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2020/1/17 16:00

1週間で先行品が完売したコカ・コーラ初の家電「&Drip」。世界初を盛り込んだ発明誕生の舞台裏

 

世界のどこにもない機能を2つも採用している

「&Drip」は、世界的デザイナーの佐藤オオキさん率いるnendoが監修しているのも特徴。個人的にはスピーカーのようなルックスだと思うのですが、これはイメージされたものなのでしょうか。

 

「スピーカーありきではないですね。キッチンではなく、リビングになじむ美しいデザインを求めたら、この形になりました。フォルムは主張しすぎないよう、インテリアに馴染むシンプルなキューブ型に。キッチン以外に置くことを考え、正面の丸い取り出し口は、ドリップ時にコーヒーが周囲に飛び散らないよう工夫しているのもポイントです。色は社内で検討を繰り返し、この2色に決定しました」(藤井さん)

 

↑フラットで、すっきりしたデザインは裏側も同様。「い・ろ・は・す」を装着した場合もボトルを隠せるようになっています

 

「い・ろ・は・す」を使えるというのはコカ・コーラならではでしょう。この着想ははじめからあったのでしょうか。また、そのほかに苦労した部分は?

 

「nendoさんには2018年に『い・ろ・は・す』のグラスボトル入り炭酸水をデザインしていただき、想い入れを持っていただいていたんです。それでnendoさんからこのアイデアをいただきまして、もちろん即採用となりました(笑)。特に苦労したのは使わない時はボタンが隠れるタッチパネルと、ギター音を流す機能です。同様の機能をもったコーヒーマシンは世界のどこにもない、と技術者側から言われまして」(藤井さん)

 

↑操作は内蔵のタッチパネルで。ボタンは左から、カフェラテ用のミルク、カフェラテ用の濃いコーヒー、レギュラーコーヒー、アイス用コーヒー、洗浄、電源となります。また、コーヒーのでき上がり時などの音はエレキギターをシミュレートした音像になっています

 

未知なる最先端の機能が詰まったプロダクトを追い求め、行き着いたのはカプセル式コーヒーマシンの先進国であるドイツとスイス。同カテゴリーにおける世界最高峰の技術者と協業することで実現しました。

 

「カプセル式コーヒーの普及は、欧米の方が日本よりも進んでいます。私は2011年に3か月ほどアメリカに住んでいたことがあるのですが、そのときにも強く実感しました。また、ヨーロッパの普及率はそれ以上とも言われていますし、カプセルでもマシンでも、圧倒的にメーカーの数が多いんです。ただ、日本でもこれからカプセル式を利用する方が増えると思っていますし、当社としてはチャンスでもあります。そういった背景も『&Drip』誕生の理由ですね」(藤井さん)

 

画期的なコーヒーマシンではあるものの、コカ・コーラとして家電に取り組みのは初めてのことだらけ。そこでクラウドファンディングを活用し、コアユーザーであるアーリーアダプター(新しい商品やサービスの流行に敏感で、自ら情報収集を行い判断する層)の意見を聞く販売手法を試みたそう。

 

「なかでも、新製品に対するクラウドファンディングの実績が多いMakuakeさんを利用させていただきました。目標の400台を1週間で完売できて、非常によかったです。今後は新カプセルの発売も控えていますし、自社でもさらにディスカッションを重ねて開発を進めていきたいと思います」(藤井さん)

 

↑公式サイトより。2月にはダージリンティー、3月にはアイスコーヒー用カプセルの販売を予定

 

2月発売予定のダージリンティーは、ティーバッグではない喫茶店のポットティーのおいしさを、家庭で実現できることを目指した商品。このように、コーヒー以外を楽しめるのも「&Drip」の魅力ですが、今後のカプセル展開はどのように考えているのでしょうか。

 

「当社にはコーヒー以外に紅茶や緑茶など、様々な飲料の知見がありますが、『&Drip』で商品化するかどうかはお客様の声次第だと考えています。今後もお客様の欲しいカプセルを展開することで、ご家庭で愛される存在になっていきたいですね」(藤井さん)

 

 

現在、店舗として実物を置いているのは蔦屋家電のみですが、サイズ、質感、音、味などを試してみたい人は、ぜひ二子玉川へ足を運んでみましょう!

 

【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】

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