「タピオカ・ブーム」は終わるのか? 第3次ブームの第4形態にきた今、その大前提にある違和感

ink_pen 2019/12/25
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「タピオカ・ブーム」は終わるのか? 第3次ブームの第4形態にきた今、その大前提にある違和感
中山秀明
なかやまひであき
中山秀明

GetNaviお酒・グルメアドバイザー。GetNavi内食・外食のトレンドに精通した、食情報の専門家。現場取材をモットーとし、全国各地へ赴いて、大手メーカーや大手小売りから小規模事業者まで、幅広く取材している。酒類に関する知識量の多さでは、大手ビールメーカーでも一目置かれる存在。GetNavi・GetNavi webのほかに、テレビや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活躍。

「春水堂」や「ゴンチャ」はタピオカの店ではない

よく世間で言われる「いまはタピオカの第3次ブーム」という意見に対しても、個人的にはやや気になる点があります。間違いではないのですが、より具体的にいうと「タピオカ第3次ブームのフォースウェーブ(第4の波)」もしくは「タピオカ第3次ブームのタピオカ多様化期」ではないかと。

 

これに対してはふたつのポイントがあります。タピオカのヒットが語られる際、よく二大名店の「春水堂」と「ゴンチャ」が挙げられますが、前者の上陸は2013年。後者は2015年。加えてどちらも、いまになって人気が出たわけではなく最初から大人気です。この「4~6年前から大人気ですよ!」というのがひとつめの違和感。

 

↑「春水堂」の日本初上陸店は2013年7月、代官山にオープン

 

確かに、第3次ブームの黎明期を支えた存在としては外せないお店ですが、「春水堂」も「ゴンチャ」もタピオカの店ではありません。これがもうひとつの違和感です。では何の店かというと、ハイクオリティな台湾ティーのカフェ。多様なカスタマイズのひとつがタピオカなのです。上陸当初から行列店として両者を取材してきた筆者にとっては、「春水堂」や「ゴンチャ」がタピオカの店として認知されることに、怖さに似た違和感があるのです。

 

↑「ゴンチャ」の日本1号店は2015年9月、原宿表参道にオープン

 

杞憂かもしれませんが、その“怖さ”とは、真価に気付かれないまま一過性のブームとして扱われてしまうことです。ちょっと待ってください、と。たとえば「春水堂」はタピオカミルクティーの元祖ではありますが、お茶自体のおいしさを知っていますか?と。

 

↑「春水堂」の「阿里山熟香烏龍茶」。見た目は地味ですが、市販の烏龍茶をはるかに凌駕する味で、このベースのお茶がタピオカミルクティーのおいしさになっていることを実感できるはず

 

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