“楽しむ”ためにミラーレスカメラを買ったのに、今では単なる仕事用機材と化しています。生まれて初めてのマイカメラ。シャッターを切る楽しさや出力された写真の美しさに感動していたはずなのに……。そんなことを考えていた今日この頃。唐突に出会ったこいつが再びカメラと写真の楽しさを思い出させてくれたんです!
これ実は、カメラじゃないんです
Xiaomi 15 Ultra
19万9800円(税込)
そんな、カメラと写真の楽しさを思い出させてくれた名機こそが「Xiaomi 15 Ultra」です。
なんといっても最大の特徴は、驚異的な薄さ。最も薄い部分だと1cmにも満たない設計です。それもそのはず。じつはこのカメラ、スマートフォンなんです。
一般的なカメラの多くはレンズがひとつしか搭載されていませんが、Xiaomi 15 Ultraはなんと4つのレンズを搭載。
だからこそ目一杯に幅広く撮影できる広角な画角から、100mmを超える望遠までを超キレイに撮影することが可能です。この写りには筆者も驚愕でした。最近のスマホカメラも高い解像感で撮影できるようになっていますが、まったく別の次元。
物理的なシャッターボタンや録画スタートボタン、ズームレバー、さらにはカスタムダイヤルまでもが搭載されており、これはもはや「スマホというより“カメラ”」という認識でもおかしくないですよね。
スマホではなく、“カメラ”だと思うワケ
まず驚愕したのが、望遠性能。普通、100mmくらいの望遠レンズになってくると、ちょっとしたキャノン砲くらいのサイズになってしまうんですが、このサイズのカメラでとんでもなくキレイに撮影できてしまうんです。
IKEAの看板に注目
信じられないかもしれませんが、左右の写真は同じ立ち位置から撮影しています。この望遠性能をこの解像度で出力できちゃうって……。加えて、レンズの性能や色味もすごいんですが……それもそのはず、監修にライカが入っているんです!知っている人も多いと思いますが、「ライカ」とは、カメラ本体100万円、レンズも合わせたら200万円といった高級カメラを扱う、ドイツ発の超老舗ブランド。
実際の仕上がりはというと、ライカ本家のカメラと光や色味が似ているというわけではないものの、スマホで撮ったとは思えないしっとりとした質感。撮った瞬間、いや、プレビューしている段階でもうヤバい。言葉を失うとはまさにこのことかもしれません。その”ヤバさ”は色味だけにとどまらず、物理的な感触でも実感できます。
カメラを操作する醍醐味といえば、なんといってもシャッターボタン。押し込んだときの、「カシッ」というシャッター音は脳を一撃でとろけさせますね。最高。「Xiaomi 15 Ultra」なら、そんな感触までをも味わうことができるんです。画角を決め、フォーカスを合わせ、シャッターボタンを押し込み、バシッと撮る。この、カメラならではの所作がスマホで実現できるなんて、楽しいに決まっています。この感触を、ぜひ実機で味わっていただきたいです。ちょうど先日、Xiaomiが関東に実店舗をオープンしたばかりだそうですしね。
「一級品のカメラなのに、コンパクト」で得られる体験
「Xioami 15 Ultra」をカメラとして認識すると、その身軽さがより一層際立ちます。なぜか。それは、“持ち運ぶ”という感覚がないに等しいから。毎日の生活の必需品であるスマホだから、いつでもどこでも当たり前のようにポケットにいてくれるんです。
普通のカメラとは異なるため、“カメラを起動する”みたいな感覚もなく、ポケットからサッと取り出して撮影できます。なのに、写りはバシッと決まっているという……。
スマホとは違う、“カメラ”な実力
作例を挙げてお話ししてきましたが、追い打ちをかけるべく“画力”をご覧いただきましょう。
しっとりとした質感……。
マクロ撮影で水滴もここまでキレイに。
もはや映画です。陰影のある場所もしっかり捉えてくれているな~。
ポートレートの違和感のないボケ感もすばらしい。
毎日見ているはずの、なんでもないものまでもがカッコよく見えてくるのが、このカメラの楽しいところ。自分の感性が研ぎ澄まされているようです。
スマホにしてはゴツすぎる?
カメラとして見たら超薄型の「Xiaomi 15 Ultra」ですが、スマホとしてはかなりゴツいのでは? という懸念があると思います。しかし、グリップ部分とケースはスマホとは別物で、取り外しが可能。意外とスマートなルックスになり、体感はiPhone 16 Pro Maxなどと同じサイズと重量感になります。
それでも大きいには違いないありませんが、これくらいならまったく許容範囲。平日はケースを外してミニマルに。週末はグリップとケースを装着して、最高なカメラ体験を楽しむ。みたいな使い方ができて、日常に違和感なく溶け込んでくれますよ。
スマホとしてのスペックも申し分なく、現状では最新かつハイスペックなチップを搭載し、サクサク・ヌルヌルですし、XiaomiのHyper OSの動作も超スムーズ。ガジェットが大好きな筆者からしても、完成度はピカイチでした。
カメラの楽しさを思い出させてくれたんだ
これだけ身軽・気軽でありながらも、写真のクオリティがすばらしく、物理ボタンでアナログ的な楽しさも味わえる「Xiaomi 15 Ultra」。街中のすべてのものが被写体に見え、歩いているだけでワクワクする、ミラーレスカメラを初めて買ったあの時の感覚を再び思い出させてくれました。カメラの楽しさの観点は人それぞれはありますが、筆者にとっての最適解が見つかったような気がします。
特別な一日もいいけれど、せわしなく過ぎてゆく日常こそ、美しくも儚いすばらしい時間なのだと気づかせてくれました。