家電
2017/1/6 20:35

「ブルーエア クラシック」と国内大手の違いは決定的! 空気清浄機界の“黒船”は「空気が見える」からずっと使ってみたくなる!

スウェーデンの空気清浄機専業メーカーであるブルーエアから、同社のフラッグシップである「Blueair Classic(ブルーエア クラシック)シリーズ」の最新モデルが登場しました。2010年に日本に参入して以来、約6年ぶりのモデルチェンジですが、実は同社が1996年の創業以来、変わらずに作り続けていたモデルであり、フルモデルチェンジは約20年ぶりとなります。

 

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スマホアプリでの操作と空気質の確認が可能に

↑2016年10月にブルーエアが発売した新「Blueair Classicシリーズ」。左から適用床面積約41m2の「Blueair Classic 280i」(直販価格7万円)、同55m2の「Blueair Classic 480i」(同9万円)、同123m2の「Blueair Classic 680i」(同13万円)
↑2016年10月にブルーエアが発売した新「Blueair Classicシリーズ」。左から適用床面積約41㎡(25畳)の「Blueair Classic 280i」(直販価格税抜7万円)、同55㎡(33畳)の「Blueair Classic 480i」(同9万円)、同123㎡(75畳)の「Blueair Classic 680i」(同13万円)

 

新Blueair Classicシリーズの大きな特徴は「空気の見える化」にあります。同社が2016年2月に発売した「Blueair Sense+(ブルーエア センスプラス)」(直販価格税抜5万4500円)に引き続き、Wi-Fi経由でスマホやタブレットとの連携機能を搭載。部屋の空気の汚れ具合をスマホアプリで確認できるほか、電源のオン・オフや風速の調節などができるようになっています。

 

スマホ連携機能自体はBlueair Sense+にも搭載していますが、大きな違いは「センサーの内蔵」にあります。Blueair Sense+の場合、空気の質を可視化するためには別売りの空質センサー「Blueair Aware」(直販価格税抜2万5000円)が必要ですが、新Blueair Classicシリーズは空質センサーを本体下部に内蔵しました。

 

今回はBlueair Classicシリーズのミドルレンジモデル「Blueair Classic 480i」(直販価格9万円)を試してみることにしました。適用床面積は最大55㎡(約33畳)で、推奨フロア面積は最大40㎡(約24畳)という大風量モデルです。適用床面積が最大123㎡(約75畳)、推奨フロア面積最大72㎡(約44畳)という最上位モデルの「Blueair Classic 680i」(同13万円)もありますが、一般的な家庭ならほとんどが480iでこと足ります。

 

シンプルなデザインと質感の高さが好印象

ブルーエアの空気清浄機は「シンプルながらデザインがいい」と言われています。最近は国内の大手メーカーも空気清浄機のデザイン性を追求し始めましたが、それは“黒船”であるブルーエアが約6年前に進出してからと言っても過言ではありません。Blueair Classicシリーズの見た目は極めてシンプル。ゆるやかなカーブを描いているものの、国内メーカーのような全体的に丸みを帯びたフォルムではなく、直線と曲面をうまく融合させてシャープな印象を与えます。サイズは幅50cm、奥行き27.5cm、高さ59cmあるので存在感はなかなかありますが、国内メーカーとは違って前面にインジケーターを搭載していないため、それほど邪魔にはならないように感じられます。

↑シンプルながら質感が高いデザインが特徴的な「Blueair Classic 480i」。「Blueair」アイコンの左にLEDのインジケーターがある以外には、まったく余計な表示がないシンプルさが魅力です

 

質感の良さも魅力です。他社がプラスチックの筐体を採用しているのに対し、Blueair Classicはスチール製でガッシリとしており、ひんやりとした触り心地もいいです。写真で見るだけでは大きな違いには思えないかもしれませんが、同じホワイトでもつやつやのグロッシーな表面加工よりもBlueair Classicのようなマットな加工の方が落ち着きが感じられます。部屋の片隅に四六時中置くものだから、余計な存在感をアピールしないのは好印象ですね。

↑左側面(写真左)から室内の空気を吸い込み、右側面(写真右)から清浄された空気を排出します
↑左側面(写真左)から室内の空気を吸い込み、右側面(写真右)からキレイな空気を排出します

 

 

↑Blueair Classic 480iの背面を開いたところ。右側にフィルター(通常のダストフィルターが直販価格税抜8000円、活性炭入りのニオイフィルターが同1万5000円)を入れるようになっています。フィルターの交換時期目安は約半年
↑Blueair Classic 480iの背面を開いたところ。右側にフィルター(通常のダストフィルターが直販価格税抜8000円、活性炭入りのニオイフィルターが同1万5000円)を入れるようになっています。フィルターの交換時期目安は約半年

 

↑前面上部にある操作パネル。普段はフタで隠れています
↑前面上部にある操作パネル。普段はフタで隠れています

 

Wi-Fi接続では何度かリトライする必要も

筆者は自宅でBlueair Sense+を使っていますが、場合によっては最初に手こずるのがWi-Fiの設定です。スマホ向けの「Bluair Friend」アプリ(無料)をダウンロードして、自宅のWi-Fiに接続したスマホから設定を進めます。このときに本体のWi-Fiボタンを長押しして自宅のWi-Fiの設定をBlueair Classicに転送するのですが、ここでなぜか失敗することが多いのです。これはブルーエアに限らず、他のWi-Fi対応製品でもよくあることなので、失敗したときには腐らずに何度かリトライしてみるしかありません。

Blueair Friendアプリの設定画面
Blueair Friendアプリの設定画面

 

PM2.5などが時系列で観察できるのが面白い!

本体の設定が完了すると、Blueair Friendアプリの画面にBlueair Classic 480iが追加され、アイコンをタップすると空質センサーの情報が見られるようになります。画面にはPM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子状物質)、VOC(揮発性有機化合物)、CO2(二酸化炭素)の濃度のほか、温度と湿度が時系列で表示されます。日次、週次、月次の表示も可能です。

↑空質センサーの情報画面。1週間分のPM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子状物質)濃度推移が表示されています
↑空質センサーの情報画面。1週間分のPM2.5(粒径2.5μm以下の微小粒子状物質)濃度推移が表示されています

 

空質センサーの情報画面で画面をタッチして上にスワイプすると、Blueair Classicの操作画面が表示されます。左から運転速度、本体前面左上に配置されているLEDの明るさ、チャイルドロック、ナイトモードの設定ができます。運転速度は3段階のほか、自動運転の設定ができます。LEDの明るさはオフから4までの3段階の設定が可能。チャイルドロックをオンにすると、本体上部のパネルでは操作できないようになります。

↑Blueair Classicの操作画面。風速は0から3まで4段階のほか、自動にも設定できます。このほか、LEDの明るさも0から4まで5段階で設定可能
↑Blueair Classicの操作画面。風速は0から3まで4段階のほか、自動にも設定できます

 

快適な睡眠にはナイトモードが便利

Blueair Classicシリーズの魅力は大風量によって部屋の空気を独自の「3ステップHEPASilentフィルター」を通すことで、室内のホコリや微小粒子状物質などをこし取ることにあります。しかしいくら高性能だとしても、寝ている間に風量が最大になってしまったら目が覚めてしまうでしょう。そこで使いこなしたいのがナイトモードです。

↑ナイトモードの設定画面
↑ナイトモードの設定画面

 

ナイトモードは開始時刻と停止時刻(停止……というより「終了」ですね)を指定し、月曜から日曜まで曜日ごとにオン・オフを設定できます。ナイトモードで設定できるのは運転速度(0~3までの4段階)、LEDの明るさ(0~4までの5段階)です。寝室で使う際は運転速度は1か2、LEDの明るさは0にしておくと快適に眠れました。

 

空気の“見える化”で使い続けたくなるのがミソ

筆者はペットを飼っていたことや、ペットに起因するアレルギーにかかってしまったこと、その昔はタバコを吸っていたことなどから、20年以上前から空気清浄機を使ってきました。タバコの場合は明らかに空気がキレイになってニオイもなくなるのでいいのですが、問題はそれ以外の場合です。ハウスダストアレルギーや花粉症などの場合、空気清浄機を設置しても、その効果が本当に出ているのかどうかがわかりません。

 

多くの人は結婚して子どもが生まれると、ハイハイする赤ちゃんのためにこまめに部屋を掃除するだけでなく、床の上をハイハイする赤ちゃんが快適に過ごせるために空気清浄機を導入することと思います。もちろん効果は確実にありますし、ある程度は実感できますが、子どもがある程度大きくなってくると「本当に空気清浄機って必要?」と思ってしまうのが人情というもの。だって、床上をハイハイする赤ちゃんはもういないのですから。

 

しかし、Blueair Classicのように空気の汚れ具合を時系列で見られるようになっていると、その汚れ具合がどのように変化していくのか、その原因は何かということまでわかるようになります。例えばそれまでキレイだった部屋のPM2.5濃度やVOC濃度が急に上がったと思ったら、部屋に人が入ってきた(家人が帰ってきた)……といったことが時系列の情報からわかるようになります。

↑VOC濃度の表示画面
↑VOC濃度の表示画面

 

この「空気の見える化」というのは、使い続ける上で極めて大きなモチベーションになるでしょう。今回試用したBlueair Classic 480iの場合、交換フィルターの交換時期目安が約半年で、フィルターの直販価格は8000円です。つまり1年間に1万6000円の維持費がかかる計算になります。決して安くはありません。しかし、スマホアプリを通して、確実に部屋の空気がキレイになることが分かれば、使い続けよう、フィルターを交換しようというモチベーションにもつながるでしょう。ユーザーにとっても、空気清浄機の効果がハッキリと見えることはメリットですし、フィルターを購入してもらえるメーカーとしてもメリットにつながります。

↑ダストフィルターを取り出してみるとこん
↑取り出した状態のダストフィルター。約半年で交換する必要があります

 

今のところ、国内大手メーカーではこのように空気の質を可視化しているメーカーはなく、貴重な存在といえます(ダイソンは「Dyson Pure Cool Link」で空気の可視化を実現しています)。今年はおそらく、国内メーカーもスマホ連携対応空気清浄機を出してくるでしょう。そちらにも期待したいですね。

 

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