空気清浄機は、いまや国民的問題である花粉対策の必需品。日本の空気清浄機市場は加湿機能搭載が主流ですが、近年はメンテナンスの手間が少ない空気清浄特化型も人気です。2018年〜2019年の年末年始、買うべきはどちらなのでしょうか? 専門家がA/B/Cの3段階で評価します。
【テストした人】
家電コーディネーター 戸井田園子さん
消費者目線の製品評価で読者から絶大な支持。空気清浄機の主要モデルは、すべて実際に試しています。
【空気清浄性能】
空気清浄機の実力を見るために、フィルター構成と「8畳の清浄時間」をチェック。シャープやパナソニックなどイオン放出機能搭載モデルは、イオンの特徴も合わせて確認しました。
【設置性】
空気清浄機は置く場所でその効果が変わる一方、モノが多い部屋では設置場所に困ることもあります。メーカーが推奨する設置場所の条件をチェックして、その実用性を吟味しました。
【手入れのしやすさ】
空気清浄機を使うなら小まめなメンテは不可欠。ここでは各機種のお手入れ箇所と手入れのしやすさを確認。手入れ軽減機能があるものは合わせてチェックしました。
【独自機能】
最先端のトレンド機能やきれいな空気の維持につながる機能など、各社が持つ特徴的な機能をチェック。花粉対策につながる機能も合わせて、ここで確認しました。
花粉やPM2.5対策など空気清浄機は通年使う時代に
花粉対策の重要ツールとして、空気清浄機はいまや日本の生活に不可欠。さらに近年はPM2.5問題などにより、空気清浄機は通年で使う家電となってきました。
そんな空気清浄機の購入時に悩むのが「加湿機能搭載型と空気清浄特化型、どちらを選ぶか」。加湿機能搭載型は空気清浄と加湿を1台で行えて一石二鳥ですが、手入れをしないと加湿フィルターにカビ菌が繁殖し、室内に放出されてしまう可能性も。対して空気清浄特化型はカビ菌放出の心配がないのが長所。また、特化型には集じんフィルターを半年〜1年ごとに交換する機種も多く、それらはフィルター掃除なしで高い空気清浄性能を維持できます。
基本的な空気清浄性能は両モデルとも着実に進化。今回取り上げたパナソニック製品には、より性能が向上した花粉対策モードも装備されています。また、フィルター掃除が不要な空気清浄特化型に対抗し、加湿機能搭載型からプレフィルターの自動掃除機能を備えた機種が登場し始めました。
さらに新しい動きとして、シャープやダイソンなど複数のメーカーがクラウド連携モデルを発売しているのにも注目。同機能は、今後のスタンダードになるはずです。
<空気清浄と加湿が同時にでき効率的かつ省スペースな加湿機能搭載の空気清浄機編>
【その1】AIがシーンごとに運転を切り替えて空気清浄力を最大化
シャープ
プラズマクラスターNEXT 加湿空気清浄機 KI-JP100
実売価格13万8240円
無線LAN経由でクラウドのAIが利用シーンごとに最適な運転に切替。空気清浄力を最大限に発揮します。ニオイセンサーの感度を高めたペット専用モードも装備。●サイズ/質量:W427×H738×D371㎜/約17㎏
【空気清浄性能:A】
「プラズマクラスターNEXT」で遠くのホコリも逃さず吸じん
8畳の清浄時間は6分。「プラズマクラスターNEXT」でホコリ除去をアシストします。静電HEPAフィルター、脱臭フィルターも搭載。
【設置性:B】
広いリビング以外は置きづらく一般家庭にはやや大きすぎる
本体が大きく幅もあり、広めのリビング以外には設置が難しい印象。ただ、本体背面を壁から3cmまで近づけて置けるのは良いです。
【手入れのしやすさ:B】
プレフィルターを定期的に自動で手入れしてくれる!
プレフィルター自動掃除機能が便利! ただ、フィルターやプラズマクラスターイオン発生ユニットなど手入れ箇所は多かったです。
【独自機能:A】
クラウドのAIにつながり花粉情報をもとに運転切替
クラウドのAIにつながり、使用家庭の運転状況や空気情報を分析。屋外に花粉が多い日は自動で花粉モードに切替わります。
【その2】「ナノイーX」と独自気流で花粉とハウスダストを撃退
パナソニック
ナノイーX 加湿空気清浄機 F-VXR90
実売価格8万1110円
「ナノイーX」と花粉撃退気流で花粉やハウスダストを徹底除去。汚れの種類により気流を切替えて空気清浄します。最大加湿量870㎖/hで冬の乾燥時も活躍。●サイズ/質量:W398×H640×D268㎜(※1)/11.8㎏ ※1:下部を含む奥行きは309mm
【空気清浄性能:A】
活性炭入りフィルターや「ナノイーX」で脱臭性能が優秀
HEPA集じんフィルター、活性炭入り脱臭フィルターを装備。8畳の清浄時間は約7分。「ナノイーX」で浮遊する花粉も無力化(※2)。※2:約6畳空間での約24時間後の効果
【設置性:A】
壁から1cm離せばOK、設置性は極めて高い!
後方の壁から1cm離せば性能に支障がないので、設置性は優秀。デザインがスタイリッシュで、インテリアになじみやすいのも◎。
【手入れのしやすさ:B】
洗いやすい加湿フィルターやタンクは評価ポイント
加湿フィルターはスポンジ素材で洗いやすく、集じんフィルターは掃除機でホコリ除去可能。タンクも口が広く、奥まで洗いやすいです。
【独自機能:B】
独自の気流制御技術で花粉の除去性能がアップ
花粉の捕集に有効な下部吸引をツインルーバーでサポートし、花粉除去力が従来の2倍に。「ナノイーX」との合わせ技で花粉を撃退します。