2017年は機能性を高めた高級モデルが登場して注目を集めたコーヒーメーカー。今回は注目のコーヒーメーカー4モデルをピックアップして、味わいや使い勝手を家電ライターの小口 覺さんが徹底テストしました。一押しモデルは果たして――!?
味と実用度を重視して4モデルを評価
テストしたコーヒーメーカーは、いずれも豆を挽くミル内蔵のモデル。豆のまま購入することで、劣化(酸化)のスピードが抑えられ、挽き立ての味と香りが楽しめるのが特徴です。味の傾向は、フィルターの種類で大きく異なる結果となりました。また、本体がよりコンパクトなのは構造がシンプルなメッシュフィルター採用の2モデルです。
今回は味だけでなく、日常の扱いやすさも重視して4つのコーヒーメーカーをテストしました。評価項目は「味わい」「調節のしやすさ」「メンテナンス性」「使い勝手」の4つの項目で、各項目5点満点、合計の最高点は20点としました。それではテスト結果をご覧ください!
[エントリー01]
パナソニック
実売価格1万8327円
沸騰浄水機能により水のカルキを90%以上カット。フィルターはペーパーフィルターを採用。
●サイズ:約W220×H345×D245mm●質量:約2.9kg
[計19点]
評価項目01 味わい ★★★★★
コーヒーの苦みはしっかりあり、雑味がありません。4モデルの中でいちばん喫茶店のハンドドリップの味に近いと感じました。
評価項目02 調節しやすさ ★★★★★
挽き加減は「粗挽き」と「中細挽き」から、抽出コースは「マイルド」と「リッチ」から選べます。
評価項目03 メンテナンス性 ★★★★
バスケットごと本体から取り外すことができ、手を汚すことなくフィルターをごみ箱に捨てられます。
評価項目04 使い勝手 ★★★★★
水容器は着脱式なので、水道からも直接注ぐことができます。目盛りは両面に表記されます。
[エントリー02]
象印
実売価格2万3300円
保温効果のあるサーバーが付属します。フィルターはペーパーフィルターを採用。
●サイズ:約W240×H375×D250mm●質量:約4.5kg
[計20点]
評価項目01 味わい ★★★★★
「濃い」では苦みもしっかり出ますが、全体的に上品な味。4モデルの中ではもっともあっさりしています。
評価項目02 調節しやすさ ★★★★★
挽き加減は「粗挽き」と「中細挽き」から、抽出コースは「普通」と「濃い」が選べます。
評価項目03 メンテナンス性 ★★★★★
フィルターケースのみ取り外すことができ、手軽に手を汚さず、フィルターをごみ箱に捨てられます。
評価項目04 使い勝手 ★★★★★
水容器は着脱式で、水を注ぐ場所を選びません。浄水カートリッジケースがセットされています。
[エントリー03]
シロカcrossline
実売価格1万400円
コンパクトながら4杯まで淹れられます。フィルターはメッシュフィルターを採用。
●サイズ:約W173×H270×D220mm●質量:約2.2kg
[計14点]
評価項目01 味わい ★★★★
苦みがしっかりあるコーヒーらしい味。表面にコーヒーの油分が浮いているのもわかります。
評価項目02 調節しやすさ ★★★
挽き方は中細挽き固定で、濃さは変えられません。淹れる杯数によって「豆モード」を選択します。
評価項目03 メンテナンス性 ★★★
メッシュフィルターをミル付きバスケットごと取り外して、流しなどで洗う必要があります。
評価項目04 使い勝手 ★★★★
水は肩の所にある吸水口から注ぎます。給水の目盛りは視認しやすく、本体の大きさは4モデル中もっともコンパクトです。
[エントリー04]
アイリスオーヤマ
実売価格6780円
リーズナブルながら挽き方も選べます。フィルターはメッシュフィルターを採用。
●サイズ:約W177×H292×D286mm●質量:約2.5kg
[計16点]
評価項目01 味わい ★★★★
しっかりした味で、多少は渋みが感じられます。粗挽きだとシロカよりもマイルドになりました。
評価項目02 調節しやすさ ★★★★
豆の挽き方を「豆1(粗挽き)」と「豆2(中挽き)」から選べます。ダイヤルなので、切り替えは簡単。
評価項目03 メンテナンス性 ★★★★
メッシュフィルターをミル付き水タンクごと取り外して洗います。ハンドル付きで外しやすいのも◎。
評価項目04 使い勝手 ★★★★
水は本体の上部から注ぎます。目盛りが階段状の立体構造になっていて、視認しやすいのも嬉しい特徴です。
[20点満点の一押しモデルはコレ!!]
象印
珈琲通 EC-NA40
総評:誰にとっても飲みやすく 長時間保温できる点を評価
味わいについては、フィルターの種類によって傾向が異なりますが、そこは好みによるところも大きいですね。ただ、ペーパーフィルターのほうがやさしい味で多くの人にとって飲みやすいと感るのは確かでしょう。差が付いたのはメンテナンス性。使い終わったフィルターの捨てやすさなど、細かな気配りが「珈琲通 EC-NA40」には感じられました。魔法瓶効果のあるステンレスボトルで保温でき、長時間温かいコーヒーが楽しめるのもメリットです。
【解説してくれた人】
家電ライター
小口 覺さん
生活家電は体感で評価。専用ミルを購入するなど、とくにコーヒーの味にはこだわりを持っています。
協力:楽天市場