表示される。

アプリの機能関連で一点注意したいのが、一部機能は有料であること。例えば、好きなタレント名や番組名などを登録しておくと自動で番組を録画できる「キーワード録画」は、ディモーラのプレミアム会員登録(月額税込330円)が必要です。

自宅Wi-Fiでの視聴検証:多少の遅延はあるものの概ね快適

まずは、自宅のWi-Fi環境(ネット速度実測:約50Mbps)で視聴の快適性をチェックしました。

・レスポンスと遅延

チャンネル選択から視聴開始までは約10秒。爆速ではありませんが、モバイル視聴なら許容範囲です。なお、まれにエラーが出て再生が始まらないケースもありましたが、再度タップすれば問題なく表示されました。

また、テレビ放送波との遅延は実測で約6秒。スポーツ中継などの場合、隣の部屋から先行して歓声が聞こえてくるなんてこともありそうですが、モバイル視聴としては優秀な部類だと感じます。

・画質

宅内視聴では3.5Mbps(720p)と2.0Mbps(360p)を選択可能。10インチタブレットでも720pなら十分にクリアで、長時間視聴時に映像が止まることもありませんでした。

同時視聴&録画

3チューナー内蔵により、「2番組同時録画+1番組リアルタイム視聴」が可能です。公式にはフル稼働時の速度低下の注意書きがありますが、今回の検証では引っかかりなどを感じることなく快適に動作していました。

・録画容量

2TBのHDDを内蔵しています。最高画質のDRモードでは約244時間(約10日)分の録画が可能ですが、スマホやタブレット視聴がメインなら、「5倍録モード」くらいで保存するのが現実的。これなら約792時間(約33日)分保存できます。なお、外付けHDDの増設にも対応しています。

・ニコニコ実況

通常とは違う楽しみ方として外せないのが「ニコニコ実況」への対応です。実際に試してみましたが、スポーツやバラエティを流しながら、画面上に流れるコメントを眺める体験は、通常のテレビ視聴にはない中毒性があると感じました。

・PC視聴(DiXiM Play U)の使い勝手

ここまでは10インチタブレットを使用してきましたが、追加で14インチのノートPCでも検証してみました。PC視聴の場合はmiyottoアプリではなく、他社製の「DiXiM Play U」を使って視聴することになります。

↑「DIXIM Play U」。お試し視聴ができるのでライセンス購入前に試したいところ。

レスポンスはスムーズで、画質は14インチでも十分な高画質を維持しています。一方、miyottoアプリとは異なり、以下の点には注意が必要です。

・アプリが有料(月額税込330円、買切り税込3,400円)

・番組表が表示されない、ニコニコ実況非対応など、miyottoアプリとは機能が異なる

こうした制約から、PCでの視聴は「作業をしながら片手間に流す」といった、あくまでサブ的な活用に向いていると感じました。メインはやはり、最適化された純正アプリでの視聴になるでしょう。

宅外視聴検証:高画質視聴には「持ち出し」が正解?

視聴場所を選ばないmiyottoは、宅内だけでなく外出先でもリアルタイムの番組や録画した番組をリモート視聴できます。今回は、外出先のカフェのWi-Fi(実測約20Mbps)に接続して検証してみました。

・レスポンス

アプリを立ち上げ、チャンネルを選択してから再生が始まるまでの時間は実測約15秒でした。宅内(約10秒)と比較しても極端に遅くなることはなく、十分に実用的なレスポンスだと感じます。

・画質

宅内視聴の場合、画質は3.5Mbpsと1.2Mbpsの2つから選ぶ形でしたが、宅外視聴の場合は、3.5Mbps(720p)・1.5Mbps(720p

・650kbps(360p)・400kbps(180p)・150kbps(180p)の5つから選択する形になっており、今回の検証時にデフォルトで選ばれたのは「650kbps」でした。この画質だとタブレットで見るのは若干微妙というのが本音です。

そこで、宅内と同じ「3.5Mbps(720p)」への切り替えを試してみましたが、こちらは頻繁に映像が止まってしまい、快適な視聴とは程遠い状態に。一つ下の「1.5Mbps(720p)」なら比較的スムーズに再生できましたが、タブレットだとやはり若干荒いという印象です。

もちろん、通信環境によって結果は異なりますが、混雑した公衆Wi-Fiやモバイル回線でストリーミング視聴をする場合は、画質をある程度妥協せざるを得ないのが現状のようです。

・「持ち出し(ダウンロード)」を活用

外出先でも安定して高画質を楽しみたい、あるいは通信量を節約したい場合に便利なのが録画番組の「持ち出し(ダウンロード)」機能です。録画済み番組を端末に保存することで、オフライン環境でも視聴可能になります。

ダウンロードに要する時間は短め。通常の転送に加えて「高速転送」という機能があり、これを使って45分間の番組を最高画質(3.5Mbps/720p)で転送してみたところ、約6分で完了しました。このくらいなら、出かける前にちょっと操作するだけで数時間分の番組を持ち出せそうです。

↑端末へのダウンロード画面。スマホなら650kbps(360p)で十分かも。

nasneや配信アプリとの比較:miyottoが向いている人は?

「スマホ・タブレットでテレビ」というジャンルには、先行する「nasne」や、手軽な「TVer」「NHKプラス(NHK ONE)」といった強力なライバルが存在します。しかし、細かく比較していくと、miyottoならではの強みが見えてきます。

・nasneとの比較

↑現在はバッファローが販売するネットワークレコーダー「nasne」。

まずは、同じネットワークレコーダーである「nasne」との違いを整理しましょう。

比較項目nasnemiyotto
価格帯約3万円前後約5万円前後
チューナー数1チューナー3チューナー
同時動作録画中は裏番組視聴不可2番組同時録画+別番組視聴が可能
HDD容量2TB2TB
設置の自由度有線LANまたはWi-Fi中継機が必須Wi-Fi対応(有線接続も可)

コスト的にはnasneが有利ですが、さすがに発売から長い年月が経っていることもあって、足回りは少しレガシーな印象が目立ちます。特に有線LAN(またはWi-Fi中継機)必須であることや、家族で使う際に不便な1チューナーはネックになるでしょう。miyottoの3チューナーという余裕は大きなアドバンテージです。

・配信サービス(TVer・NHK ONE)との比較

↑TVerは2015年、NHKプラスは2020年にサービスを開始。いずれも地上波の番組を視聴できる配信サービス。

次に、配信サービスと比較します。まず、NHKの受信料はかかりますが、それ以外のTVer、NHKプラス(NHK ONE)といったアプリ自体は完全無料。コスト面では配信サービスが大きく有利なものの、細かなサービスを見るとmiyottoの強みが見えてきます。

比較項目TVerNHKプラス(NHK ONE)miyotto(録画・放送)
リアルタイム配信夜間の特定番組のみ全時間帯(総合・Eテレ)全時間帯(全チャンネル)
リアルタイム放送との遅延約30秒約60秒約6秒
視聴期限通常1週間程度(見逃し)通常1週間(見逃し)無制限(録画番組)
CMスキップ不可CMなし・倍速飛ばし可能 ・チャプタースキップ/30秒送り可能(宅内視聴のみ)
オフライン視聴不可(ストリーミングのみ)不可(ストリーミングのみ)可能(端末への持ち出し対応)

TVerのリアルタイム配信はゴールデン・プライム帯の特定番組に限定されており、日中の番組はカバーされていません。

そして、実際に検証して意外と差が出たのがテレビのリアルタイム放送との遅延でした。実測値でTVerは約30秒、NHKプラス(NHK ONE)は約60秒程度の遅れなのに対し、miyottoは約6秒と大きなアドバンテージがあります。

また、配信サービスは常に通信環境が必要ですが、miyottoは番組をスマホに「持ち出し」ておけば、オフラインでも視聴可能です。

配信サービスにはない「網羅性」が魅力。今どき仕様のレコーダー

こうして比較をしてみると、miyottoは特に以下のような人におすすめできるデバイスと言えます。

・「見たい番組が配信にない」という経験がある人

配信の有無を気にせず、自宅のテレビと同じ感覚でスマホで視聴できます。

・録画予約が重なりがちな人

3チューナーあれば、家族の予約と重なっても諦める必要がなくなります。

・移動中や隙間時間を有効活用したい人

録画した番組をサッと持ち出して、オフラインで倍速視聴。忙しい毎日の中でも、気になる番組を消化しやすくなります。

初期費用はかかりますが、nasne以上の多機能さと、配信サービスにはない「網羅性」を兼ね備えたmiyotto。テレビのヘビーユーザーにはぜひおすすめしたい仕上がりです。

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