高圧洗浄機やスチームクリーナーなどで知られる清掃機器メーカー・ケルヒャージャパンは、創立30周年を記念して、東京国際フォーラムにて「ケルヒャーフェア30」を開催しました。そのフェアの模様および、事業戦略説明会についてレポートします。フェアでは、日本ではあまりなじみのないユニークな業務用アイテムも展示されていたので、合わせて紹介していきましょう。
30年の歴史で大きなターニングポイントになった3つの施策
まずは事業戦略説明会から。ケルヒャージャパン株式会社代表取締役社長の佐藤八郎氏が登壇し、ケルヒャージャパンの歴史や事業内容などについて説明を行いました。
30年の歴史の中で大きなターニングポイントとなったのは3点。まずは①業務用清掃機器業界におけるカスタマープラットフォームの拡大です。2006年より12のターゲット業種ごとにスペシャリストを配置し、新規市場の開拓を行ってきた結果、さまざまな業界でケルヒャー製品が使われるようになったとのこと。また、それに伴い全国規模でアフターサービス体制を強化しました。
次が②一般家庭用製品の認知拡大。これは主にテレビ通販番組への露出です。ケルヒャージャパンは2000年から本格的に家庭用市場へ参入。その後、テレビ通販を足がかりにホームセンター、家電量販店での対面販売にも力を入れることで、認知拡大を行ってきました。
最後のターニングポイントが、③「日本橋クリーニングプロジェクト」です。これは、日本で初めて「日本橋」という重要文化財をクリーニングすることで、製品技術力の証明ができた点が大きかったとのこと。世界的には自由の女神などの清掃も行ってきた同社。日本ではなかなか許可が下りないなど、困難なことも多いようですが、今後もさまざまなプロジェクトを展開していきたいと語りました。
また、「SUSTAINABILITY〜社会との共生〜」を重視している点も強調。自然災害の支援活動や、地球環境に配慮した企業活動、文化・歴史を次世代に継承するクリーニングプロジェクトなどを通じ、「清掃」による社会貢献を行っていきたいということです。
業務用も含むユニークな展示製品を一気に紹介!
「ケルヒャーフェア30」では、業務用から家庭用まで、幅広いジャンルの製品が展示されていました。そのなかから、主なものをピックアップしてご紹介します。
汚水の排水から充電まで自動で行うロボット自動床洗浄機「KIRA B 50」
「KIRA B 50」は、ロボットが自動で床洗浄、洗浄水の給水、汚水の排水、汚水タンクの洗浄、バッテリー充電を行うという、オールインワンロボット自動床洗浄機です。本体が自動的に清掃範囲をマッピングし、自動で清掃。光学音響センサーシステムを搭載し、障害物を避けつつ清掃を行います。
ドッキングステーションが付属しており、清掃が終わると本体が自動的にドッキングステーションへ帰り充電。また、サイドブラシを搭載することで隅々まで清掃できるように工夫されています。こちらは2019年後半の導入予定。想定価格は400万円ということです。
ドライアイスで汚れを吹き飛ばす「ドライアイスブラスター」
こちらは、ドライアイスを利用して清掃を行う「ドライアイスブラスター」です。ドライアイスのペレットを入れると、圧縮空気と混合されます。これを汚れに噴射することで、急激な冷却効果で汚れに割れ目を入れ、そこにドライアイスの粒子が入り込むと約400倍に体積が膨張。これによって、汚れを吹き飛ばします。強力な汚れの除去時間を大幅に短縮できるだけでなく、水や洗剤が不要、廃液が出ないため、環境に優しいのもポイントです。
ドライアイスブラスターの新製品IB 10/8 L2Pは、本体内部に液化炭酸ガスを注入することで、ドライアイスを生成できるという機能を搭載しています。
道路清掃、除雪、芝刈りなどができる「シティクリーナー MIC42」
こちらはオールシーズン使用できる多用途作業車です。前面のアタッチメントを変えることで、さまざまな用途に対応。道路清掃、除雪、芝刈りなど、多彩なアタッチメントが用意されています。また、吸引用ホースも搭載されているので、作業車が入り込めないところの清掃も可能です。
日本に合わせて静音化とコンパクト収納を実現した家庭用高圧洗浄機「K 2 サイレント」
家庭用の高圧洗浄機の新製品「K 2 サイレント」は、日本向けに開発されたもの。シリーズ初となる静音設計が採用されており、集合住宅などでの使用に配慮されています。また、本体重量は従来の水冷式静音モデル「K 3 サイレント」と比較して約50%軽量化されています。
ホースやノズル、電源コードなどをコンパクトに収納できる点(上写真)も、日本の住宅事情に合わせた配慮。本機の登場で、より高圧洗浄機が身近になることでしょう。発売は10月1日(月)、実売予想価格は2万2980円(税抜)です。