今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集めるジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、ロボット掃除機。ロボット掃除機はゴミ捕集能力とともに走行性能も進化し、まさに掃除をすべて“おまかせ”できるモデルが増えている。竹・梅クラスの価格帯でもスマホアプリなどからの操作可能な機種もある。
※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。
★ロボット掃除機、“買い”のポイント
・松クラスは頭脳明晰! やりたい掃除が物体認識機能でより自在に
・ひと部屋ずつの掃除なら、マッピング機能なしの梅クラスでも十分
・掃除する時間や場所などを設定できるスマホアプリへの対応はマスト
私たちが解説します!
走行技術の進化などでロボット丸投げ時代が到来
現在、ロボット掃除機は「ナビゲーション技術」が目覚ましく進化を遂げている。
「室内の状況を正確に把握することで清掃完遂率が上がり、掃除してほしい場所やタイミングもより簡単に細かく設定できるなど、より〝人がやりたい掃除〟に近づいています。壁ぎわなど従来のロボットが苦手だった場所の掃除も着実に克服しつつあります」(平島)
ルンバの上位機種は掃除後のゴミ捨てを自動化。「掃除という行為を意識せず部屋をきれいに保つ」未来の暮らしを先取りした印象だ。
とは言えそれらは高級モデルだけの話……と思うなかれ。数年前の高級機能が現在の中位・下位モデルに〝降りて〟きているのだ。
「ひと部屋ごとの掃除なら下位モデルでも上位モデルに引けを取りません。スマホ連携やスマートスピーカー連携も徐々に標準機能になりつつあります」(青木)
【《松》クラス】予算額14万円以上
この価格帯は、ナビゲーョン性能・ゴミ捕集機能が圧倒的。ルンバなら掃除するエリアや時間の提案をしてくれて、ゴミ捨ても自動だ。ルーロはモノが多い床面の掃除が特に優秀。
【No.1】家具の種類も見分ける走行技術や自動ゴミ収集など先進機能が満載
アイロボット
ルンバ s9+
実売価格18万6780円
先進のナビゲーション技術で掃除する場所やタイミングを自在に設定可能。2本のゴム製ブラシとルンバシリーズ最大の吸引力で、床上のゴミを確実に取り除く。D型形状採用で部屋角のゴミにアプローチ。掃除後本体にたまったゴミは自動ゴミ収集機に排出する。
SPEC ●クリーニング技術:AeroForce(R) 3段階クリーニングシステム ●集じん容積:非公表 ●清掃範囲:フロア全体 ●サイズ/質量:W312×H89×D312mm/約4.0kg
ナビゲーション技術 | iAdapt3.0ビジュアルローカリゼーション+Imprintスマートマッピング |
充電時間 | 約3時間 |
稼働時間 | 最大120分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
スマスピへの声がけだけで掃除できるハイテク機種!
「物体認識機能により、清掃エリアをピンポイントで指定できるのがとにかくラク。例えば食後に『キッチンとテーブルの下を掃除して』と声がけすればその通りに掃除してくれます」(青木)
掃除からゴミ捨てまで丸投げできて最高です
「最大吸引力はi7+の4倍で、4コアCPUを搭載するなど基本性能が圧倒的。クリーンベースのゴミ捨ても1〜2か月に一度でOK。掃除を丸投げする快楽を味わいたいならコレ一択です」(平島)
【No.2】見逃しがちなゴミもレーザーSLAMで逃さず吸引!
パナソニック
ロボット掃除機 ルーロMC-RSF1000
オープン価格
レーザーSLAM、360°レーザーセンサーなどで間取りや床上の障害物を正確に認識し、見逃しがちな場所のゴミも吸引。また、「アクティブリフト」で25mmまでの段差を確実に乗り越える。スポット掃除する場所まで人を追尾する「otomo」機能も装備。
SPEC ●クリーニング技術:V字ブラシ ●集じん容積:0.25L ●最大稼働面積:約130畳 ●サイズ/質量:W345×H99×D330mm/3.4kg
ナビゲーション技術 | レーザーSLAM |
充電時間 | 約5時間 |
稼働時間 | 約100分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
ゴミがたまりやすい場所を重点的に掃除できて効率的
「清掃後に自動作成するゴミマップでゴミがたまりやすい場所がわかり、そこを重点的に掃除できちゃいます。『アクティブリフト』により薄手のラグを巻き込む心配がないのも助かる!」(青木)
使う前に片付けしなくても上手に掃除してくれる!
「床にモノが多くても、それらを巧みに避けて部屋中をきれいに掃除してくれます。ロボット掃除機を使う前に部屋を片付ける手間がなく、面倒臭がりの人にもオススメできます」(平島)
【No.3】自由自在な自動掃除と自動ゴミ捨ての快適さを体感
アイロボット
ルンバ i7+
実売価格14万2868円
s9+と同じナビゲーション技術、クリーニング技術を採用。よく掃除する場所を「お気に入り」に登録すれば好みの掃除が簡単にできる。クリーンベース搭載でゴミ捨ての手間を大幅減。拭き掃除ロボットのブラーバ ジェットm6との連携にも対応する。
SPEC ●クリーニング技術:AeroForce(R) 3段階クリーニングシステム ●集じん容積:非公表 ●清掃範囲:フロア全体 ●サイズ/質量:φ351×H92mm/約4.0kg
ナビゲーション技術 | iAdapt3.0ビジュアルローカリゼーション+Imprintスマートマッピング |
充電時間 | 約3時間 |
稼働時間 | 最大75分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
ロボットまかせな掃除はi7+でも十分実現できる
「部屋の隅のゴミをわずかに取り残すことはありますが、性能はほぼs9+と同じ。『掃除はロボットにおまかせ』な生活をより安く実現したいなら、i7+という選択肢もアリです」(青木)
s9+と同等の頭脳が優秀! 吸引力も十分パワフル
「物体認識機能やルンバからの様々な提案機能など、s9+と同じナビゲーション機能を搭載。吸引力はs9+より落ちるものの、通常の掃除には十分すぎるほどパワフルです」(平島)
【《竹》クラス】予算額10万円〜13万円
この価格帯は、同じメーカーのミドルクラスとなる機種。やや機能制限はあるが、vSLAMを採用し、フロア全体を効率良く掃除できるなど、高性能なものが揃う。
【No.1】掃除の途中で充電しながら広い部屋の掃除も完遂
アイロボット
ルンバ980
実売価格10万9800円
vSLAM技術でフロア全体をくまなくマッピング。掃除中にバッテリー残量が少なくなると自動で充電台に戻り、充電後に残りのエリアを掃除する。掃除する部屋の指定は不可。コネクテッドデバイスと連携すれば「家から離れたら掃除開始」などの設定は可能だ。
SPEC ●クリーニング技術:AeroForce(R) 3段階クリーニングシステム●集じん容積:非公表 ●清掃範囲:フロア全体 ●サイズ/質量:φ353×H92mm/約3.9kg
ナビゲーション技術 | iAdapt2.0ビジュアルローカリゼーション |
充電時間 | 約3時間 |
稼働時間 | 最大120分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
カーペットブースト付きでゴミ除去力は十分良好
「ソフトウェアの最新アップデートでは、花粉の季節に掃除頻度を上げるなどの提案機能が追加。カーペット上で自動的に吸引力を上げるなど、ゴミ除去性能も十分優秀です」(青木)
毎回すべての部屋を掃除する人にオススメ!
「約2年前の最上位機種。毎回フロア全体を掃除したい人にオススメ。設定はやや面倒ですがスマートロックと連携し、玄関ドアに鍵がかかると自動で掃除する設定などもできます」(平島)
【No.2】先進の「レーザーSLAM」でモノが散らかった部屋もスマートに掃除できる
パナソニック
ロボット掃除機 ルーロMC-RSF700
オープン価格
MC-RSF1000も採用する「レーザーSLAM」を搭載し、モノが多い部屋も上手に掃除。掃除中の部屋の正確な間取りと走行軌跡をリアルタイム表示し、どこを掃除中か出先から確認できる。V字ブラシでペットの毛も逃さない。
SPEC ●クリーニング技術:V字ブラシ ●集じん容積:0.25L ●最大稼働面積:約120畳 ●サイズ/質量:W345×H99×D330mm/3.1kg
ナビゲーション技術 | RULO AI |
充電時間 | 約5時間 |
稼働時間 | 約100分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/非対応 |
<クロスレビュー!>
基本性能が高いぶん大幅機能アップデートが望める
「稼働面積が最大120畳でフロア丸ごと対応。基本性能は最上位機種とほぼ同じで、今後もアップデートによる機能進化が期待できます」(青木)
この価格帯でレーザーSLAM搭載は魅力
「『レーザーSLAM』搭載で11万円台は魅力。『アクティブリフト』とスマスピは非対応ですが、部屋の状況に柔軟に対応して掃除を行います」(平島)
【No.3】障害物を巧みに避けつつ、間取り学習機能により家中を効率的に清掃可能
エレクトロラックス
ロボットクリーナー Pure i9.2
実売価格12万8000円
部屋角や壁ぎわ掃除に強い三角形状を採用。レーザーと正面カメラの情報を基に家具への衝突や玄関からの落下を回避し、マッピング機能で家中を効率的に掃除する。曜日ごとに掃除エリアと時間を指定することも可能。
SPEC ●クリーニング技術:エアエクストリーム TM テクノロジー ●集じん容積:0.7L ●最大稼働面積:制限なし ●サイズ/質量:W315×H85×D275mm/2.5kg
ナビゲーション技術 | 3DビジョンTMテクノロジー |
充電時間 | 約2時間 |
稼働時間 | 最大約120分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/非対応 |
<クロスレビュー!>
大きめのダスト容器など使い勝手を考えた設計が良い
「ダスト容器の容量が0.7Lと大きく、ゴミ捨て頻度が少ないなど、ユーザーにやさしい設計です。充電2時間で最大120分稼働もスゴい」(青木)
障害物回避能力が高いので片付けが苦手でも使いやすい
「ナビゲーションが優秀で、障害物を絶妙に回避。コード類もからみにくいです。床上の片付けが苦手な人もストレスなく使えます」(平島)
【《梅》クラス】予算額10万円以下
ロボット掃除機としては普及価格帯ながら、基本性能が高い3モデルを紹介。1〜3部屋の掃除に適した製品に加え、吸引・水拭き両対応モデルもセレクトした。
【No.1】基本の掃除性能が素晴らしくひと部屋ごとの掃除に最適
アイロボット
ルンバ e5
実売価格4万9800円
s9+も採用の「AeroForce(R) 3段階クリーニングシステム」を搭載し、高い清掃能力を誇る。ゴミの多い場所を感知して何度も掃除し、ひと部屋ごとの掃除に最適。付属のデュアルバーチャルウォールを使い、e5の侵入禁止エリアも作れる。
SPEC ●クリーニング技術:AeroForce(R) 3段階クリーニングシステム ●集じん容積:非公表
●清掃範囲:ひと部屋ずつ ●サイズ/質量:φ351×H92mm/約4.0kg
ナビゲーション技術 | 高速応答プロセスiAdapt |
充電時間 | 約3時間 |
稼働時間 | 最大90分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
人気ぶりも頷ける使い勝手とメンテ性
「ゴム製ブラシに髪の毛がからみにくくダスト容器も洗え、メンテのしやすさは竹クラス以上。音声操作にも対応し、使い勝手がすごく良い。これで5万円以下とは爆売れ中なのも納得です」(青木)
上位機種に劣らないゴミ除去力の高コスパモデル
「同じ場所を何度も別の角度から掃除するので時間はかかるが、ゴミ除去力は上位機種に劣りません。各部屋にe5を持って行って掃除させるのが苦でないなら、コスパ抜群です」(平島)
【No.2】小型ボディで小回りが利き狭い場所もおまかせ!
日立
ロボットクリーナー ミニマル RV-EX20
実売価格6万9430円
幅25cmの小型ボディで狭い場所にもどんどん入り込んでゴミ除去。独自の走行制御でキビキビと動いて掃除する。ゴミの多い場所を見つけると集中的に掃除する。スマホでスケジュール予約や掃除履歴の確認などが可能。
SPEC ●クリーニング技術:床質センシング ●集じん容積:0.25L ●最大稼働面積:約32畳 ●サイズ/質量:φ250×H92mm/2.3kg
ナビゲーション技術 | minimaru AI |
充電時間 | 約3時間 |
稼働時間 | 最大約60分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
運転音を抑えるコースは在宅ワーク中にも助かる
「基本はランダム走行で1部屋ごとの掃除向きですが、継続して複数の部屋を掃除も可。運転音を抑える『夜家事運転』は在宅ワーク中にも便利」(青木)
方向転換がスムーズで掃除する姿がかわいい
「清掃中10分ごとにブラシに絡んだ毛を除去する『ペット運転』など、多彩なモードがうれしい。方向転換が素早く、せっせと掃除する姿がキュート」(平島)
【No.3】高級モデルにも引けを取らない2 in 1タイプ
アンカー・ジャパン
Eufy RoboVac L70 Hybrid
実売価格5万4800円
吸引と水拭きが同時にできるモデル。SLAM搭載で間取りをマッピングし、部屋の形状に合わせて整然と掃除する。Boost IQTMテクノロジーで床の状況を見分けて吸引力を調整。アプリで進入禁止エリア指定もできるなど多機能だ。
SPEC ●クリーニング技術:BoostIQ TM テクノロジー ●集じん容積:0.45L ●最大稼働面積:非公表 ●サイズ/質量:約φ355×H105mm/約3.85kg
ナビゲーション技術 | iPathレーザー・ナビゲーション+A.I MapTMテクノロジー |
充電時間 | 約4〜5時間 |
稼働時間 | 最大150分 |
スマホ/スマートスピーカー | 対応/対応 |
<クロスレビュー!>
吸引&水拭きの効果でフローリングがピカピカに
「吸引と水拭きを同時に行えるので、床のピカピカ感がスゴい。水拭き時はカーペットに乗り上げないよう、進入禁止指定するのがオススメです」(青木)
この高機能・多機能ぶりは5万円台とは思えない!
「この価格でSLAM搭載、稼働時間2時間半など、高性能が過ぎる! キッチンだけ集中掃除させるなどもアプリで簡単に設定できます」(平島)
【Topic1】3万円前後でおトクに買えるロボット掃除機
3万円台以下の価格帯にも十分に使えるモデルが多数。なかにはスマスピ対応などハイスペックを有する製品もあるので見逃せない!
【No.1】約72mmの薄型ボディに機能が満載!
アンカー・ジャパン
Eufy RoboVac 15C Max
実売価格2万2800円
床面の材質を見分けて吸引力を自動調整。専用アプリで清掃モードやスケジュール設定などが行えるほか、Amazon Alexaでの音声操作にも対応する。
●サイズ/質量:約φ325×H72.5mm/約2.7kg
【No.2】ブラシに毛がからみにくくメンテしやすいロボット
シャーク
EVOROBOT R72 RV720_NJ
実売価格2万9800円(在庫僅少)
ランダム走行しながら掃除。吸引口の硬質ブラシがカーペットのゴミも逃さない。ブラシにからむ糸くずなどを掃除中に自動除去。
●サイズ/質量:W320×H90×D315mm/3.3kg
【No.3】入門モデルながらスマホ/スマスピにも対応
アイロボット
ルンバ692
実売価格3万4800円
スマホ/スマスピ対応のルンバ入門モデル(Amazon限定)。ゴミの多い場所を感知し、きれいになったと判断するまで集中的に清掃。ひと部屋ずつ掃除する人に最適。
●サイズ/質量:φ340×H92mm/約3.6kg
【Topic2】水拭き専用ロボット掃除機もCHECK!
吸引型ロボット掃除機で落とせない床のこびりつき汚れは水拭き専用ロボットを使うのが有効。足裏がざらつかない爽快感をぜひ!
【No.1】ルンバs9+も実装するマッピング機能で賢く拭き掃除
アイロボット
ブラーバ ジェット m6
実売価格7万6868円
物体認識機能を備え家具の位置も学習して拭き掃除。ルンバ900シリーズ以上と連携し、ルンバの掃除後に拭き掃除を始めるリンク機能も。
●サイズ/質量:W270×H90×D252mm/約2.2kg
【No.2】常にモップの清潔な面で床拭き可能
パナソニック
床拭きロボット掃除機ローランMC-RM10
実売価格3万6870円
専用モップを巻いたローラーが少しずつ回転し、常にモップのきれいな面で拭き掃除。「スポットモード」で飲みこぼしやベタつき汚れの集中掃除も行える。
●サイズ/質量:W240×H80×D243mm/2.5kg
【No.3】モップの回転で移動しつつパワフルに拭き掃除
レイコップ
RAYCOP ミズロボ
実売価格3万2780円
強力モーターで2つのモップを回転させて汚れ除去。モップの回転で移動し、本体の重みを使ってしっかり拭き掃除する。1回の充電で約60畳をカバー。
●サイズ/質量:W371×H110×D203mm/2.1kg