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2017/5/11 6:00

ついに大台、中学生の半数以上がスマホを利用――どんなことに使っているの?

平成29年3月、内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」の結果が発表されました。毎年行なわれているこの調査、子どもたちのネットの利用状況を定点観測しており、さまざまなことを読み解くことができます。 これから何回かにわたって、この調査をくわしくみていきます。

 

中学生は2人に1人、小学生は4人に1人がスマホを利用

まずは、子どものスマホの利用率についてみていきましょう。ここでいう利用率とは、そのデジタル機器を使っている割合で、インターネットを利用しているかどうかは問いません。
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平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)より(平成29年3月 内閣府)

 

高校生のスマホ利用率が95%近くとなり高止まりしているなか、小学生・中学生の利用の伸びが目立ちます。 平成28年度の小学生のスマホ利用率は27.0%、昨年度から3.3ポイントの増加です。小学生の4人に1人がスマホを使っていることがわかりました。スマホでネット利用をしている小学生は機器利用者の8割強、小学生全体の22.3%です。 中学生はどうでしょうか。 中学生のスマホ利用率は51.7%、昨年度から5.9ポイントの増加です。ついに中学生のスマホ利用率が5割の大台にのりました。 スマホでネット利用をしている中学生は、機器利用者の9割強の47.3%。小学生よりネット利用の割合が高くなっています。

 

なお、スマホ機器を使っているがネットは利用しないというケースは、音楽やゲームの専用機として機能制限して使っていたり、お古のスマホキャリアの回線契約をせずに使っているような状況が想定されます。 ただ、家庭でのWi-Fi経由のネット利用に加え、無料Wi-Fiスポット拡大による屋外(コンビニ・駅・カフェなど)での利用や、LINE通話などキャリアの回線を用いない通話サービスの普及が進んでおり、今後は両者の違いはあまりなくなってくるでしょう。

 

小学生はゲーム、中学生はコミュニケーション。動画視聴も伸びている

では、小学生・中学生はスマホをどんなことに使っているのでしょうか。スマホでの利用内容をみてみましょう。

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平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)より(平成28年3月 内閣府)

小学生 の1位はゲームで79.0% (+6.1ポイント)、 そこから2位:動画視聴60.5% (+7ポイント)、 3位:コミュニケーション46.5%(+2.6ポイント)と続きます( カッコ内は昨年度調査との比較 )。中学生の1位はコミュニケーションで84.1% (+3.8ポイント)、そこから2位:動画視聴75.6% (+4.4ポイント、昨年度3位) 、3位:ゲーム71.9% (-1.3ポイント、昨年度2位) と続きます。

 

小学生の上位3位は昨年と同じです。ただし、ゲームと動画視聴の利用が昨年よりも大きく伸びています。 中学生をみてみると、1位は昨年度と同じくコミュニケーションでの利用。2位の動画視聴と3位のゲームは、今回の調査で順位が入れ替わりました。中学生のコミュニケーションでの利用はそろそろ9割が見える数値となっています。中学生のスマホユーザーの多くがスマホをコミュニケーションに利用している状況だとわかりました。 また、小学生・中学生とも動画視聴の利用が伸びており、子どもがスマホで動画を見ることが一般化していることがうかがえます。 次回も引き続き、「青少年のインターネット利用環境実態調査」を小学生・中学生の利用にフォーカスして読み解いていきます。

※1 平成28年度 青少年のインターネット利用環境実態調査

 

【著者プロフィール】
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)
株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。