ヘルスケア
エクササイズ
2022/10/8 6:30

男子のためのヨガレッスン「男前ヨガ」を安井達郎がナビゲート! 脱力して心を「整える」方法。

FYTTE × GetNavi webが開催している「カラダ、ココロ、整う」プロジェクト。コロナ禍で生じた生活への変化を受けて、自宅をベースとした「カラダとココロのマネージメントを再定義する」を掲げて始まった企画です。今シーズンはアンバサダーとして、モデルの高山 都さん、安井達郎さんご夫妻をお迎えし、エクササイズや食事、そしてメンタルケアに関する企画、イベントをお届けしています。

 

【関連記事】
高山都さん、安井達郎さん夫妻が、2人で踏み出す新たなライフスタイル。大切なのは心身の「循環」

 

今回は、安井さんが発案のヨガレッスンの企画を開催します。レッスンに参加するメンバーは全員男性。「ヨガをやってみたいけど、女性が多いから教室に行きづらい……」「どこの教室に行けばいいか分からない……」という悩めるヨガ男子たちが、気楽にレッスンを楽しめる空間を作りました。題して『男前ヨガ』です!

 

講師には、国内外のヨガイベントで活躍する、谷戸康洋先生をお迎えします。レッスンでは、身体と心が整う基本のヨガをレクチャーしていただきました。

ヨガ講師・谷戸康洋(写真右)……高校時代、器械体操でインターハイ、国体出場。2006年、white birch yoga group(ホワイトバーチ ヨガ)設立。2012年には自身のスタジオ「fika」を地元である山梨県に設立。国内外で、ヨガ教室やヨガフェスの講師を多数務める。ロサンゼルス在住のDr.Hommaが提唱するHSKキネシオロジーを学び、心と体の繋がりを体感できるヨーガを各地で提唱している。毎年自身もインドでヴェーダの教えを学び、年に一度インドでのリトリートも開催。雑誌Yoga journalでは「漫画で読むヨガ哲学」を監修。2022年『脱力ヨガ―ネガティブ感情1分流し』(学研プラス)を上梓。公式HP

【「男前ヨガ」ナビゲーター&参加者紹介】

●ナビゲーター

安井達郎…モデル・映像作家。スポーツは山登りやランニングを嗜み、日常的に身体を動かしている。定期的に本企画『男前ヨガ』を企画している。自宅で奥さんと一緒にできるヨガを模索中

●参加者

高見ウッドラフ…職業:モデル。ヨガには親しみがあり、姉に連れられて参加した経験がある。職業柄、ヨガを通して身体を柔らかくしたり、姿勢やスタイルをより良くしたいと思っている
GetNavi web編集部・一條…ヨガは超初心者。動画とウェブという異なる領域の仕事をしており、パッと気分を切り替えられて、オフィスでも実践できるようなヨガポーズを知りたいと思っている
GetNavi web編集部・久保田…ヨガには興味はあるが経験はなし。ただ健康のためにもファミリー世帯なので親子・家族でできるヨガがあったら、挑戦したいと思っている

 

◆イントロダクション:ヨガは身体を使ったエクササイズ? 本来の目的は…

まずは、谷戸先生にヨガの目的についてお話いただきました。

一般的に『ヨガ』は、身体を使ったエクササイズのイメージが強いかもしれません。ですが、本来の大きな目的は「心を整える」ことなんです。つまり、エクササイズで外側の意識しやすい身体の部分から整えることによって、内側の心も整えやすくしていくわけですね。なので、ヨガの領域には、動きやポーズはもちろんのこと、食事や睡眠、呼吸、瞑想など、心を整えることに繋がる、あらゆる道徳的教えが存在しているんです。

 

そして今回、さっそく身体から整えていくにあたり、皆さんには『脱力すること』を意識してほしいと思っています。脱力とは、リラックスすること。実は、脱力して心が落ち着いていると、自分をより“俯瞰”して感じられるようになります。それには、心と体を休ませる神経の副交感神経が関係していて、身体全体に意識が向きやすくなるんです。しかし、反対の交感神経が働いていると、脳が集中しすぎて、細かいことに目が向かないことがあります。

 

ですから、脱力すればするほど、全体を見渡せて、自分の身体をうまく使えるようになります。そして、それによって自分の心がいまどういう状態かも察知しやすくなり、心のヘルスケアにも繋がるのです。逆に、ヨガをやっていれば、ストレスが溜まってきたと感じたとき、早めに対処することもできるでしょう。今回は、『脱力すること』とテーマに置きながら、身体→心と整える流れをレッスンしていきます。

↑合掌をして心を落ち着けてからレッスンをスタートします

 

◆ウォームアップ編

●基本の動き1:「つま先や足の指を交互に動かす」

↑まずは自分の身体の動きをチェック。足の指の間を大きく開いたり、第一関節だけを手のように動かしてみることに

 

初めに、準備体操もかねて自分の身体の動きをチェックしていきます。まずは、床に座って両足を前に伸ばした状態で、つま先をぎゅーっと前に出したり、逆にそらせたりを繰り返します。次に足の親指と4本の指をそれぞれ独立させて、前と後ろに交互に動かします。脳も使いながら、身体の先端を想像通りに動かす練習です。

 

谷戸先生は「足の指を操れるようになると、バランス力がつきますよ。足が自由に使えれば、歩いたり、走ったりいろんな動きで役に立つので、練習してみてください」と。

↑左右の足の指を小指側から1本1本編むように組んでいく。先生は手を使わずに足の指を組んでいました。安井さんも思わず「どうやってるんですか……⁉」と驚きの表情

 

そのほか、座って足裏を合わせた体勢で、シンプルに伸びをしたり、頭のサイドに手を置いて引っ張るようにして体側を伸ばしたり、身体をほぐしていきます。

 

●応用の動き1:「あぐらをかいて背中を伸ばす動き」

そして、「普段はやらないのですが、皆さんできそうなので……」(谷戸先生)ということで、応用編に挑戦することに。

↑動きのイメージ。あぐらをかいて、一方の手は逆側の膝を支え、もう一方の手は背中に回して反対側から足先をつかみます

 

皆さん、結構苦労していました! しかし、谷戸先生いわく、今日のプログラムを続ければ、軽々と足先をつかめるようになれるそうですよ。

 

●基本の動き2:「しなった形で体裁を整える」

続いて、曲げていた足を伸ばして一度リセットしてから、片方を曲げて足を組みます。手は膝の横に。そこから上半身をグーッと曲げて、胸を膝に近づけていきます。「シンプルな動きに見えて、結構痛いんですよね(笑)。効果は感じられると思います」(谷戸先生)

↑動きのイメージ。「きついな」というところまで上半身を曲げたら、ふっと身体をゆるめて脱力します。これを繰り返す。「力が入りすぎて筋トレにならないように」(谷戸先生)

 

●基本の動き3:「身体を持ち上げながら水平をキープ」

今度は、足を伸ばした状態から、肩幅くらいに広げて、腕はうしろに。身体を持ち上げて「机」の形になります。「こちらも、足と手で地面を押して身体を持ち上げたら、ふっとゆるめて脱力しましょう」(谷戸先生)

↑「身体を水平に保つのが、なかなか難しいです」(高見)ちなみに、応用編では、机の状態から片方の手を肩の上まで上げて、身体をひねる動きも

 

◆ヨガの基本プログラム:『太陽礼拝』

ウォームアップを終えて、ここから“ヨガの基本”とも言われている『太陽礼拝』の動きに挑戦していきます。太陽礼拝は、10個ほどのポーズを流れるように連続して行うシークエンスで、ヨガ初心者の人の多くが体験するもの。空手の型のようなものです。「バランスよく全身運動になり、家でもできるので、これをまず覚えるのがオススメです」(谷戸先生)

【太陽礼拝のやり方】

①つま先、かかとを揃えて、真っすぐ立つ
②息を吸いながら、腕を上げて頭の真上で合掌
③息を吐きながら、両手を下ろして前屈姿勢に。床に手を付ける
④息を吸いながら、両手を床についたまま上体と頭を起こす
⑤息を吐きながら、両足を後ろに下げて、そのまま身体を下げて腕立ての姿勢にする
⑥息を吸いながら足の甲を真っすぐに床について、上半身のみ起こす。腕は真っすぐ床を押す
⑦息を吐きながら、おしりを上げて、足と腕を伸ばす。腕の間に頭を入れる。横から見ると三角形の状態。ここで数回呼吸をする
⑧息を吸いながら、両足を元の位置に戻し、両手を床についたまま上体と頭を起こす
⑨息を吐きながら、両手を床について前屈
⑩息を吸いながら、腕を上げて頭の真上で合掌
⑪息を吐きながら、両手を下ろし最初の真っすぐ立つ体勢に戻る

↑①の動き。足の間には何か挟んでいるイメージで立つとさらに良し。「足の内側、付け根、横隔膜などの力は連動しているので、足が使えると呼吸が深くなっていきますよ」(谷戸先生)

 

↑②の動き。腕を真上に挙げるのがきつかったら少し斜め前でもOK

 

↑④の上体を起こしている動き。膝が曲がっても大丈夫。できれば、真っすぐだと良し

 

↑⑤では、腕立ての体勢で少し止まれると良い。きつかったら、床にうつぶせになっても大丈夫

 

↑⑥は足の甲までスッと伸ばすのがポイント。「背中がかなり伸びている感覚があります」(安井)

 

↑⑥→⑦の途中。足を立てて後ろに下げる

 

↑⑦おしりが天井を向くように。最初から三角の状態は難しいので、膝をなるべくお腹に近づけて、背中が丸まらないようにする

 

↑⑧→⑨で、身体を起こしていき最初の姿勢に戻っていく

 

【『太陽礼拝』さらに教えて!】

谷戸先生 太陽礼拝は、一通りの全身運動になるので、できれば毎日、大体5周くらいやるといいですね。

高見 息を吸ったり、吐いたりするタイミングが難しかったです。

谷戸先生 基本的には、身体が起きるとき、上がるときなど、重力に逆らうときは息を吸います。逆に、曲げるとか下がるなど、重力に従うときは息を吐くんです。

高見 なるほど。それなら覚えられそうです!

安井 ちなみに太陽礼拝をやる時間帯は、いつがオススメですか?

谷戸先生 朝が理想ですね。身体を起こすようなポーズが多く含まれていますので。1日をより活動的に過ごせるようになれますよ。

 

◆『太陽礼拝』の次に覚えたいポーズ

太陽礼拝で、骨盤などの身体の土台を刺激することができたので、新たなポーズに挑戦してみます。「基本の太陽礼拝に慣れてきたら、今からやるような新たなポーズをシークエンスに組み込んでもいいかもしれません」(谷戸先生)

 

●バランス力を高めるポーズ

まずは、バランス力が試されるようなポーズから。片足立ちからお尻を後ろに引いて、ゆっくりお腹と太ももをくっつけて姿勢を低くしていきます。そして床にタッチ。

↑「ゆっくりやればやるほど、きついですね…!」(安井)

 

続いて、足と手を広げて「大」の状態になっているところから、片側にそのまま倒していきます。手は膝より先くらいの位置に置いたら、3回ほど呼吸します。反対側も同じように。

↑身体が倒れたり、曲がったりしないように注意します

 

今度は、リラックスして座り足の膝を立てます。そこから上半身をひねって、床に両肘をつきます。ねじれて気持ちいいところで、深呼吸します。

↑「この動き背中がぐっと伸びてけっこう気持ちいいですね。好きです」(高見)

 

●ダイナミックな動きの後は身体をリラックスさせることもセット

次は、かなりダイナミックな動きを。座って足を揃えて伸ばしたところから、後転をするようにして、つま先を頭の後ろまで持ってきます。膝が曲がっていても大丈夫なので、なるべくつま先を床に近づける形で。そこから、足とお尻を垂直に持ち上げます。「なるべく一直線になるようにするのがポイントです。手は腰あたりに添えるといいですよ」(谷戸先生)

↑きれいな直線に! みなさん、さすがです

 

最後は、あぐらをかいてリラックス。片腕は床に付き、もう片方の腕を上げて体側のストレッチをします。無理に倒そうとせず、気持ちいいところで深呼吸。

↑リラックスさせることが大事

 

◆“呼吸のテクニック”を学ぼう

ヨガには呼吸の方法、テクニックが多数あるそうです。呼吸をうまく扱うことで、心身のリラックスやストレス解消などにも繋がるんだそう。「吸う、止める、吐く動きをコントロールすることで、身体と心を整えていきます。まずは、陰と陽のバランスを整える『片鼻呼吸』に挑戦してみましょう」(谷戸先生)

【片鼻呼吸法のやり方】

①右手の人差し指と中指を曲げる。小指と薬指は軽く伸びている状態
②右の親指で右の鼻の穴を塞ぐ
③左の鼻の穴から息を吸う
④薬指と小指を使って、左の鼻の穴を塞いで、止める。両穴が塞がれている状態
⑤親指を離して、右の鼻の穴から吐く
⑥そのまま右の鼻の穴から吸う
⑦右の親指で右の鼻の穴を塞ぐ
⑧薬指と小指を離して、左の鼻の穴から吐く
⑨数回繰り返し

↑「テクニックを使う呼吸法は、テクニックに集中するので、呼吸しているときに余計な考えごとをしなくていいのがメリットです」(谷戸先生)

 

↑初めての片鼻呼吸法を実践中。「呼吸に種類があるなんて驚きでした」(安井)

 

次に、手を膝に置き、目を軽くつぶります。顔をリラックスさせたまま、自然な呼吸をします。背筋は丸まらないように、上半身がすっと伸びている感じで。「身体がほぐれている状態でゆったりと呼吸します」(谷戸先生)

↑力まず自然な状態でゆったり呼吸する

 

最後は、完全に脱力します。仰向けになって、足も腕も楽な体勢にして1分ほど休みます。「頭、筋肉、関節、内臓、マインド、すべてを起きていながらも休ませる感覚です」(谷戸先生)

↑完全脱力状態で、身体のあらゆる部分を休める

 

↑最後は、合掌をしてフィニッシュです

 

約1時間のレッスンが終了。始める前よりも参加者のリラックスした様子がうかがえます。気になっていたヨガで久しぶりに身体を動かし、普段の疲れから解放された様子で、いわゆる“いい表情”されていました。ここからは各参加者の悩みに合わせた谷戸先生による“補習”レッスン。日常で使えるヨガテクニックを習います。その様子は後編で。

 

【関連記事】

男子のためのヨガレッスン「男前ヨガ」。仕事の合間や、家族と一緒に「整える」ヨガテクニック教えます(男前ヨガ・後編)

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

ヨガインストラクター・谷戸康洋公式サイト https://yasuhiroyato.com/

谷戸康洋先生によるオンラインクラス、レギュラークラス、ワークショップなどの情報はホームページをご確認ください。

 

撮影/映美 取材・文/kitsune ヘアメイク/扇本尚幸