新銘柄の開発者が「Wおどり炊き」の銘柄炊き分けに感動
続いて、ライスレディの塚原さんを進行役として、「いちほまれ」の開発に携わった福井県農業試験場の小林麻子博士と、「だて正夢」の開発に携わった宮城県古川農業試験場の遠藤貴司博士が、銘柄炊き分けの再現性の高さを語りました。
小林麻子博士は「コシヒカリを産んだ福井県から、コシヒカリを超えるお米を作りたい」と職員一丸となって取り組み、「1700人にどんな味が美味しいかアンケートして開発した」と述べました。いちほまれの特徴は、白さとツヤ、口に広がる優しい甘さ、粘りと硬さ。研究所で試作機の「いちほまれコース」の炊きあがりを試したときは「水を変えず、炊き方だけでここまでできるのか」と感動したとのことです。
一方、遠藤貴司博士によると、「だて正夢」は、宮城ゆかりの戦国武将の名をもじり、東日本大震災からの復興を正夢にしたいとの願いを託して命名したとのこと。北海道のお米が持つモチモチ感を取り込みたいと開発したところ、加水条件などによっては、柔らかくなりすぎて粒感が感じられなくなるなど、やや難しいお米に仕上がったそう。
「研究所ではガス炊飯器を使って味の研究を深めました。Wおどり炊きの『だて正夢コース』は、それで炊いたのと同じか、それ以上のおいしさを実現しています。頑張ってくれたのだなとうれしくなりました」(遠藤博士)
いよいよ試食! 味の違いがはっきりわかる
とはいえ、実際のところはどうなのか? 自身で食べてみないことにはなんとも言えません。というわけで、試食体験会に参加。ステージに並んだ6台のWおどり炊きで炊かれた6種類の銘柄を器によそってもらい、食べ比べることが可能。ただし、器は3つ用意されていて、一度に3銘柄まで選べる仕組みです。
6銘柄が並んでいる以上、3種類といわず6種類を全て試したいのがメディア魂。知り合いの記者と示し合わせて6種類を揃え、食べ比べてみました。すると、意外なほど味に違いが出ることに気が付きます。
「だて正夢」は硬さとモチモチ感のバランスがバツグン。「いちほまれ」はしっかりした歯ごたえがありながら、噛むうちに口の中でとろけていきます。「新之助」は粘りがあり、お米が含む水の味がおいしく感じました。「ゆめぴりか」は柔らかい粒が好きな人向けで、味が濃い印象。自分の好きなご飯が探せるほか、よく食べるおかずに合うご飯を探すのも楽しそうです。
なお、本イベントでは、タイトルが「OKOME STORY MUSEUM」となっているように、食べ比べだけでなく、お米についてのさまざまな知識を得られる展示会仕立てになっています。お米地図や食味チャート、47都道府県の「至高の一膳」パネルなど、興味深い内容が盛りだくさんです。
冒頭で述べた通り、東京では14日(日)までの開催ですが、その後は大阪や名古屋でも開催する予定。いずれも入場料は無料です。お米の多様性に触れ、さまざまなおいしさが発見できるイベント、ぜひ体験してみては。
【OKOME STORY MUSEUM イベント開催日程】
東京会場:青山スパイラルガーデン
開催日:2018年10月5日(金)~14日(日)
大阪会場:パナソニックセンター大阪
開催日:2018年10月18日(木)~28日(日)
名古屋会場:久屋大通公園
開催日:2018年10月27日(土)~28日(日)