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2023/5/15 20:00

掃除機の理想じゃない? 驚くほど静かなシャープ「RACTIVE Air POWER EC-SR8」の完成度にシビれた!

早朝、在宅勤務時、夜間。大きな音を立てたくないシーンでも、ためらうことなく掃除ができるようにと開発されたのが、シャープのコードレススティック掃除機「RACTIVE Air POWER EC-SR8」(実売価格5万6232円・税込)だ。さまざまなノイズリダクション設計を採用することで、運転音を大幅に低減。コードレススティック掃除機のひとつの理想とも言える、「静かなのに吸引力はパワフル」を実現したという。その完成度はいかほどか、実際に使って確かめてみた。

 

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静音性にとことんこだわったシャープの意欲作

運転音が気になり、サッと掃除が始められない――。そんな消費者の声に応えるべく、シャープが世に送り出したのが最新コードレススティック掃除機「RACTIVE Air POWER EC-SR8」(以下、EC-SR8)だ。

↑2022年9月に発売された「EC-SR8」。カラーはブラック系、ホワイト系の2色展開。パワフルな吸引力はそのままに、騒音レベル(dB)を約68dBから約60dBに低減。実感音は約19.8SONEから約12.7SONEとなり、従来比で約36%の低減を実現した

 

↑スリムかつスマートなフォルムは従来モデルから踏襲。リビングルームに出しっぱなしにしておいても圧迫感がなく、インテリアに違和感なく馴染んでくれる

 

本機は掃除機の騒音の原因となるモーター音、排気音、駆動音のそれぞれに対策を施しているのが特徴。モーター自体は従来モデル「RACTIVE Air POWER EC-SR7」(以下、EC-SR7)と共通だが、それをファンネル(円錐)形状のカバー「ファンネルサイレンサー」で覆うことにより、高い遮音性を実現。排気については、排気部に格子状の出口を設け、そこで整流した後に吸音材を通す設計とした。また、駆動音の対策として、モーターの振動を抑制するための吸収材を配置。ヘッドの回転ブラシや吸込口にも振動吸収材を使用している。

↑モーター自体は従来モデル「EC-SR7」と共通だが、モーターを円錐形のカバー「ファンネルサイレンサー」で覆うことにより、遮音性を高めた

 

これらの低騒音化技術により、騒音レベル(dB)に加え、実際に聞こえる音の大きさ(実感音)を表す「SONE値」において、従来モデル「EC-SR7」の約19.8SONEから約12.7SONEにまで実感音を低減。また、音の大きさだけでなく、人が不快に感じるとされるピーク音を抑えることで、不快音も低減している。

 

実際に試してみたところ、運転音は想像以上に静か。パワーを「標準」から「強」に切り替えてみてもその印象は変わらず、運転音が気にならない。特に、コードレススティック掃除機にありがちな高音の「キーン」という音がまったくなく、高い周波数を意図的に抑えているのがよくわかる。これだけ静音性が高ければ、家族がテレビを見ている横で掃除機をかけても不満をこぼされる心配はなさそうだ。

↑デシベル計を用いて「強」モード時の運転音を計測してみたところ、62.2dBという結果に。計測時の環境音は約58dBであり、想像以上に静かで率直に驚いた

 

「端までブラシ」で壁ぎわもしっかりきれいに

ホコリが溜まりやすい廊下や壁ぎわ、部屋の隅などもしっかり掃除できる新開発のヘッド「端までブラシ」も見逃せない。ブラシの片側にフチがなく、壁ぎわまでしっかりブラシが届く設計で、ヘッドの右側を壁に沿わせると、ホコリを取り逃すことなくラクに掃除できる。実際に試してみたが、一般的なコードレススティック掃除機では何度もヘッドを往復させる壁ぎわのゴミも、ワンストロークで吸引に成功。吸引力も十分で、おもしろいようにゴミを取り除けた。

↑ブラシの配置が左右非対称の「端までブラシ」。従来モデル比でブラシ幅が約17%長くなり、一度のストロークでより広範囲を掃除できるのはもちろん、ホコリを取りこぼしやすい壁ぎわ、部屋の隅などもしっかり掃除できる

 

↑微細なゴミに見立てた重曹を壁ぎわにまき、「EC-SR8」の清掃力を試してみることに。結果はご覧の通り、一度のストロークで造作なく重曹を吸いきってくれた。運転音の小ささからは想像もできないほどの、パワフルな吸引力を実感した瞬間だ

 

ヘッドの付いたパイプが自立する「新スグトル構造」が便利

「これは便利」と感心したのが、腰をかがめずに立ったままヘッドを着脱できる「スグトルブラシ」。足裏でヘッドを押さえながら本体を引き上げるだけで、サッとすき間掃除ができる状態に切り替えられるのだ。また、ハンディ状態にした時も、床に置いたパイプが自立する「新スグトル構造」を採用。これまたとても便利で、ハンディスタイルで棚の上や窓のサッシ、階段などを掃除したあとに、立ったままで再び本体とパイプを装着できる。実際に試した様子を動画に収めたので、ぜひその手軽さを確認してもらいたい。

床掃除の途中で、階段にゴミを発見。「新スグトル構造」を採用する「EC-SR8」なら、立ったままで本体を取り外せるだけでなく、そのままパイプが自立するので、階段掃除後、立ったままで再び本体とパイプを装着できた。使ってみると想像以上に便利で、「さすがはシャープ、とことん作り込んでいるな」と感心した

↑常時装着可能な「ハンディノズル」や「スグトルブラシ」に加え、ふとんやソファの掃除ができる「コンパクトふとん掃除ヘッド」(右)、高い所の掃除ができる「はたきノズル」(左)など、豊富なアタッチメントが用意されている

 

↑グリップは手をかけやすいループ形状。重心バランスも良好で、手にグッと力を込めることなく、軽快にストロークできた

 

↑手首を返すと、ヘッドもクルッと向きを変える。テーブルや椅子の足周りなどの掃除もお手の物だ

 

↑パイプを床と平行にしてもヘッドが浮き上がらないので、ソファの下など、低い場所もストレスなく掃除できた

 

使い勝手のよい着脱式バッテリー

着脱式のバッテリーを採用し、バッテリー1個で最長約90分の長時間運転を実現している。専用の充電器で充電するため、本体の置き場所を選ばないのはもちろん、別売のバッテリーを購入しておけば交換できるので、広い家でも安心して掃除できる。なお、運転時間は、強モードが約15分、自動が約35分、標準が約45分(標準の吸込口使用時)/約90分(すき間ノズルなど付属の吸込口使用時)。充電時間は約100分となる。

↑使い勝手のよい着脱式のバッテリーは昨今のコードレススティック掃除機のトレンドだが、「EC-SR8」はそうしたトレンドもきっちり押さえている

 

完成度の高い、シャープ渾身の意欲作

「静かなのに吸引力はパワフル」という、コードレススティック掃除機のひとつの理想を実現していた「EC-SR8」。早朝や在宅勤務時、夜間など、運転音が気になるシーンでも気兼ねなく掃除できるのはうれしい限りだ。汚れに気付いた時にサッと掃除できるのがコードレススティック掃除機の最大のアピールポイントならば、「EC-SR8」はその利点を最大限に享受できる1台と言えるだろう。また、レビューをしていて特に印象的だったのが、左右非対称の「端までブラシ」である。一般的なコードレススティック掃除機の場合、壁ぎわや部屋の隅のゴミは何度もヘッドを当てて取り除かなければならないが、「EC-SR8」なら、スッとワンストロークで吸引が可能。細部にまでこだわる、シャープの妥協なきモノ作りの神髄が感じられた。こうだったらいいのにな――そんな消費者ニーズにとことん応えたシャープの意欲作として、ぜひ「EC-SR8」をチェックしてみてほしい。