ボルボの旗艦SUV「XC90」が安定感のあるアップデートを実施。外観はEVに通じる新デザインのフロントマスクでイメージを一新し、インテリアでは11.2インチに大型化したセンターディスプレイで操作性も向上。プラグインハイブリッド仕様は、静粛性の高さと実用的なEV航続距離が魅力で、環境意識の高いリサイクル素材のシート表皮も選択可能です。
安定、そして盤石のアップデート

ボルボ
XC90
SPEC【ウルトラT8 AWDプラグインハイブリッド】●全長×全幅×全高:4955×1960×1775mm●車両重量:2300kg●パワーユニット:1968cc直列4気筒DOHC+ターボ+電気モーター×2●最高出力:317[71/145]PS/6000[3000〜4500/3280〜15900]rpm●最大トルク:40.8[16.8/31.5]kg-m/3000〜5400[0〜3000/0〜3280]rpm●一充電走行距離:73㎞●WLTCモード燃費:13.3km/L
[ ]内は前後電気モーターの数値
外観のリフレッシュはフロントが中心

ボルボのEVに通じるテイストに変更されたフロント回りなどで、効果的にイメージがリフレッシュされた外観。「トールハンマー」とボルボが呼ぶデイタイムライトも、よりシャープなグラフィックになった。
マイルドHVではエンジン本体も改良

マイルドHVの2Lターボは、新たにミラーサイクルを採用。プラグインHV用(写真)に変更はないが質感の高さが魅力的。
大柄なSUVに相応しい使い勝手

荷室容量はプラグインHVの場合で、3列目シート使用時でも262L。3列目をたためば、最大で1005Lにまで拡大できる。
サイズに似合わぬ経済性も魅力

今回の試乗では50km以上のEV航続距離を確保。HV時もカタログ値に近い燃費を実現するなど、プラグインHVは経済性の高さも魅力。
タッチパネルの操作性も進化

9インチから11.2インチに大型化されたセンターディスプレイは、インターフェイスも改良されて日常の操作性も向上している。
シート表皮にはリサイクル素材も



プラグインHVはナッパレザーが標準だが、シート表皮はグレードに応じリサイクル素材も選べる。室内空間は、2列目までなら余裕たっぷり。2人掛けの3列目でも実用的な広さ。
静粛性の向上で一層高まる電気駆動モデルらしさ
ボルボの旗艦SUV、XC90がアップデートされた。その外観は、フロントマスクが一新。従来型よりシンプルな造形となったことで、ボルボのEVに通じるイメージを獲得すると同時に新しさを感じさせる風情に。フロントフェンダー以降のサイドビューに変更はないそうだが、このフロント回りだけで見た目の印象が大きく変わったのは本当の話だ。
部分的変更で大きくイメージを変えたのはインテリアも同じ。インパネ中央のタッチディスプレイは、9インチから11.2インチへと拡大。Google搭載のインターフェイスもアップデートされ、見た目だけでなく操作性も向上している。また、環境意識の高いボルボらしくシート表皮に新たなリサイクル素材のファブリックが選べるようになったこともトピックのひとつに挙げられるだろう。
今回は2種類あるパワーユニットの中で、2LターボのプラグインHV仕様に試乗したのだが、特に印象的だったのは静粛性の高さ。日常域ではもはやエンジンの存在を意識することはなく、稼働時でも無粋なノイズとは無縁なので電気駆動モデルらしさを実感できる。EV時の航続距離も今回の試乗では常時50km以上を確保していただけに、自宅充電が可能なユーザーなら事実上EVとして使うことができるだろう。
構成・文/小野泰治 撮影/宮越孝政
※「GetNavi」2025月9・10月号に掲載された記事を再編集したものです。