シャーペンは種類が多くて、選ぶ際にいつも悩む……という人は多いのではないでしょうか。ここでは文房具のプロがそれぞれの代表的モデルの書き心地や握り心地、機能性などをチェック。各モデルの特徴を鋭く分析しました。書き味/握り心地/機能性の各項目を5点満点で採点していきます。
【テストした人】
文具ソムリエール 菅 未里さん
文房具を紹介するコラムの執筆や商品の開発など、幅広く活躍する。メディアへの出演も多い。
シャープペンは比較的安価なものが多く、あまりストイックにモデル選びをすることはありません。しかし文具ソムリエールの菅さんは、多彩な機能性をチェックするべきだと語ります。
「日常で使うものだからこそ、芯折れや残芯などに不満が生じてきます。メーカーもそんな不満を解消すべく、芯のガードにこだわったデルガードや消しゴムが長いモノグラフなど、独自の機能を搭載したモデルを生み出しています。品揃えの豊富な専門店で試して機能を確認してほしいですね。特にモノグラフの消しゴムなどは、“シャープペンの消しゴムは消えない!”と思い込んでいる人が使ったら驚くと思います」(菅さん)
【エントリーNo.01】ゼブラ デルガード
筆記時は芯を守るガードが働き、筆圧によって芯が折れるのを徹底的に防ぎます。さらに軸内部には芯を誘導する部品を取り付けることで、芯詰まりにも対処しました。実売価格416円。
【書き味】5点
芯が折れない安心感があるため、しっかりと力を入れて書けます。書き心地も滑らかです。
【握り心地】4点
持った感覚はやわらか。汗で滑りそうな感じはあるが、思った以上に軽く動かしやすいです。
【機能性】5点
芯の周りをガード。書き味自体は通常製品と同様の感覚で、文字が書きやすかったです。
【エントリーNo.02】三菱鉛筆 クルトガ アドバンス
スムーズな速さで芯が回転する機構により、描線の細さと濃さが変わらないまま複雑な文字もつぶれずに書き続けられます。芯折れ防止機構も搭載し、芯が折れにくいです。実売価格494円。
【書き味】5点
ペン先のグラ付きがほとんどなく、安定感抜群。一定の力加減で長く書くことができます。
【握り心地】4点
グリップはプラスチック製で好みが分かれます。凹凸が指にフィットし、握り心地は良好です。
【機能性】4点
芯が回転し、常に一定の細さをキープします。安定した細い描線が必要な人にオススメです。
【エントリーNo.03】ぺんてる オレンズ 0.5
パイプが芯をガードした状態のまま筆記が可能。芯の減りに合わせて先端のパイプがスライドするので、ノック1回で従来品の3倍長く書き続けられます。実売価格437円。
【書き味】4点
パイプの先端部分が滑らかに加工されており、一般的なシャープペンと同じ感覚で書けます。
【握り心地】3.5点
多少滑りやすい部分はあるものの、握る部分には線が入っているので指を留めやすいです。
【機能性】4点
内部に芯が収まったままの機構は慣れがいりますが、折れる心配をせずにスムーズに書けます。
【エントリーNo.04】プラチナ万年筆 オ・レーヌプラス
耐芯構造の「オ・レーヌ機構」と芯タンクガード、シールド構造により、芯への衝撃を徹底的に軽減。筆圧だけでなく、落下や物に当たった際の強い衝撃での芯折れも防ぎます。実売価格437円。
【書き味】3点
書き心地は平均的。斜めにしすぎるとガードのパイプが紙にひっかかるので注意が必要です。
【握り心地】4.5点
グリップ部分はゴムで覆われ、手になじみやすいです。手汗をかいても滑りにくく安心です。
【機能性】4.5点
3つのガードを搭載し芯への衝撃を防ぎます。特にペンを落とした際の衝撃を防げるのは◎。
【エントリーNo.05】 トンボ鉛筆 モノグラフ
同社のロングセラー「MONO消しゴム」を搭載。回転くりだし式で好みの長さで消しゴムを使えます。クリップノックと振って芯を出すフレノックの両方を使えて便利です。実売価格329円。
【書き味】5点
筆記時の軽い反発が気持ち良い。力が自然と入れやすく、くっきりとした文字になります。
【握り心地】4.5点
グリップ部分には小さなくぼみがあり、指をかけやすいです。重心は低く、持ち疲れにくいです。
【機能性】3.5点
縦に振ると芯が出る「フレノック機能」を搭載。邪魔な際はロックすることも可能です。
【エントリーNo.06】パイロット モーグルエアー
強い筆圧がかかるとペン先が上に向かってスライドする機構を搭載し、筆圧を吸収。芯折れを防ぎます。さらに「フレフレ機構」も備え、ノックの手間も省けます。実売価格486円。
【書き味】4点
ペン先がパイプに潜り、書き出し時の抵抗を約50%吸収。スムーズすぎるほどでした。
【握り心地】3.5点
溝がほぼなく汗で滑りやすいです。だが、軽量タイプなので、手を添えるような感覚で書けます。
【機能性】4.5点
芯折れ防止と振ると芯が出る機構を搭載。相乗効果で、長い時間集中して筆記できます。
高機能シャープペン大賞 ゼブラ デルガード
総評 多彩な機能のなかでも本質的な価値が注目された
「デルガードは『折れる』『詰まる』というシャープペンにおける大きな悩みを解消した画期的な製品。芯折れ対策や偏減り対策など、これまでになかった機能性を備えたモデルが多数揃った今回のテストでも、使い勝手という面で頭ひとつ抜け出た高い存在感を示しました」(菅さん)
デルガードは、滑らかな書き味でもトップレベルの評価を得るなど、実用性の高さが注目され、見事に大賞に輝きました。