キャンプイン直前に、MLBで急転直下の超大型トレードが成立した。2018年のMVPでボストン・レッドソックスに所属するムーキー・ベッツと、サイ・ヤング賞投手のデービッド・プライスがドジャースへ移籍することが発表された。しかも、このトレードは3球団が絡んだ複雑なトレード。ベッツらの代わりにレッドソックスへ移籍したのは、ドジャースのアレックス・バーデューゴとミネソタ・ツインズのブルースター・グラデロール。そして、ドジャースからツインズにトレードされたのは、なんと前田健太だったのだ。
衝撃的な発表だった。レッドソックスは、今シーズンのラグジュアリー・タックス(贅沢税)を避けるために、早い段階からベッツの放出を検討していたと言われている。しかし、高額な年俸と今シーズン後にFA権を取得することから、獲得する球団はなかなか現れず、一旦は移籍話が落ち着いていたはずだった。ところが、キャンプイン直前になってドジャースがベッツを獲得。しかも左腕プライスとセットでの獲得というから驚きだ。ドジャースが今シーズンのワールドシリーズ制覇に向けて本腰を入れた補強を行ったことが分かる。
#前田健太 投手が #ツインズ へ移籍決定? ムーキー・ベッツ外野手らを含む三角トレードにより、我らがマエケンも戦いの場を移すことになりました!!https://t.co/S5hrPaCjxN#日本人選手情報 pic.twitter.com/KsdI2LUVU4
— MLB Japan (@MLBJapan) February 5, 2020
そして、この大型トレードに巻き込まれた形となったのが前田健太だ。正式な発表前はドジャースからツインズに移籍する選手が複数人と噂で報じられていたが、最終的に前田を指名。
前田は自身のSNSでまだ正式なコメントを出していないが、最後に行った節分の投稿には多くのファンからのコメントがついている。「ミネソタでも頑張ってね!」「LAに来てくれてありがとう」「行かないでくれ!!」など、惜別のコメントだけではなく移籍を断ってほしいといった悲痛な叫びまで、その声は様々だ。
しかし、前田にとってこの移籍はビッグチャンスでもある。日本からドジャースに移籍した際、肘になんらかの異常がみられた影響でベースの給料を極端に抑えられ出来高が多く設定された前田。ドジャースでは、夏場以降毎年のように中継ぎに配置されるなど、本人としてはなかなかフラストレーションのたまるであろう起用法が行われてきた。しかし、移籍先のツインズでは先発での起用が濃厚という事情もあり、今シーズンはより一層先発投手としての活躍が期待できるのだ。
そして、日本人ファンがこっそり期待したいのがユニフォームだ。ゲームによっては赤いユニフォームを採用しているツインズ。なんだか、前田が日本時代に在籍していた、広島東洋カープを思い出させてくれる。古くから馴染みのある、真っ赤なユニフォームを着用する可能性のある前田が、新天地でどのような活躍をみせるのか。今シーズンの飛躍に期待しよう。