東京・神田錦町「10 OVER 9」。多くの皇居ランナーが利用する、ロッカーとシャワーを提供するランニングステーションである。ここで行われたのが、元祖・厚底シューズで知られる「HOKA(ホカ)」の主力製品の最新版「クリフトン 9」の試走会だ。
最初は物珍しさもあった厚底シューズだが、今や、ランニングシューズの主流。スポーツショップの店頭には、カーボンプレート入りのガチなアスリート向けモデルから、ビギナーでも履ける軟らかいのに反発性のあるモデルまで、各社さまざまなコンセプトの厚底シューズが並んでいて、選ぶのにひと苦労するほどだ。
そんな厚底シューズの百花繚乱のなか話題を集めているのが、本家とも言えるHOKA。スイス国境に近いフランスの街アヌシーで生まれ、アルプスの山里を走るランナーたちによって育てられた、ロードランからトレラン、ハイキングまで網羅する世界的なスポーツシューズブランドである。
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「クリフトン 9」の感想は、 まるで“パンの試食会”のよう⁉
本日、ランニングステーションの一室に集まった人たちの関心も、もちろんHOKAの厚底シューズである。お目当ては、発売されたばかりの最新鋭クリフトン 9。“マシュマロのように軟らかい履き心地”、“転がるように走れる”と早くも話題のクリフトン 9を、実際に履いて、走れるのだ。
集まったのは、月間150㎞走るトレーナーから、初フルマラソン挑戦を目指す女性、通勤の普段履きで愛用している方、話題のHOKAを一度履いてみたい!という方まで、ホントにさまざま。話題のブランドだけに、数多のランニングシューズの試走会とは異なる、異業種交流会のような雰囲気に包まれている。
“カワイイ、テンション上がる!”
“ふわっふわぁ!”
“めちゃ軽い!”
箱からクリフトン 9を取り出し、シューズを履くみなさんの独り言も、数多の試走会では聞こえない声ばかり。言葉だけ聞いていると、シューズの感想というより、まるで“パンの試食会”(笑)。と、テンションも上がったところで、いざオンロードへ! ケガを予防すべく、軽い準備運動で筋温も上げ、クリフトン 9の試走会がスタートだ。
アルプスの山里仕込みのHOKAを、東京の坂で体感!
試走会スタッフが選んだコースは、皇居・北の丸周辺の坂道を組み込んだ約4㎞。アルプスの山里仕込みのHOKAの厚底のパフォーマンスを体感するには、フラットな路面だけでなく、上りや下りがあるのが◎。上りでも転がるように楽に進み、下りでは厚底のクッション性能を存分に味わえる。“上りは嫌い”と話していた男性まで、シューズの性能を試すべくペースアップするほど。
筆者も参加者と一緒に走りながら、コメントを貰うことにした。「強く踏み込むと、跳ねてくれますね。わざといろいろなステップを踏んでいますが(笑)、横ブレはありません。フルマラソンが初めてという人から中級者まで、後半も走りをアシストしてくれそうですよね」(30代、男性)。
「軽い! この履き心地、初めてです!」(40代男性)。「前の型のクリフトンを履いていましたが、こんなに反発って貰えてましたっけ?」(30代女性)。「守られている感じがします!」(30代女性)。「HOKAのファンで、黒のシューズを、普段履きでもめちゃ愛用しています。今日はクリフトン 9で走れて、気持ち良いです」(30代女性)。と、笑顔で走る参加者からは、好感触コメントが続出なのである。
ポップアップストア「HOKA Marunouchi」で、ひと休み
「HOKAで一番人気のモデルがクリフトンです。今回のクリフトン 9は、8からのフルモデルチェンジとなりました。みなさん履いてみてどうですか?」と語るのは、HOKA のポップアップストア「HOKA Marunouchi」でランニングのアドバイスをしながらHOKA RUN CLUBの運営をサポートしているコミュニティリードの伊藤優衣さん。
「クリフトン 9のアッパーは、軟らかいエンジニアードメッシュという素材になりました。従来の圧着パーツも大幅に見直し、軽量化しています。クッション性の要の厚底のミッドソールも、全く新しいフォームになりました。反発性もあるので、スピードを出しても沈み込みがありません」(伊藤さん)
クリフトン 9のミッドソールは、前作に比べて3㎜厚くなりクッション性がアップ。しかも、重量はメンズの27㎝(片足248g)で2g、ウイメンズの24㎝(片足205g)では何と10g軽くなっているという。
クリフトン 9は、走りだけでなく、カラバリもハンパじゃない!
「アウトソールも、デュラブレーションラバーという新素材にしたことで、耐久性もアップしました。アウトソールの踏み面もわずかに広くしたので、クッション性がアップすることで生じる着地時のブレを軽減して、安定感を持たせています。かなり走りやすくなっていますよ」(伊藤さん)
クリフトン 9の“転がるような”推進力は、踵から爪先にかけての揺りかごのようなロッカー形状によって生まれる。最新機種は、このロッカー形状をよりシャープにしたので、前に転がるように、自然とスピードに乗れるのだという。
「レースの後半でもシューズが自然と助けてくれますし、反発性もあるので、速く走りたい方もスピードが出せます。今日は女性が多いのでご案内しますが、ウイメンズは11色展開を予定しています(メンズも10色展開!)。2月、3月、4月と順々に新色を出していくので、好きな色をお選びいただけます。男性も女性も新しいクリフトン 9をぜひ、体感してください」(伊藤さん)
ということで、今回クリフトン9を体感したイベント参加者のコメントを最後に紹介しよう!
ランニングシューズが可愛いと、走るテンションが上がります!
清水由梨さん(31歳) 主婦
モデルの三原勇希さんのインスタを見ていて、「GOガール」という女性のランニングサークルに入って走り始めた清水さん。「走ることがきっかけで、今の旦那にも出会いました(笑)」。平日の夕方に2~3㎞、週末は5㎞ほど走っている。
「初めて買ったランニングシューズがHOKAです。「クリフトン 6」だったと思いますが、足幅も私に合っていて、オシャレだと思ってその時は選びましたね。ずっと愛用していましたが、そろそろ買い換えのタイミングでした(笑)。
クリフトン 9、軽いですね。カラーリングも、すごく気に入りました。ランニングシューズが可愛いと、それだけでテンションが上がって、走ろうという気分になります。このピンクは取り入れやすいので、春に向けて、明るいウェアと合わせてみたいです。今後は、フルマラソンに挑戦してみたい! ホノルルとか那覇とか、暖かい所とか、いつも行けないところで走ってみたいです」(清水さん)
走ってみて、“これはイケる!”と、ビックリしました
小泉照幸さん(43歳) 会社員
バスケットボールのクラブチームに入っているから、持久力を付けるためにランニングしている小泉さん。走るのは1か月に1、2回の週末。インターバル走を組み入れて、5~10㎞、多摩川の河川敷を走っているという。「バスケはストップ&ゴーだから、大会に向けての脚を作るため、追い込むときは1分ダッシュ、1分ジョグを繰り返し走っています」。
「HOKAは、タウンシューズとして履いている人が多いので、気になっていました。クリフトン 9はあまりに軽かったので、少し不安があったのですが、実際に走ってみたら“これはイケる!”と、ビックリしました。安定性があって、気持ちよく足を前に運べました。インターバル走でも踏み込みやすいし、ストップする時の感覚にも違和感がありません。
コロナ禍前はマラソン大会にも出ていたので、そろそろトレーニングを再開しようと思っています。クリフトン 9で距離を走った時にどう感じるのか、今から楽しみです。会社の同僚と台湾のマラソン大会に2回出場したので、また参加したいですね。このシューズなら、走れる気がします(笑)」(小泉さん)
初めてのHOKAは、フワフワで、走りやすかったです!
加藤万理さん(30歳) 会社員
ランニングサークル「GOガール」のメンバーである加藤さん。普段は週1、2回、5~10㎞ほど走っている。走り始めたのは高校生の時で、部活に入っていなかったから体型を保つために始めた。最初に出たホノルルのマラソン大会で、完走の達成感にはまったという。それからは、1年に1、2回はフルマラソンを走るほどに。自己ベストは4時間10分。「今は、サブ4(フルマラソン4時間以内)を目指し、ラン➝仕事➝寝る、しかしていません(笑)」。
「HOKAのシューズは、初めてです! フワフワで、走りやすかったですね。新しいシューズを履くと、慣れるのに時間がかかるのですが、クリフトン 9は違和感がなくて、普段から履いているフィット感で。脚が自然と前に出て、上り坂では跳ねるような感覚で走れました。下りでも、膝に負担がなくて、少しスピードを上げた方が良い感でしたね。自己ベストを更新したら、ニューヨークを走りたいです!」(加藤さん)
適度なクッションと反発が貰えて、良い感じで走れました!
長濱隼さん(31歳) トレーナー
普段は、パーソナルトレーニングの指導や、部活動のコンディショニングコーチ、マラソン大会での準備運動の指導などをしている長濱さん。ランニング経験は、ここ5、6年。「スパルタンレース」という障害物をクリアしながら走るレースに出たのがきっかけで、走力を上げたくて走り始めた。月間の走行距離は150㎞くらい、一番走っていたときは300㎞ほど。「週に2、3回、平日は朝の5時から近所を走り、週末はトレイルを20~30㎞走っています」。
「実は、HOKAのシューズを初めて履いたんです。履いてすぐ、“ふわっとしているけど、大丈夫かな?” と思ったのですが、横ブレも抑えられていて、適度なクッションと反発が貰えて、良い感じで走れました。フィッティングも凄く良かったです。観光しつつマラソンを走るシティマラソンや、ゆっくり長く走るLSD(ロング・スロー・ディスタンス走)などで、気持ちよく走れるシューズだと思います」(長濱さん)
撮影/中田 悟
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