共働き世帯が急増しています。厚生労働省の調査によると、共働き世帯は1000万世帯を超え、専業主婦世帯は600万台まで減少。ライフスタイルも昔とは変わっているものの、依然として妻の家事負担は多く、不公平になっているようです。「他人には相談しづらい、解決方法がわからない」となりがちなこの課題に向き合うため、パナソニックは30代・40代夫婦2700名以上を対象にライフスタイル調査を実施。 そこから見えてくる共働き家庭の現状と本音を把握したうえで、家庭づくりのノウハウを紹介するNPO法人「tadaima!」の三木智有代表を招き、解決策を提案するセミナーを行いました。果たして、夫婦円満につながる家事負担のあり方とは? 共働き家庭の家事をサポートする、現代の「新・三種の神器」とは? 気になる内容をレポートします。
「理想は3割、現実は2割」夫婦の6割以上が「1割の差」でケンカする現実
パナソニックの調査によると、生活の中で減らしたい時間は1位が「片付けをする時間」、2位が「掃除をする時間」、3位が「洗濯をする時間」という結果に。「散らかったら元に戻す」といったマイナスをゼロにする家事は、常にできていて当然のもの。時間がかかり、重労働にもかかわらず、共働きでも妻がメインで行っている家庭がほとんどです。
家事シェア研究科であり、内閣府「男性の暮らし方・意識改革のための専門調査会」委員でもある三木智有氏は、「家事分担のいざこざはどこの家庭にもあります。イライラの原因は2つ。1つは”負担”です。掃除や料理といった労働ですが、それは代行業者を利用したり、便利な家電を利用したりして、仕組みづくりを変えることで解消できます。もう1つは”不満”。これは『自分ばかりがやっている』という不公平感です。この不満を解消するのは夫婦でのコミュニケーションが大事です」と語りました。
調査によると、64.1%の家庭が家事分担でケンカをしているとのこと。妻が夫に求める家事分担の理想は3割ですが、現実は2割に留まっています。そのたった1割の差が、家事に慣れない夫にとっては大きな負担となるため達成することができず、その1割のために妻が不満を持つ結果となっているようです。
そこでパナソニックが提案しているのは、現代の「新・三種の神器」の導入です。1950年代当時の三種の神器といえば「冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ」でしたが、現在は、これに代わる「新・三種の神器」として、食器洗い乾燥機、ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機が挙げられています。しかし、新・三種の神器は普及率がまだ低く、食器洗い乾燥機は約25%、ロボット掃除機は約5%、ななめドラム洗濯乾燥機は約14%に留まっています。ただし、これらを実際に使った多くのユーザーからは「時間に余裕が生まれた」と回答しており、満足度が高い家電ということがわかっています。
1日分をまとめて洗える! 手洗いよりキレイになる食器洗い乾燥機「NP-TH1」
例えば夫の夕食の時間がずれて、夫に食器を自分で洗うようにお願いしても、そのままシンクに残っていたら妻はガッカリしますよね。その点、食器洗い乾燥機があれば、こうしたストレスを防ぐことができるとしています。特にパナソニックのNP-TH1は、卓上型でも1日ぶんの食器(食器40点、小物20点)をまとめて洗えるのが特徴。本機を寝る前にセットしておけば、朝には家族すべての食器洗いが一度で終わっているというわけです。
しかも、60℃~80℃の高温のお湯で、手洗いでは使えない強力な洗剤を使って洗えます。油汚れも落ちて、手洗いよりキレイになるため、洗い直しなどの手間もありません。使う水量も手洗いの1/6程度と、いいことづくめ。パナソニック担当者からは「特に食器洗い乾燥機は、実際に使った家庭からの満足度が高い製品となっています」と説明がありました。
留守中に掃除が終了! 掃除した内容も確認できるロボット掃除機「RULO」
人工知能搭載のロボット掃除機「RULO」(MC-RS800)は、3種類の障害物検知センサーを搭載しており、約2㎝幅の障害物まで見分けて家具のキワまでしっかりお掃除。留守中に稼動させておけば、帰宅時には掃除が終わっているのが便利です。スマホで外出からの操作も可能で、スマホの「ゴミマップ」で掃除結果のレポートも確認可能。掃除したい場所、したくない場所をスマホでエリア指定できるオリジナル機能も装備しています。掃除の負担を減らしてくれるのは間違いありません。
液体洗剤と柔軟剤を自動で入れてくれる、ななめドラム式洗濯乾燥機
同社のななめドラム式洗濯乾燥機「泡洗浄」搭載タイプ(NA-VX9800/NA-VG2200)は、液体洗剤と柔軟剤を洗濯物の量やコースに合わせて自動で投入してくれます。洗剤は適量を入れないと黒ずみの原因にもなるので、洗剤のブランドに合わせてきちんと計量しなければなりませんが、これならその必要がありません。
また、洗剤が少なくなるとスマホに通知が来るので、洗濯したいときに洗剤切れで洗えない…という事態を避けられます。帰宅時間にあわせて洗濯終了時刻を設定し、洗濯から乾燥まで終わらせられるのも便利。帰宅後にたたむだけなので、共働き家庭で重宝しそうです。
家事を夫に協力してもらうには、やって欲しいことを具体的に伝えること
三木氏は「自分は食事と掃除を担当しており、妻は洗濯担当。我が家でもドラム式洗濯乾燥機を活用しており、とても助かっています。洗濯はスイッチひとつで乾燥まで終わっているので、妻に時間のゆとりができ、子どもと一緒に洗濯ものをたたむ練習をするなど、他のことができるようになりました」と、家電を活用した効果を教えてくれました。
また、三木氏は「夫には手伝ってもらうのではなく、一緒にやってほしい。どのように伝えたらいいのか」というメディアからの質問に対し、「『明確に』『何を』『どれくらい』やってほしいのか、きちんと伝えることが大事」と答えてくれました。「家事(の要求レベル)は自分のなかにしか答えがないので、それをしっかり伝えないと。男性側は、やったのに『違う』と言われると、やる気がどんどん削がれてしまいます。妻側は自分のニーズを伝え、夫にはその通りにしっかりやってもらうことでお互いに満足でき、オーナーシップ(責任感を持って取り組む姿勢)や自立性が高まります。そこまでできるようになったら権限を夫に渡し、やりたいようにやってもらうことで、お手伝い感覚はなくなっていくと思います」と具体的にアドバイスしてくれました。つまり、「お風呂掃除して」と伝えるのではなく、「湯船のヌメリをこの洗剤とスポンジを使って完全に落とし、排水口の中にこの洗剤をまいて、タイル目地のカビをこの洗剤で黒ずみが消えるまで取って」…といった具合に、要求を具体的に伝えることが大切なのですね。
今回のセミナーで、家事分担で夫婦ともに満足するには、上手に家電を活用して家事を減らしつつ、夫婦間で具体的な要求を交わすのが重要だと理解できました。ぜひ実践して夫婦の「共疲れ」を防ぎ、共働き生活を豊かで楽しいものにしたいですね。