今年もこれから夏に向けて流行りそうなのが、透明ペンケースである。
塩ビのツヤツヤと涼しげなクリア感は暑いシーズンによくハマる一方、同素材のややチープな雰囲気もあって、基本的には中高生向けの印象が強い。なんなら大人が所持しているとちょっとおかしな目で見られるほどだ。
しかし、実のところ透明ペンケースには「閲覧性が高く、中に何が入っているのかを視認しやすい」という大きなメリットがある。自分の使いたい物がどこに入っているのかが見て分かるため、すぐに取り出すことができるというわけだ。
周囲の視線は気になるかもしれないが、このアクセスのよさは、文房具好きを自認する人ならぜひ試してみてもらいたい。では、おすすめの透明ペンケースは何だろうか?
弁当箱ぐらいの透明ペンケース
透明ならではの使い勝手のよさをフルに活用するなら、ペンケースは大きいほうがよい。たっぷりと収納できるペンケースほど中に何が入っているのかが分かりにくくなるからこそ、透明のメリットがより生きやすいというわけだ。
ただし、あまりにゴチャッと詰め込まれるとさすがに中の視認もしにくいので、適度な整理収納があったほうが使いやすい。
この条件をいい感じに満たしているのが、LIHIT LAB.の「XCOA(エクスコア) リバーシブルクリヤーペンケース」である。
LIHIT LAB.
2500円(税別)
サイズはちょっとした弁当箱ぐらいで、とにかく容量に関しては文句なしのクラスだ。

ユニークな5本分のペンホルダー
しかし、そこでユニークなのが、これだけ容量があっても、メインの筆記具が収納できるのはたった5本というところだ。ファスナーを開けると上面には5本分のペンホルダーが備わったプレートがあり、これで終わり。

また、ホルダープレートにはクッションとしてループが挟まっており、5本の筆記具が干渉しないように作られている。これによって収納したペン同士が擦れて傷が付く心配はなく、安心して持ち運べるわけだ。

そもそも「上面に収納したい=取り出しやすい=普段からメインで使うペン」になる可能性は高いわけで、それなら10本も20本も入れておく必要はない。5本あれば十分という話だろう。
加えて、透明素材ならではの使い方の一つとして、自分のメイン筆記具を見せびらかすという用途にも最適なのだ。
ホルダープレートにさらなる仕掛け
この上面のホルダープレートには、さらに面白い仕掛けがある。
プレートは普段は折りたたまれた状態で収納されているが、それを広げると、引き出した裏側にはメッシュポケット面とホルダーバンド面が出てくる。ポケットには消しゴムやシャープ芯、替えリフィル、ふせんといった小物が収納しやすい一方、バンドは定規などの薄物がセットできるようになっている。


そして、プレートを裏側に折り返してたたみ直すとメッシュポケット面を上にして収められるという、リバーシブル仕様なのだ。
これはどう生かせそうか? メインのペンを取り出したあとは裏返してメッシュポケット面を上にして、消しゴムなどの小物を取り出しやすくする、という使い方はよさそうだ。
また、収納時にも筆記具をより強固にガードするという意味で、内側に巻き込んでおく使い方も考えられるだろう。

ペンケースのレベルを超えた収納力
一方、プレートの下にはゴソッと大きな空間が空いているので、ここにはもう何を入れてもよさそうだ。
もちろんプレートの収納率にも因るが、だいたい4mm弱の高さまでは入るので、ステープラーや大型のハサミ、マスキングテープなど厚みのある物も簡単に飲み込めてしまう。
ここまで収納力があると、むしろペンケースというよりは、ちょっとコンパクトなお道具箱と考えた方が運用しやすいかもしれないほどだ。

なにより、日常的に最も使うはずの筆記具や小物類はプレートによって分離されているので、メインのペンや消しゴムを探してこの広い収納をゴソゴソとかき回す必要がないのは、圧倒的に使いやすいと思う。
基本的にツールへのアクセス性と容量はトレードオフの関係性になりやすいので、それを解消しているのはシンプルに便利だ。二段式工具箱のようなこの収納方法は、文房具用としてもなかなか有用と言えるのではないだろうか。
大容量だけどクリアで管理しやすく、整理収納で出し入れも簡単。そんなペンケースは意外と他にないので、ピンときた人にはぜひ導入をおすすめしたい。