最近のキャニスター掃除機は、吸引力が強いのは当たり前。さらにキレイに、さらにラクに、ここもあそこも掃除できるよう、進化を続けています。なかでも独自の進化を遂げているのが、三菱電機のサイクロン式掃除機「風神」の最上位モデル。ゴミを吸う掃除機なのに、ゴミを吹き飛ばすエアブロー機能もついているのです。最新モデル「風神 TC-ZXF30P」で、気になるその使用感についてレビューしていきます。
ヘッドが軽やかに動いて本体が軽い!
そもそも吸引力と排気のキレイさに定評のある「風神」。ゴミをためる集じん室とゴミを遠心分離する旋回室を別に設けた独自のサイクロン構造を採用してゴミを99.9%捕集するほか、フィルターを使用していない(フィルターレス)ため目詰まりもなく、吸引力が99%以上持続するのが特徴です。
さらにモーターの前後には、HEPAとULPAの2種類のフィルターを搭載。0.3μm以上の微細なゴミを99.999%まで捕集するため、排気がクリーンで、集じん室と旋回室を分けたことでニオイも大幅に抑えられるというメリットもあるといいます。
さっそく掃除してみると、まず驚いたのがヘッドの動きの軽やかさ。ブラシが自動で回転する「ワイドクリーン自走式パワーブラシ」が、ゴミをかき集めながら、スーっと前に進んでいきます。これはラク〜!! フローリングはもちろん毛足の短いカーペットも、引っかかることなくスイスイ進みました。しかも本体約2.9kgと軽いので、引き回しはもちろん、片手で持ったままの掃除機がけも苦にならず。数年前まで常識だった「吸引力が強い掃除機=重い」がウソのようです。
床に撒いた重曹も一度でスッキリ取れた!
ちなみに吸引力がどれほどのものか、重曹を撒いて試してみました。すると、一度で壁の隅までスッキリ取れ、目地にもほとんど残っていません。その後、廊下や子ども部屋など10分程度掃除機がけし、取れたゴミを確認すると……粉っぽい重曹をはじめ、ホコリやら髪の毛やら砂やら、気持ちいいほど溜まっていました。
ノズルを付け替えれば「ほうき」や「はたき」のように使える!
掃除機としては、期待を裏切らない吸引力を発揮してくれましたが、気になるのはエアブロー機能です。使い方は、本体の前側に差し込んだホースを外し、後ろ側の排気口にはめるだけ。“運転切替ボタン”があるわけではなく、排気をそのまま利用することがわかります。
ところでエアブローと聞いても、使用シーンがピンと来ない人も多いのではないでしょうか。これは、ゴミを吸うわけではなく吹き飛ばすための機能で、いわば“ほうき”のようなもの。たとえばわが家では、砂ボコリや大きな葉っぱが溜まりがちな玄関やバルコニーの掃除にほうきを使っていますが、ここでエアブローが活躍するというわけです。いまはバルコニーに落ち葉がなかったので、フェイクの葉っぱを撒いて試しました。
ホースの先に装着したのは、新モデルに搭載された幅広のエアブローノズル。これを付けると、ノズル先端から約50cm先の風の幅が、前モデルの約2.6倍になるといいます。さっそくスイッチを入れると、予想外の風量で葉っぱがブワッと舞い上がり、思わず慌てました。このままではかえって散らかってしまうので、風の当て方を工夫しながらかき集め、バルコニーの隅への誘導に成功。
今度は長い「2WAYロングノズル」につけ替えて、ホコリやゴミが溜まりがちなサッシレールのゴミを一掃しました。掃除機が入りにくいテレビの裏や棚の下のゴミは、エアブローで吹き出してから普通に掃除機で吸えばOKです。そのほかエアコンの上や照明器具、網戸のホコリも“はたき”のように払い落とせます。
エアブロー機能で放置していた場所がいかに多いかに気づいた
エアブロー機能を使ってみて気づいたのは、ふだん掃除せずに放置していた場所がいかに多いかということ。バルコニーの掃き掃除は後回しにし、エアコンの上やテレビの裏は、ホコリが溜まっていても掃除しづらいという理由で、目をつぶってきました……(笑)。エアブロー機能は、そんな掃除が面倒くさい場所が、いつもの掃除機で掃除できるため、極めて画期的な機能だと思います。
しかし重要なのは、やはり掃除機としての基本性能。いくら便利な機能が増えても、掃除機としてイマイチだったら魅力も半減です。その点、この風神は吸引力が強くて取り回しやすく、排気もキレイ! だからこそ、このプラスαの機能に価値があると感じました。
三菱電機
サイクロン式掃除機「風神」
TC-ZXF30P
実売価格 7万5470円
【SPEC】
本体サイズ/質量:W223×H270×D333mm/2.9kg
集じん容積:0.7L
吸込仕事率:200W〜約120W
消費電力:800W〜約600W
運転音/64dB〜約62dB