ロング刃で軽快にサクサク切れる「スティッキールはさみ ロングタイプ」
一方、そこまで万能じゃなくてもいいので、もっと軽快に使えるペン型ハサミを……というのであれば、バネ式のものもまた便利だ。
別にダンボールをしょっちゅう切る機会があるわけでもなし、コピー用紙ぐらいをサクサクと素早く切れた方がありがたい、というのであれば、サンスター文具の「スティッキールはさみ ロングタイプ」(以下スティッキールロング)がいいだろう。
実際のところ、ペン型を含む携帯用ハサミの最大の用途は、学生がプリントを切ること、だそうだ。
学習プリントをノートに貼るために切り出すのが主用途であれば、確かにペンカットプレミアムはややハイスペックが過ぎるし、また、いちいちハンドルループを出し入れする手間もある。
スティッキールロングは、キャップをはずして軸の片側をわずかに刃側に押し込んでやれば、安全ロックが解除されて切れるようになる。あとはバネの力で刃が開くので、軸を握ってチョキチョキと切り進めるだけ。
先にも述べたとおり、現状ではペン型ハサミの主流といえばこのバネ式で、やはり手軽さ・軽快さはひとつの正義なのだ。
そんな数あるバネ式ペン型ハサミの中でも、スティッキールロングは刃渡りの長さがポイントとなる。
56㎜と従来スティッキールの約1.6倍の刃渡りは、プリントを切る際にチョキチョキと動かす回数から違ってくる。刃を動かす回数が少なければ切り終わるスピードが早いし、さらには1ストロークが長い分だけきれいに直線が切れる、ということ。そもそもバネ式は細かな曲線切りに使うものではない。直線が早くまっすぐ切れる性能こそが求められているのだ。
ストロークが長くなると、刃の開閉角が小さく、力も入りにくくなる刃先側の切れ味が落ちる、という問題がある。
そこでスティッキールロングは、刃先に微妙なカーブをつけ、刃角をコントロール。先端までスパッと切れるように考慮されている。実際に使ってみても、一度切り込んだら刃先の方までそのままサクッと切れる感触があり、快適だ。
切れ味なども含めて、とにかくコピー用をサクサク切るのに特化した性能は、普段使いのハサミとしてかなり使いやすい。実際のところ、切り始めるまでの軽快さなどを考えれば、より使用頻度高く使えるのはペンカットプレミアムよりもこちらだろう。そういう意味では、より万人向けにオススメできる一丁と言える。