ゲーム&ホビー
2017/1/7 14:00

【いまさら聞けない】2016年大流行した「ポケモンGO」とは? 「PS VR」とは?

2016年は「ポケモンGO」がけん引し、同年のスマホゲーム市場は成長傾向。1兆円近い規模となりました。また、PlayStation VR(PS VR)の発売により「VR元年」といわれ、ゲーム業界が大きく賑わった一年となりました(トップ画像は、東京・上野の不忍池周辺の様子。レアなミニリュウが出現したことで賑わいました)。

 

そこで今回はこの2つの基本的な概要を改めておさらい。また、2017年以降、ゲーム業界はどうなっていくのか? 専門家に今後の展望とイチオシのVRアイテムを聞いてみました。

 

「ポケモンGO」現象は課金のあり方さえ変えた

2016年ゲーム界のヒットといえば、「ポケモンGO」と「VR」であることに異論の余地はないでしょう。前者は、位置情報を利用して、現実のなかに「ポケモン」の世界が広がっているのが特徴。一方の後者は、バーチャル空間をあたかも現実のように体験できる技術です。相反する2つのコンテンツなのも興味深いですが、いずれにも精通するデジタルライターの岡安 学さんは次のように語ります。

 

「『ポケモンGO』の位置ゲームとしてのシステムは、Ingressを踏襲したもの。超シンプルなゲーム仕様なので、多くの人に受け入れられました。もちろん、『ポケモン』のコンテンツとしての強さも人気を後押ししています。社会現象となった同作は様々な功罪をもたらしましたが、個人的に注目しているのは、課金のあり方が変わった点。課金対象は『なくてもいいけどあると便利』というアイテムなので、多くのユーザーが月に1000円程度課金するヘルシーな構造となりました。また、人が『移動する』ことにより、モバイルバッテリーや飲食店などへの“リアル課金”が多く発生したのも特徴のひとつです」

 

一方のVRは、急速に普及したものではないと岡安さんは言います。

 

「VRを利用したアトラクションや簡単なハコスコは以前からありましたが、PS VRの参入によって一気に一般層へと普及し、16年は『VR元年』となりました。今後はよりリーズナブルな機器が登場することが見込まれ、VRユーザーの裾野は広がっていくでしょう。また、それ以上に、本格的なVRゲームを数百円で楽しめる『アーケード版』が発展していくのではないかと見ています」

 

【いまさら聞けない】「ポケモンGO」とは?

配信1か月で1億3000万DLされギネス世界記録に認定!

2016年7月6日にアメリカを中心に配信が開始され(日本では同22日)、世界的ヒットに。位置情報を利用する特性から、街でスマホを持ってゲームに熱中するユーザーが多く見られました。また、「最初の1か月で最もダウンロードされたモバイルゲーム」としてギネス世界記録に認定。社会現象を巻き起こしました。

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ポケモン
Pokémon GO
無料(iOS、Android OS対応)

GoogleマップとGPSの位置情報を利用したスマホ用ゲーム。実際に街を歩いてポケモンと出会い、捕まえられる。特定の場所にしか出現しないレアポケモンがたびたび話題となり、多くのユーザーが殺到しました。

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↑ユーザーとシンクロしてキャラがマップ上を移動(上)。出会ったモンスターに、ボールを当てて捕まえます(下)

 

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↑周辺機器のポケモンGO Plus(価格3780円)もヒット。ポケモンの捕獲や道具の入手がボタンひとつで行えます

 

【ポケモンGOを改めて振り返る】
位置ゲーならではの経済効果があった

「『位置ゲー』ゆえに移動が前提なのがポイント。モバイルバッテリーが爆売れしたり、レアポケモンやポケストップの近隣のスポットが活性化したりと、多大な経済効果がありました」(岡安さん)

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↑移動しながらプレイするため、モバイルバッテリーは必須。大容量モデルの品切れが相次ぎました

 

【いまさら聞けない】「VR」、「PS VR」とは?

PS VRは初動で約5万台を売り上げ多くの販売店で品切れ状態に

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VRはVirtual Reality(仮想現実)の略。ヘッドマウントディスプレイなどを使って、サイバースペースを現実のように楽しめる技術です。PS VRなどの家庭用機器のほか、手軽に体験できる施設も話題に。また、PS VRは、発売4日間の国内累計販売台数は約5万台と推定。品切れ状態が続くため、供給が安定すれば売り上げはさらに伸びそうです。

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SIE
Play Station VR
通常版4万8578円、PS Camera同梱版5万3978円

PS4専用のVR機器。VRヘッドセットを装着すると、ユーザーの360°全方向に3D空間が出現し、まるで自身がゲーム世界に入り込んだような体験ができます。滑らかな映像を実現し、「VR酔い」のリスクを低減しているのも特徴。(プレイには、PS4とPS Cameraが必要ですが、ゲーム専用機ならではのクオリティが好評。すでにPS4を持っている人ならコスパは高いです)

20161227_BLon18↑PS Move(モーションコントローラー)による操作にも対応。より直感的なプレイが可能になっています

 

【VRを改めて振り返る】
ゲームのみならず様々な分野に応用可

「HMDを使ってVR体験すれば、すぐにそのスゴさを理解できるのがメリット。ゲームだけでなく、旅行や住宅など様々な分野での応用が見込め、今後も面白い展開が期待できそうです」(岡安さん)

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↑百聞は一見にしかず。体験すれば誰でもスゴさが理解できる「わかりやすさ」はVRの強みです

 

さらに、家庭でも没入感たっぷりのVR体験ができるアイテムも登場しています。

一台で本格VR体験ができる高級キット

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HTC
Vive
実売価格10万7784円

ヘッドセット、2つのワイヤレスリモコン、部屋全体で360°の動作追跡を可能にする2つのベースステーションで構成。ソフトも付属し、一台で本格VR体験ができます。

 

家から出ないでハイレベルなVR体験を味わってみたいなら、まずこちらを試してみては?

 

【解説してくれた人】
デジタルライター 岡安 学さん

デジタル機器のほか、ゲームやアニメに精通。「Pokémon GO」やVRもやり込み、記事も多数執筆しています。