電子ペーパーとの違いは? 話題のAIノート「TCL Note A1 NXTPAPER」は紙のように書けるか徹底レビュー

ink_pen 2026/4/4
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電子ペーパーとの違いは? 話題のAIノート「TCL Note A1 NXTPAPER」は紙のように書けるか徹底レビュー
GetNavi web編集部
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TCLの「TCL Note A1 NXTPAPER」は、Makuakeで1.5億円の支援額を集めるなど、今もっとも注目を集めているデジタルノートだ。特筆すべきは、一般的なタブレット端末よりも“紙”に近い見え方と書き心地を備えていること。そこで本稿では、同じく紙のような書き味で高い評価を集めているFCCLの電子ペーパー「クアデルノ」と比較する形で、その特徴や使い分けについて紹介する。

↑左がTCL Note A1 NXTPAPER(11.5インチ)で、価格は99,800円(税込)。右がA5サイズのクアデルノ(10.5インチ。13.3インチのA4モデルもある)で、こちらは59,800円(税込)。それぞれ専用スタイラスが付属する。

写真入りの資料を見るか長文資料を見るかで快適さは変わる

↑左がTCL Note A1 NXTPAPER、右がクアデルノ。両者はそもそも表示形式が違うため、画面の見え方には大きな差がある。

電源を入れてまず感じるのは、見え方の違いだ。TCL Note A1 NXTPAPERは約1,670万色のフルカラー表示で、リフレッシュレートは120Hz。画面はペーパーライクフィルムを貼ったタブレット端末に近い見え方である一方、タブレット端末で感じるような反射やまぶしさ、指紋残りを抑えながら、くっきり鮮やかに表示される。

スクロールの滑らかさはタブレットそのもの。レスポンスがよく、ページをめくったときに電子ペーパーで起きがちな残像や読み込みの鈍さもない。

↑低反射・ちらつき除去・紙のような表示において、TÜV認証を受けているだけあり、タブレットやスマホに比べ長時間の作業でも目が疲れにくい。加えて、ブルーライトの低減性能においてSGS認証を取得している(放射率2.44%以下)。
↑Google Play Storeには非対応だが、APK経由でならKindleアプリを入れることができ、電子書籍も楽しめる。鮮やかな画面表示で、雑誌などの写真を多用した書籍も難なく読める。

対してクアデルノはE Inkディスプレイを搭載しているため、もともとの画面がグレーがかっており、色が少し沈んだ表示となる。写真が多い資料の場合、液晶タブレットよりも細部が見づらいのが正直なところ。

↑クアデルノは、E Inkの特性によりページをめくった際に前のページの残像が残りやすい。気になる場合は、画面を下方向にスワイプすると画面がリフレッシュされ残像が消える。

しかし画面が発光しないぶん、目が圧倒的に疲れにくい。論文など長文の文字資料を読む人にとっては快適なツールとなるだろう。

↑手書きで「☆」や「*」を書くと、あとからそのページだけを検索したり、PDF内のテキストを検索したりできる機能を備え、ページ数の多い書類の閲覧をサポート。また2画面表示機能もあり、たとえば取り込んだテキストの横にノートを並べて表示できる。

書き心地は「するする」と「シュッシュ」。同じ“紙のよう”でも再現された質感は異なる

続いて、両機種の真骨頂でもある書き心地を見ていこう。

↑TCL Note A1 NXTPAPERはひっかかりのない滑らかな書き心地が特徴。

TCL Note A1 NXTPAPERの画面はさらさらとしており、ペンがするすると滑らかに走る。水性ボールペンなどインクフローの良いペンで書くのが好きな人はしっくりくるはずだ。

一般的なタブレット端末に書いているときのような、つるつるとしたガラスの上に書いているような違和感はゼロ。ただし筆記音はタブレット同様にコツコツとしている。

↑クアデルノはざらつきのある紙に鉛筆・シャープペンを走らせるような書き心地。

その点クアデルノは、画面に適度なざらつきがあるためペン先が引っかかり、上質紙や藁半紙に鉛筆やシャープペンで書いたときのように、シュッシュという音がする。書き心地も前述した紙と筆記具を使ったときに近く、書くという行為自体が好きで、それを五感で味わいたい人におすすめだ。

↑走り書きをしがちな人は、クアデルノのほうが適度にペン先が止まって書きやすい。ちなみにこれはペンと紙でも同様で、走り書きしがちな筆者はカリカリとした書き味のペンとザラついた紙の方が書きやすいため、TCL Note A1 NXTPAPERが紙に似ていないというわけではない。
↑TCL Note A1 NXTPAPER(左)、クアデルノ(右)ともにノートを作成してメモを取れるだけでなく、取り込んだPDFへの書き込みもできる。
↑TCL Note A1 NXTPAPERはiPad同様にインク色が豊富(左)。取り込んだPDFへの書き込みでは初期設定のカラーパレットからしか色を選べないが、ノートの場合はカスタムカラーでより自由な色選びができる。クアデルノのインク色は8色(右)で自由度は低め。
↑どちらも筆圧感知機能に対応しており、一定の太さの線を書けるうえに、万年筆や筆ペンのような抑揚のある線が書けるペンも備える。TCL Note A1 NXTPAPERは色鉛筆のようなペンもあり、Appleデバイスのマークアップとほぼ同じようなラインナップだ。

なお、どちらも書いているときのタイムラグはほぼなく、ちゃんとペン先に線がついてくる。

TCLは「デバイス」としての存在感あり。クアデルノはノート感覚で持ち運べる

続いて、持ち運びのしやすさについても触れておこう。

↑左がTCL Note A1 NXTPAPER、右がクアデルノの実測重量。

TCL Note A1 NXTPAPERは本体のみの場合、500mlペットボトルとほぼ同じ重さ。ディスプレイサイズが近いiPadの11インチモデルは477gのため、それよりも少し重い。それに対しクアデルノのA5モデルはほぼ半分の重量だ。

↑厚みはTCL Note A1 NXTPAPERが5.5mm。クアデルノのほうが薄く見えるが背面が曲線を描いているため最圧部は約5.9mmとわずかに厚い。

実際に使っていると、TCL Note A1 NXTPAPERはタブレットに近いサイズ感と重量で“デバイスとしての存在感”がある。機能においてもブラウザーアプリやメールアプリ、カメラアプリなどが使えるため、複雑な作業の必要がなければPCやタブレットの代わりとしても使える。

↑手書きノートだけでなくテキストノートも作れる。専用のキーボード付きカバーを使うと入力しやすいが、インライン入力に非対応で、右下の写真のように変換候補が別窓に表示されるため、長文入力はやや手間を感じた。マイク機能を備えていることを考えると、今後、OSのアップデートで音声入力に対応する可能性はありそうだ。

一方でクアデルノは、モノとしての立ち位置も紙の延長にある。A5サイズの場合、キャンパスノートを1冊持ち歩く感覚で携行できるし、TCL Note A1 NXTPAPERのようなアプリやカメラ、録音機能を搭載していないため、用途もノートテイクと資料の閲覧・書き込みが中心となる。外部通信が行なわれるのもソフトウェアのアップデートとデータの受け渡しのときのみだ。

↑クアデルノにはオリジナルのスケジューラーが入っており、紙の手帳のように予定管理が可能。マンスリーの日付をタップするとデイリーページに飛べるなど、デジタルならではの利点もある。

機能特化型である点は好みが分かれるところだが、それゆえバッテリー持ちが良い点は強みだ。そもそもE Inkディスプレイ自体が、画面に変化が生じたときしか電力を消費しない省エネツール。1日の作業頻度にもよるが、フル充電状態であれば最長2週間もつ。持ち運びなどの取り回しの良さに関しては、純粋な電子ペーパーであるクアデルノに一日の長があると言っていい。

また軽いから当然だが、屋外などで立ったままメモをとる場合もクアデルノが向いている。もちろん手が疲れにくいというフィジカルな点も理由だが、そもそも屋外でインターネット回線がない場合、TCL Note A1 NXTPAPERはその強みであるAI機能を活用できないのだ。

ただし音声録音はインターネットなしでもできるため、音声を録音しながらメモを取っておき、ネットにつながる環境に移動してから、AIで文字起こしをすることはできる。

↑TCL Note A1 NXTPAPERは指紋認証用のボタンを配した左側のベゼルが太くなっており、立って書くときにそこが持ち手として機能する。さらに、本体を上下逆にして太いベゼルが右にくる形で持った際は画面も上下逆に入れ替えられるため、左利きの人も使いやすい。

使ってわかったTCL Note A1 NXTPAPERとクアデルノの立ち位置の違い


両者の特徴である「紙らしさ」を中心に比較してきたが、ここからはTCL Note A1 NXTPAPERのもうひとつの特徴である「AI機能」に触れながら、両機種の立ち位置の違いを示したい。

結論からいうと、TCL Note A1 NXTPAPERは「作業効率を上げる手書きデバイス」で、クアデルノは「思考に潜るための手書きデバイス」だ。

TCL Note A1 NXTPAPERは、AI機能により自分だけでは思いつかないアイデアを生み出したり、作業を効率化したりといったことが可能で、いわば「自分とは異なる第二の脳を備えたノート」として使える。

↑手書きのメモ(左上)を選んで、AIアシスタント「もっと詳細にする」を選ぶと(右上)、ちょっとしたメモをより詳しい文章に書き換えてくれる(下)。ほかにも要約したり、テキストを整えたりといった、整え作業が可能だ。
↑もちろん手書き文字をそのままテキスト化することもでき、それを他言語へ翻訳することも可能。先ほどの手書き文字を英訳したもの。エストニア語やラトビア語など、母語話者が200万人以下の言語にも対応しているのには驚いた。
↑会議や講義、インタビューなどの音声を即座に文字起こし・要約でき、議事録や原稿執筆の効率を上げてくれる。
↑メール文の作成や旅行プランの考案なども依頼できる。写真は「外国人の友人と行く京都旅行ブラン」の作成を依頼し、その結果をテキストノートに貼り付けたところ。もちろんPCやスマホでChatGPTやGoogle Geminiを使えば同様のことはできるが、本機の場合、その回答をノートに貼り付け、そこに手書きメモを残すまでが一台で完結する。

ちなみに地味に便利だと感じたのが、手書きで数式を書くと答えを導き出してくれる機能。領収書の一部の商品だけを経費計上するために足し算をしたいときなど、ちょっとだけ計算したいという場面が意外とあり、非常に役立った。

↑数式の最後に「=」を書くと自動で計算してくれる。右のオレンジの「386」はAIが計算してくれた。

対してクアデルノは、機能が書くことに特化しているぶん、圧倒的に書く作業に集中でき、思考を遮るものがない。外部の脳を使ってアイデアを広げるというよりも、自分の中に潜り込み考えを深めていく感覚だ。

昨今、書く瞑想とも呼ばれる「ジャーナリング」というノート術が流行っているが、そういった使い方にも向いている。またネットサーフィンや動画視聴、SNSの閲覧といった誘惑がなく没入できるという意味では、資料を読み込む作業や資格や語学などの勉強などにも役立つと感じた。

↑機能が少ないと書いたが、学習に便利な暗記モードはユニーク。緑のマーカーを引いた文字にマスキング(黒い塗りつぶし部分)、スタイラスでタップするとマスキングが外れ(上のマーカーを引いた文字)、赤シートで文字を隠す暗記学習ができる。
↑ノートのテンプレートを追加できる点も魅力。To Doリストや絵コンテ用テンプレートなど60種近いテンプレートが、公式サイトから無料でDLでき、さらに自作のテンプレートも追加できる。

ここまで見てきたように、TCL Note A1 NXTPAPERとクアデルノは、同じ「書けるデバイス」でありながらその本質はまったく異なる。自分が求めているのは作業の効率化なのか、思考の拡張なのか、それとも集中なのか。それらを理解すれば、選ぶべき1台は自然と見えてくるはずだ。

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