文房具
2017/5/16 20:35

「アスクル」が文房具の達人に宣戦布告! “地味だけど使うと便利”なオフィス系文房具4選

以前、GetNavi webでオフィス通販「カウネット」のオリジナルアイデア文房具を紹介したことがあった。

 

オフィス通販は配送まで自社で行っているため、ユーザーと直接つながりを持っているのが強み。「この文房具はこうなっているとありがたい」「ここを改良して欲しい」などの現場の意見をダイレクトに汲み取り、“ユーザーにフィットしたオリジナル製品が作れるんだね!”という論旨で、いくつか面白い文房具を紹介させてもらった。

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ところがなんと、その記事を見た同じオフィス通販のライバルであるアスクルから「カウネットさんだけじゃない。うちもオリジナルでいい文房具作ってるぞ。見に来い!」という連絡が筆者宛てに届いたのである。そう言われては、売り言葉に買い言葉。こちらとしても「てめぇこのやろう、じゃあ御社まで伺いますので、ぜひアスクル限定の面白い文房具を紹介していただけますでしょうか」と言うしかあるまい。……という流れで早速アスクル本社に伺った。

↑……という流れで早速アスクル本社に伺った。対応していただいたのは、文具事業部でファイルを担当する小林さん(左)と、筆記具担当の今泉さん(右)
↑対応していただいたのは、文具事業部でファイルを担当する小林さん(左)と、筆記具担当の今泉さん(右)

 

ジェットストリームがバインダークリップ仕様に!

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三菱鉛筆 ジェットストリーム 2色・3色ボールペン アスクル限定/2色 270円 3色 338円

「まずこれを!」といって出されたのが、『ジェットストリーム』多色ボールペンのアスクル限定版(2色と3色の2種類あり)。オリジナルは「低粘度油性インクでスルスルと書きやすい!」とお馴染みのペンだが、限定版は何がどう違うのだろうか?

 

↑写真上が一般的な三菱鉛筆オリジナル版。クリップ意外にもあちこち微妙に違う
↑写真上が一般的な三菱鉛筆オリジナル版。クリップ意外にもあちこち微妙に違う

 

一般的に文房具店やコンビニで売られている、ノーマルなものと比べてみるとわかるだろうか。アスクル版はクリップが厚みのあるノートやクリップボードにもはさめる“バインダークリップ”仕様になっているのだ。

↑7~8mmの厚さぐらいまでなら、クリップが折れる心配なくはさめる
↑7~8mmの厚さぐらいまでなら、クリップが折れる心配なくはさめる

 

このアスクル限定ジェットストリーム、実は病院など医療機関からの声を今泉さんらがヒアリングして作られたもの。特に看護師さんはクリップボードを多用するので、バインダークリップがどうしても必要。患者さんの様態で血圧は青、心拍数は赤……といったように書き分けるため、多色も必須となる。

 

で、それらの条件を優しいメディカルカラーの軸色に組み合わせ、この形になったそうだ。というか、そもそもバインダークリップは病院に限らずどこでも普通に使いやすい。地味な変更点だが、ジェットストリームの多色を使うなら通常版よりこちらがオススメだ。

 

お馴染みのサインペンもアスクル仕様に!

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ぺんてる サインペン(上) 耐水耐光サインペン(下)/各90円(黒・赤)

こちらもお馴染みすぎるほどお馴染みの『ぺんてる サインペン』。オリジナルは発売から50年以上も経つ、日本を代表するロングセラー筆記具だ。ご覧の通り、形はまったく同じだが、じゃあこちらは何が違うのか。

 

実はアスクル版では、耐水耐光性の水性顔料インクを使用している。オリジナルは染料インクなので、筆記跡が水に濡れるとにじんで読めなくなることがあるが、顔料インクならそんな心配も無用だ。

↑顔料インクならこのとおり、濡れてもぜんぜん大丈夫
↑顔料インクならこのとおり、濡れてもぜんぜん大丈夫

 

ぺんてるでも、黒だけは宛名書き用に『はがきサインペン』という顔料インクサインペンを販売しているのだが、赤はこのアスクル版だけ(ぺんてるからも以前、赤の顔料サインペンを出していたような記憶があるのだが、確認が取れなかった)。

 

もちろん、他メーカー製なら顔料インクの水性マーカーは発売されているが、やはりぺんてるのサインペンはその書き味にファンも多い。「サインペンはぺんてるじゃないと」という人にはこちらがベストだろう。ただし、色は黒と赤の2色だけだ。

 

ザ・頑丈なファイルポケット

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アスクル 丈夫な穴で30枚収容 リング式ファイル用ポケット厚口(50枚入り)/536円

ファイル関連で興味を引いたのが、書類などを放り込んで保管するファイル用のクリアポケットだ。こちらは穴周りを補強するテープ(白い部分)の厚みが従来よりアップ。さらにテープとシートをがっちり強めに補強してあるので、ダブルで穴が守られているのだ。

 

↑従来品(右側)との比較。穴周りの溶着が明らかにがっちりと着いている
↑従来品(右側)との比較。穴周りの溶着が明らかにがっちりと着いている

 

「ポケットに入るから……」といって、ついつい無茶な量の紙を放り込んでしまうこともあるだろうが、これだけ補強していたらコピー用紙30枚(約120g)を入れても穴がびろんと伸びたり破れたり、というトラブルはなさそう。やたらと地味で目立たなそうな製品だが、かなり実用的だ。

↑斜めに紙をさし込んでそのままスルッと
↑斜めに紙をさし込んでも、そのままスルッと入っていく

 

ポケット自体もフィルム厚0.12mmとかなり分厚く、触っていても安心感が高い。また、ポケットの口だけ溶着を避けて間口を広く取っているため、「紙をさし込むときに入りやすい」という工夫も、地味だけどよく考えられている。

 

アスクルのアレが入る! 地味に最強のマグネットポケット

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アスクル マグネットポケット A4 2.5kg/1274円

最後にひとつ、今回のアスクル取材で最も面白いと思った製品がこれ。あのずっしりと重いアスクルのカタログがストックできるマグネットポケットだ。裏面は全面マグネットシートになっており、名前の通り耐荷重2.5kgという抜群の収納力を誇る。マグネットポケットなんて地味な存在だが、でも実力は大したモノである。

 

そもそもあのカタログ、重いしページがあってかさ張るしで、収納に困っているオフィスは多いことだろう。だからといって、カタログを薄くしたり分冊化するんじゃなくて、収納に最適なマグネットポケットを作っちゃうあたり、アスクルの馬力の掛け方が面白い。

↑裏面は全面マグネット。広く摩擦もかかるので、下に引っぱってもまったくズレ落ちる感じはない

 

これならオフィスのデスク脇や資料ラックの横に貼り付けておけて、カタログの置き場に困らない。それ以外にも、資料や備品のストッカーとして使い勝手は抜群にイイ。個人的にあまりに気に入ったので、筆者は仕事場用に4つも購入してしまった。

 

ちなみにアスクルのカタログ、1992年に初めて登場したテストマーケティング用1-0号誌は紹介アイテム数500点。それから四半世紀経った2017年、最新版のアイテム数3万5750点。比べてみると、大変なものである。

↑初代(左)と当代(右)のカタログ。厚さで比べるとこんな感じ
↑初代(左)と当代(右)のカタログ。厚さで比べるとこんな感じ

 

どんなに地味なアイテムでも、便利ポイントがあればきちんとカタログで紹介できるのがメリット。文房具店の店頭ではなかなか難しいことだ。つまり、ユーザーの便利にとことん付き合った結果の「見た目はやたら地味だけど使うと便利」系アイテムこそ、オフィス通販オリジナル文具の真骨頂。そういうのが好きな人なら見逃す手はないぞ、という話だ。

 

アスクルは法人ユーザー限定だが、個人用サービスの「LOHACO」でも同じモノは購入可能。ぜひとも使ってみて欲しい。