ハンガーにかけたままシワ伸ばしできる便利さから人気に火がついた衣類スチーマー。最近はスチーム量が多く、より短時間でシワを伸ばせるアイロンなしモデルの人気も上昇中です。2018年〜2019年の年末年始、買うべきはどちらなのでしょうか? 専門家がA/B/Cの3段階で評価します。
【テストした人】
家電コーディネーター 平島憲一郎さん
本誌のほかウェプメディアでも生活家電の記事を執筆。衣類ケア系など生活家電全般を手がけています。
【立ち上がりの早さ】
忙しい朝などに、スイッチを入れてもなかなかスチームが出てこないと、イライラしてしまう……。スイッチオンからスチームがスタンバイ状態になるまでの時間を計測しました。
【操作性】
使用中の腕の負担に直結する重量感のほか、グリップのフィット感やスイッチの押しやすさ、取り回しやすさをチェック。本体を傾けてスチームの出が悪くならないかも確認しました。
【スチームの強さと質】
シワの伸びやすさを決めるのはスチームの強さと細かさ。スチーム噴出の強さやスチームしたときの広がり方、スチームに水のダマが混じらないかをチェックしました。
【注水のしやすさ】
多くの衣類をケアしたいなら、注水量の多い機種が有利。一回の給水量を確認したほか、本体に直接注水するタイプかカセット式か、ふたやカセットの着脱で不満点がないかも確認しました。
誰でも手早くシワが伸ばせる衣類スチーマーが人気拡大中
アイロン台を出す手間がなく、シワが簡単に伸ばせる衣類スチーマーは、アイロンが苦手なひとり暮らし男性だけでなく、家事や仕事に忙しい主婦にも人気。ビジネスカジュアルの浸透や、念入りにアイロンがけしなくてもいいシャツが増えてきたのも、衣類スチーマーが人気となった一因でしょう。
同カテゴリの現在の主流はアイロン面搭載モデル。基本はスチーム、気になる部分やしっかりプレスしたい部分にアイロンがけ、という使い方に便利です。本体が軽くて長時間使っても疲れませんが、注水量が少なく一度に多くの枚数をさばけないのが弱点。ただ、その日に着る1〜2枚をスチームがけするのには問題ありません。
対してスチーム特化モデルは、アイロン機能を省くことで注水量やスチーム力を強化。例えばティファールのアクセススチーム プラスは、注水量が185㎖、連続スチーム時間も約18分と圧倒的に長い(ただ、本体質量に加え注水量も増えて結構重くなります)。さらに、アイロン機能省略を本体軽良化につなげたツインバードも注目です。
今回はそんな両カテゴリの実際の使いやすさを検証。立ち上がりの早さやスチームの質、操作性などをチェックしました。
<気になる部分をパリッとシワ伸ばししたいならアイロン面搭載編>
【その1】「3倍パワフルスチーム」でシワすっきり!
パナソニック
衣類スチーマー NI-FS540
実売価格9740円
強力スチームでシワに加え加齢臭も除去。噴出スチーム量を瞬間的に3倍にできる機能を搭載しました。滑り性の高いセラミックコートのかけ面で、軽い力でアイロンがけできます。SPEC●サイズ:約W70×H150×D150㎜●スチーム量:平均約11mg/分●スチーム連続噴出時間:約4分●注水量:約50mℓ●質量:約705g
【立ち上がりの早さ:A】
電源オンして30秒弱でスチームがけの準備完了
電源スイッチをオンにして約24秒でスチーム使用可能になりました。電源スイッチは本体側面の前方寄りに付いています。
【操作性:A】
どんな角度で使ってもスチームが安定して出る
アイロン面をどの角度に向けても安定してスチームが出るのが良い。質量は約705gでトリガーも軽く、長く使っても疲れませんでした。
【スチームの強さと質:A】
細かく上質なスチームが直線的に噴出された
「3倍パワフルスチーム」で直線的にスチーム放出。蒸気は細かく、水ダマもありません。生地にアイロン面を軽く当てるとシワがよく伸びました。
【注水のしやすさ:B】
専用カップで本体に注水するのは気を遣う
注水量は約50㎖。本体に注水するタイプで、専用カップで水を入れます。注水口が小さいので水を入れる際にこぼれないよう気を遣いました。
【その2】業界初のコードレス対応で自由度がアップ
東芝
コードレス衣類スチーマー
TAS-X4
実売価格1万4900円
ワンタッチで電源コード(給電プラグ)が外せて、コードレスでも使える2way仕様。アイロンとして使う場合は、生地に合わせて温度を3段階に調整可能なのもうれしいです。SPEC●サイズ:約W71×H137×D179㎜●スチーム量:平均約12mℓ/分(シャワースチーム)●スチーム連続噴出時間:約4分●注水量:約50mℓ●質量:約705g
【立ち上がりの早さ:B】
スチームが出なくなっても45秒で再立ち上げできる
セットして約1分30秒で準備完了。コードレス使用時にスチームが出なくなってもスタンドに戻して45秒で再使用できるのは助かります。
【操作性:B】
コード式で長時間使えてコードレスで取り回し自由
コードレスで自由に取り回しできるほか、コード式でも使えます。コードレス使用時で約710gだが、重心のかかり方のせいか、やや重く感じました。
【スチームの強さと質:B】
噴出スピードは遅めでスチームが広範囲に広がる
写真に写りにくかったですが、ダマのない良質なスチームがしっかり出ていました。噴出スピードは遅めで、広範囲をシワ伸ばしできます。
【注水のしやすさ:B】
付属のカップで注水する際やや注意が必要かも
付属のカップを使って本体に注水する方式で、注水量は約65㎖。これも注水口が小さく、ササッと水が入れられるタイプではありませんでした。