『ドンキーコング』世界記録のチート疑惑訴訟、4年越しに和解

ink_pen 2024/1/18
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『ドンキーコング』世界記録のチート疑惑訴訟、4年越しに和解
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

『パックマン』などの超絶プレイで知られる伝説のゲーマー、ビリー・ミッチェル氏が、ゲーム団体のTwin Galaxiesと4年以上にわたり争ってきた名誉毀損訴訟において和解に達しました。チートを使ったとして抹消されたTwin Galaxiesでの一部記録が復活したと伝えられています。

↑決定的な答えは簡単に得られそうにない

 

2018年、Twin Galaxiesはミッチェル氏の『ドンキーコング』での記録が、無改造のオリジナル版アーケード筐体で達成されたものではないとして調査を開始。結局はエミュレータ(MAME)による記録とみなされ、『ドンキーコング』以外のハイスコア記録も全てデータベースから抹消しました

 

そこでミッチェル氏は2019年、Twin Galaxiesを名誉毀損で訴え、先週ようやく和解に達したのです。

 

和解の詳細までは公表されていませんが、Twin Galaxiesは、専門家証人を務めたUSC(南カリフォルニア大学)のマイケル・ザイダ博士による調査結果の一部に基づき、ミッチェル氏の記録が公式「歴史データベース」に戻されたと発表しています。

 

注目すべき点の1つは、ミッチェル氏のスコアはTwin GalaxiesのメインWebサイトに復活したわけではなく、過去に起きたことを保存する「歴史データベース」に追加されたということ。

 

また、ザイダ博士も、テープ録音に特有のビデオノイズがあるうえ、長年にわたりアーケード業務用ゲーム機が自然に劣化していくため、録音が正規のオリジナル機のものかどうかは不可能だと主張しているだけです。

 

同博士は、「ビリーのプレイを録画したものを第2、第3世代以降の(ダビング)ビデオテープで視聴」したことから、「決定的な答えが簡単に得られるとは思えない」と述べています

 

1981年に任天堂が発売したアーケード版『ドンキーコング』は、数十年にわたり世界記録が更新されてきました。ミッチェル氏としても生涯を賭けたチャレンジだけに、絶対に譲れなかったのかもしれません。

 

なお、抹消される前のミッチェル氏による世界記録も、後にウェス・コープランド氏が塗り替えています。

 

Source: Courthouse News
via: Gamesradar

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