リンパの流れをグルグルにするマッサージの方法は?
それでは、どうやってリンパの流れを促進しているのでしょうか?
「リンパの塊は身体の奥に隠れているのですが、関節技を使って身体の部位を捻ると浮き出てきます。例えば、パソコンで疲れている方は、どうしても肩から肘にかけての部分が内側に向いているのですが、一般的なマッサージで無理矢理これを外側に開かせようとしても効果がありません。
そうではなくて、まずリンパの塊をあぶり出すために、お客さんに肘を捻って力を入れてもらう。ポツりとした丸っこい塊が出てくるので、それを見つける。そしたら、それを崩して流してあげる。このようにしていくと、胸は開くんです」と網戸先生は説明します。
リンパの硬結部分をあぶり出すと言っても、リンパは毛細血管から滲出する液体ですから、どこに塊があるかを身体の外側から判断するのは素人にとっては至難の業。しかし網戸先生は関節技に加えて、意識を高い次元に持っていくことでリンパの塊を見つけているんです。
網戸先生は「世の中で起きることはすべて必然だ」と信じています。この意識があると、身体の「センサー」が働くようになり、お客さんの免疫細胞がリンパの塊を教えてくれるような感覚になるそう。九伝流は9つの要素から構成されますが、その1つである「運」はそんな世界観を意味しています。
「これは以前に脳外科の先生から伺った話ですが、この方がある患者の脳を手術していました。オペも順調に進み、脳のCTスキャン画像を見ても悪い所はもう消えています。ほかのスタッフも大丈夫だと思っていました。が、この先生だけは『この奥のほうにまだ腫瘍がある』と直感で思った。そこで実際に調べてみると、その通りだったそうです。このように、勘または神秘的な力が働く世界が、私の言うセンサーなんです。これを身に付けないと、いくら技術があってもダメですね」(網戸)