LINEヤフーが運営する自動車総合情報サイト「carview!(カービュー)」が、「360°ショールーム」の本格提供を開始しました。これは、車両を並べて内装・外装を360度回転させて自由に閲覧できるサービス。この本格提供を機に、本サービスは対応車種を250台まで拡大し、スマートフォンはもちろんのこと、PC上でも使えるようになっています。新たなクルマ選びにつながるサービスとして注目でしょう。

YouTubeなど、他サイトとの大きな違いは?
そもそも360°ショールームの誕生は、自動車購入における比較検討の難しさを解決するため、Yahoo! JAPANのカービューが2023年10月に車両の内装/外装を全方向から閲覧できる「360°ビュー機能」を立ち上げたことがきっかけです。2025年7月からは360°ショールームとして更新されており、それ以来任意に選択した2台を一画面に並べて比較できるようになりました。


この経緯について、開発担当者は「ヤフーにはさまざまなEコマースサイトがありますが、自動車の場合はほかの商材と比べて、お客様が長期間にわたってさまざまな車種を比較検討される傾向があります。そのため比較のニーズは相当高いと判断し、徹底的に便利にしていきたいというコンセプトで始めました」と説明。
さらにYouTubeとの違いについても「自動車系YouTuberでもライバル車種比較は鉄板企画として取り上げられていますが、一般の方は2台並べることができません。そんな状況の中で私たちは、スマホの中で好きな車を自由に組み合わせて比較できるようにしたいと考えたのです」と述べました。
360°ショールームのもっとも大きな特徴といえるのは、その展開画像にありました。なんと、掲載されている車両画像すべてが専用スタジオで実際に撮影したものだというのです。
CGを使わず、実車を撮影した画像で展開する理由とは?


その理由について開発担当者は、「正直言えば、開発検討時はCGでいいのでは? という意見もありました。しかし、このアプリはゲームではありません。内外装の質感やモノの感触が伝わるようにするため、写真にこだわりたかったのです。よく天井が見られたらいい、ボディカラーをチェンジできたらいいというご要望をいただきますが、CGでもそれは可能でしょう。しかし、私たちは何より質感を重視し、購入する際に本当に役立つサービスとしたかったのです」と、開発する過程での強い想いを明かしてくれました。


確かにサイトに映し出された車両の画像を見ると、実写画像ならではのリアルな描写は解像度も高く、細部まできめ細かく映し出すことができています。特にシートのファブリック感やステッチの具合なども含めて、その質感の高さはCGでは再現できないレベルにあります。
しかもサクサクとした動きで、展開するうえでのストレスを感じさせません。また、ドアやボンネットの開閉した状況を正確に見ることができるのも写真ならではのメリットを感じます。とりわけ並べた2車のドアやボンネットを、ワンクリックで同時に開けられるのは便利だと思いました。
車種ごとの大きさの違いを忠実にスケールまで合わせて展開
そんな中で見逃せないと思ったのは、車種によって異なるサイズまでも忠実にスケール合わせをしていることです。担当者はこれについて、「たとえば『ランドクルーザー』と『ジムニー』を並べた際、同じ大きさに見えては変ですよね。その実現のために実際の大小比がわかるよう、撮影マニュアルをゼロから構築したのです。背景もクルマ中心にわかりやすくするため、映り込みなどのノイズを排除して対応しています」と、ページ掲載の際にも徹底してこだわったことを明かしてくれました。


一方で、使ってみると改善して欲しい点も見つけました。それはスイッチの詳細やUSB端子の数など、より細かな部分の情報提供です。これについて尋ねると担当者は、「ハンドル周りのさまざまなボタンについて、これは何のボタンなのか知りたいというニーズは理解しています。今後、注釈をつけてボタンの役割を説明できるような機能を検討しています」と回答。また、「見て疑問に思ったとき、それはどんな機能なのかがわかるようにすることも検討中」とのことでした。
次なる戦略はAIの活用。そこでも本物には徹底してこだわる
そして、次なる戦略として挙げているのがAIの活用です。これまでは検索した後でさまざまなディーラーへ出掛けたり、メーカーのWebサイトを見たりと長時間かけていたものを、AIの活用でもっと便利にできないかというわけです。しかも、AIによる生成ではなく、そのときにもきちんと本物を見せることにこだわっていきたいと担当者は話します。
その具体例として担当者は、「たとえば予算300万円で家族5人が乗ることができて静かな車がいいなど、条件を指定した際、AIによって最適な候補を提案できる機能を検討」しているそうで、その想いの真ん中にあるのは「クルマを決めて買ってしまってから、“こんな車があったのか!”とならないようにしたい」ということ。そのために「今後はさまざまな選択肢を提示できるアドバイスを心がけていきたい」と話していました。
現在、360°ショールームで展開されている車種数は約250台。LINEヤフーによれば、日本で販売されているのは300~400台程度あり、carview!のカタログには古いクルマも含めると約3000車種が掲載済み。しかし、実際にYahoo!で検索される車種はそのうち上位100台程度とのことで、その意味ではほぼ需要をカバーできているといえます。
とはいえ、目標は“ここには何でもある”といったサービスにすること。そのために車種数は「今後も増やしていく」と、開発担当者は次のステップへの意気込みを見せていました。
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