「麦とホップ」にはクラフトビール的な面白さがある。飲み比べてわかったその理由

ink_pen 2021/6/13
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「麦とホップ」にはクラフトビール的な面白さがある。飲み比べてわかったその理由
中山秀明
なかやまひであき
中山秀明

GetNaviお酒・グルメアドバイザー。GetNavi内食・外食のトレンドに精通した、食情報の専門家。現場取材をモットーとし、全国各地へ赴いて、大手メーカーや大手小売りから小規模事業者まで、幅広く取材している。酒類に関する知識量の多さでは、大手ビールメーカーでも一目置かれる存在。GetNavi・GetNavi webのほかに、テレビや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活躍。

“クラフトビール”的な面白さの正体

「サッポロ 麦とホップ<黒>」は、シリーズの中で初めて定番のエクステンション商品となったフレーバーです。新採用の「うまみ麦汁製法」を採用しつつ、じっくりと時間をかけて熟成し、黒麦芽による深いロースト香と凝縮されたうまみに仕上げています。

↑「サッポロ 麦とホップ<黒>」。これ1本でも十分においしいですが、「サッポロ 麦とホップ」とハーフ&ハーフにして楽しむのもオススメ

 

味はクリーミーなタッチと、大人なロースト香が絶妙です。コクや甘み、そして苦みや爽快感も調和していて好バランス。料理は黒酢酢豚に味噌煮込みなどの発酵調味料を使った料理や、スモークチキンなどの燻製系、チョコレートを使ったスイーツにも合うと思います。

↑泡もシルキーで持ちがよく、ハイクオリティ

 

「サッポロ 麦とホップ<赤>」は、2012年に限定商品として登場し、その後レギュラーに昇格したフレーバー。限定だった時期にドイツの収穫祭で楽しまれるメルツェンスタイルをモチーフにして登場したこともあり、いまでもそのメルツェン的なコク深さと甘みを感じられます。

↑「サッポロ 麦とホップ<赤>」。中身も赤みがかった褐色で、アルコール度数が6%とやや高めなのも特徴

 

飲みやすい王道の味を踏襲しつつも、ボディはどっしりめ。特にモルトの甘やかなトースト香がカラメル的なニュアンスを放ち、贅沢な飲み口です。タレの焼鳥や焼肉といったタレ系の肉料理、あとは餃子や海老チリといった中華や、トマトを使った料理にも合うと思います。

↑まろやかで、余韻も深め。リッチな気分に浸れる一本です

 

初夏限定の「サッポロ 麦とホップ 夏の香り」は、ドイツ産アロマホップを使った華やかな香りと、エール(上面発酵)酵母を使った爽快感が特徴。個人的にはこの初夏の限定フレーバーが好きで、「今年は水色で来たか!」というのが第一印象です。

↑液色は今回のなかで最もブライト。パッケージは「限定製造」のアイコンと、ホップのイラストが目印です

 

というのも、2019年の初夏はニュージーランド産の希少ホップ「パシフィックジェイド」を使った「サッポロ麦とホップ 爽の香」。2020年の初夏はチェコ・ザーツ産の最高級ファインアロマホップと、ホップの投入回数増加に重きを置いた「サッポロ 麦とホップ THE HOP」で、どちらの缶も緑系のパッケージだったのです。新作の特徴はアロマホップにエール酵母ということで、今回も期待が高まります。

↑やわらかなタッチで、上品さを感じる心地いい味わいです

 

飲んでみると、エールらしさを感じさせる甘やかなコクと、アロマホップのフローラルな香りが印象的。また、エール酵母は同社が誇る個性派新ジャンル「ホワイトベルグ」にも使われているのですが、共通したフルーティなニュアンスも感じました。

 

レギュラーのフレーバーとはっきりキャラクターがわかれていて、限定品では毎年季節に合った個性豊かな味を届けてくれます。新ジャンルビール類は数あれど、多様性の面では「サッポロ 麦とホップ」がピカイチです。それはいわば、“クラフトビール的”といえる面白さ。リーズナブルにビールらしい味を満喫したいとき、またはビールの多様性を気軽に楽しみたいときに、「サッポロ 麦とホップ」がオススメです。

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