幼稚園〜小学生の子どもがいる家庭で、春先によく発生する“やっかいなタスク”が「おなまえ書き」である。つまり、学校や幼稚園に持っていく持ち物のひとつひとつに、子どもの名前を記入する作業のこと。幼いころの記憶として、「そういえば体操服に親が名前を書いてくれたなあ」と覚えている人も多いだろう。
だが、である。子どもにとっては「親が書いてくれるもの」で済む話だが、親の側からすれば話は別だ。大量かつサイズもバラバラの学用品すべてに、ミスなく名前を記入していくというのは、端的に言って“苦行”でしかない。さらに悩ましいのが、いわゆる「名前ペン」(布製品に対応した油性マーカー)の書きにくさだ。

一般的な名前ペンは、アクリル繊維を圧縮して成形したチップを採用しているのだが、これがクセモノ。チップ表面の微細な繊維の毛羽立ちが、布の繊維に引っかかって線がガタついたり、書き損じたりしやすいのだ。基本的に“やり直しのきかない”おなまえ書きにおいて、「また引っかかって失敗するかも…」というストレスは非常に大きい。
ならば求められるのは、“ペン先が引っかからず、スラスラと書ける名前ペン”ということになる。
書き味なめらか! 新発想の名前書きペンが登場
名前ペンのストレスはペン先の引っかかりだけにとどまらない。インクがにじむ、洗濯するとすぐ褪せる、など地味に不満は多い。名前ペンというジャンルは昔から存在しているものの、次々と新製品が登場するわけでもなく、こうした課題が長らく放置されてきた印象すらある。
そうした中で、「そのあたりの不満、まとめて改善しました!」と打ち出してきたのが、パイロットから登場した油性マーカー「おなまえ上手」だ。
パイロット
おなまえ上手 ツインタイプ
150円(税別)

この製品は、油性染料マーカーの極細字(0.4mm)と細字(0.6mm)のツインチップ仕様。実際に使ってみると、驚くほど布への引っかかりが少なく、ペンがサラサラと走ってくれる。
たとえば、体操服などに貼る「なまえゼッケン」に書いてみたところ、コピー用紙に書いているのとまでは言わないが、それに近いくらい快適だった。従来の名前ペンと比べれば、明らかにストレスが少ない。

快適さの理由は、ペン先の素材と構造にある
一般的な細字チップはアクリル繊維製だが、「おなまえ上手」はポリエステル繊維を採用している。ポリエステルは繊維が細かく、柔らかいため、布目に引っかかるリスクが格段に減る。
感覚的には、アクリル繊維チップが“亀の子たわし”だとすれば、ポリエステル繊維チップは“ナイロンスポンジ”のような差。実際、布の上で書いたときの「シャリッ」「ジャリッ」とした擦れる感じが大幅に軽減されている。

極細字チップの構造もポイントだ。従来の極細字チップは、POM樹脂製の丸い先端にインク穴が多数開いており、そのフチが布に引っかかりやすかった。一方「おなまえ上手」は、フラットな先端にインク穴を設けた構造。これにより、穴のフチが布目に触れにくく、引っかかりが起こりにくくなっている。


この構造は摩擦も軽減するので、書き心地がよりスムーズになる。ひとつひとつは小さな改良だが、全体としては確かな効果を発揮している。「地味に良くできている」とはまさにこのことだ。
にじみにくく洗濯にも強い……小さな場所への名前書きも安心
もうひとつ注目すべきは、新開発の油性インクだ。速乾性に優れ、なおかつにじみにくい。布は紙よりも繊維の隙間が大きく、インクが広がりやすいため、にじみにくさは非常に重要な要素となる。

「おなまえ上手」のインクは、ペンを布に置いた瞬間からインクがじわっと広がるあの感じが少ない。結果として、文字が太らず、小さなスペースにも読みやすく書ける。これも名前ペンとしてはかなり重要なポイントなのである。
さらにこのインクは、洗濯への耐性も高い。

体操服のゼッケンなどは何度も洗濯されるため、耐水性・耐洗濯性は絶対に外せない条件。「おなまえ上手」はその点でもしっかり対応している。
まとめ
スムーズに書けて、文字が読みやすく、洗っても落ちにくい。国内外の10種類以上の名前ペンと比較してみたが、現時点で「おなまえ上手」が間違いなくベストの一本と言えそうだ。