自治体への“寄付”で特産品を受け取れる「ふるさと納税」は、実質的に節税できる一石二鳥の制度。利用者は400万人を突破している。2021年中に利用すれば、2022年度の税金からおトクを享受できる!
目次
- 応援したい自治体に寄付して節税&返礼品を得られる!
- 【その1】「ふるさと納税」の仕組みと自分の上限額をチェックしよう!
- 【その2】ふるさと納税サイトで寄付の申し込みをしよう!
- 【その3】「ワンストップ特例制度」で寄付金の控除を申請しよう!
- GetNavi編集部員が惚れ込んだ! おトクな返礼品セレクション
私が解説します!
ファイナンシャルプランナー
福一由紀さん
1級FP技能士。生活に密着したマネー情報を、わかりやすく伝えることがモットー。ふるさと納税では、各地のグルメを楽しんでいる。
応援したい自治体に寄付して節税&返礼品を得られる!
社会のために必要だけれど、どうしても損をした気分になるのが税金。せっかく納税するなら少しでもトクをしたい。そんな人にピッタリなのが「ふるさと納税」だ。
ふるさと納税は、納税先の自治体を実質的に自分で決める制度のこと。形としては自分が選んだ自治体に「寄付」をし、翌年度の税金から控除を受ける。一方で、寄付を受けた自治体は、返礼品として特産品を納税者へと贈呈する。これにより、税額はほぼ同じで、返礼品のぶんだけトクをできる仕組みだ。そのメリットを、ファイナンシャルプランナーの福一由紀さんは、次のように解説する。
「やはり、実質2000円で好みの特産品をもらえることでしょう。特産品といっても食品や工芸品だけでなく、その地元のメーカーのガジェットや観光も対象です。また、自分が応援したい自治体を金銭的に支援できるのも大きなメリット。私の場合、熊本地震が発生した年には、復興支援の気持ちを込めてふるさと納税をしたこともあります」
納税者は、返礼品として特産品を受け取ることで、減税効果も享受できる。一方で、受け入れ側の自治体は、寄付金によって予算が潤い、さらに特産品を通じて地元の魅力をアピールできる。お互いにとって利益のある制度だ。
とはいえ、なんとなく難しそうだと二の足を踏む人のために、福一さんからアドバイスをもらった。
「確定申告をハードルに感じる人もいますが、『ワンストップ特例制度』を利用すれば簡単。寄付先を探しながら旅行気分も楽しめます。ぜひ今年から始めましょう!」
■ふるさと納税の注意点
1)必ず納税者の名前で申し込む
寄付の申込者と納税者の名前が一致しないと、控除を受けられない。例えば、専業主婦が自分の名前でふるさと納税をしてしまった場合、夫の税金は控除されないので注意しよう。2)一時的に寄付金を立て替える必要あり
税金の控除は、翌年度の住民税の控除および、確定申告による所得税の還付金として処理される。最短でも数か月は立て替えをする期間が発生するので、余裕のある金額で行おう。3)寄付金には上限額あり
所得や家族構成などで、実質2000円負担の寄付の上限額は異なる。上限を超えて寄付をすると、ただ高い金額で買い物をしたことと同じなので、事前に要確認だ。
【その1】
「ふるさと納税」の仕組みと自分の上限額をチェックしよう!
ふるさと納税は、自治体を選んで寄付をすることで返礼品を受け取ることができる。具体的な仕組みや返礼品受け取りまでの手順、寄付できる上限額などの基礎知識を解説する!
ふるさと納税の仕組み
2000円で特産品をゲット!返礼品は寄付額の約3割
ふるさと納税とは、目当ての返礼品を提供する自治体に金銭を“寄付”すること。その金額に自己負担ぶん2000円(※)を引いた額が、寄付控除として税金から差し引かれる。単純に言うならば、「2000円で特産品の買い物ができる」ということだ。なお、返礼品は寄付額の3割ほどを上限にすることが、総務省により定められている。
※何度寄付を行っても、控除上限額内であれば自己負担は2000円となる
ふるさと納税の3ステップ
①給与や家族構成から控除額を調べる
ふるさと納税の第一歩は、寄付の上限額を把握すること。上限を超えたぶんの寄付額は控除されない。なお、範囲内なら複数の自治体に寄付できるのでよく吟味して寄付先を決めよう。
②寄付先の自治体を決めて申し込みをする
自治体への直接寄付もできるが、ふるさと納税サイトを利用するのがオススメ。キーワード検索やランキングなどから特産品を探せる。サイトによってはポイントの獲得も可能!
③返礼品と寄付証明書を受け取る
返礼品と、確定申告に必要な寄付証明書(ワンストップ特例の場合は申請書も)が送付されてくる。返礼品の送付時期は商品によって異なる。旬のある生鮮食品なら、1年ほどかかることも。
ふるさと納税の上限額を調べよう
シミュレーターでふるさと納税の上限額を算出!
上限額を手動計算する場合、自分の個人住民税所得割額や所得税率を調べなければならず手間がかかる。そこで利用するのが、各ふるさと納税サイトが提供するシミュレーターだ。年収や家族構成を入力するだけで上限額を算出できる。なお、生命保険料控除や住宅借入金など特別控除がある場合には詳細なシミュレーターを利用しよう。
【 寄付上限額が5万円の場合 】