文房具
2019/5/21 18:30

珍形状のヘッドが決め手!通販の段ボールをサクサク開けるオルファの最新「開梱用カッター」

【きだてたく文房具レビュー】通販の段ボールを、中身を傷つけず開梱するカッター

いま個人的に最も注目している文房具ジャンルが、開梱用カッターだ。なにせ我が家は、日常的に段ボールがやたらと届く。生鮮品以外の買い物は大半が通販だし、メーカーから商品サンプルを送っていただいたりもする関係上、1週間に10個ぐらいはなんらかの箱が届いてしまうのである。

 

これはさすがに多い方だとは思うが、普通の家庭でも、通販で買い物をする率は今後も上がる一方だろう。であれば、送られてきた段ボールをサクッと開梱できるツールは注目しておいて損はないはずだ。

 

ということで今回は、カッターナイフでお馴染みのメーカー、オルファが先日発売したばかりの新しい開梱用カッターを紹介したい。

↑オルファ「カイコーン」オープン価格(実売150円前後)
↑オルファ「カイコーン」オープン価格(実売150円前後)

 

「カイコーン」というネーミングは、あまりにもあけすけ過ぎるだろうという気もするが、ともあれ段ボールを開梱するための機能をいろいろと詰め込んだ便利ツールである。

 

前段では主に家庭における開梱用カッター需要の話をしたが、もうひとつ、送る・届くの間をつなぐ流通の現場でも、こういったオープナーは活躍している。カイコーンは、どちらかというとそういった現場向けに作られたプロユースのツールと言えるだろう。(もちろん、ご家庭で使ったって何も悪いことはない)

↑軍手をしたまま握っても滑らず安定する、滑り止めが施されている
↑軍手をしたまま握っても滑らず安定する、滑り止めが施されている

 

現場道具ということで見た目に飾りっ気はほとんどなく、シンプル。表面の凹凸は、軍手をした状態で安定してグリップするためのものだ。

 

オルファの従来の開梱用カッター「ラップカッター」と比べても、かなり素っ気ない雰囲気だが、カイコーンは基本的に刃の交換なしの使い切りタイプなので、これで充分なんだろう。

↑カイコーン(上)とラップカッター(下)。カイコーンは使い切りだが、ラップカッターは刃の交換が可能
↑カイコーン(上)とラップカッター(下)。カイコーンは使い切りだが、ラップカッターは刃の交換が可能

 

カイコーンを手に持ってみると、かなり小ぶりで薄い。これは、現場でポケットに放り込んだ状態で持ち歩く際にも邪魔にならないように、ということ配慮だろう。

 

では使い方だが、まずは梱包テープで閉じられた段ボールを開ける場合。先端の尖ったヘラ(テープスプリッター)を、段ボールの合わせ目にブスリと突き刺す。

↑垂直にザクッと刺して開梱。樹脂製のスプリッターはさほど鋭くないので、箱の中身にダメージが届く心配は少ない
↑垂直にザクッと刺して開梱。樹脂製のスプリッターはさほど鋭くないので、箱の中身にダメージが届く心配は少ない

 

梱包用の透明OPPテープなら、このまま端までズズズッと裂き進めるだけで簡単に開く。頑丈な布テープなんかの場合は、スプリッターで開けた切れ目にシュモクザメの目のような“くさびパーツ”を刺して引けば、内側のステンレス刃でスパッと切り開けるのだ。

 

また段ボール開口部側面のテープを切るのも、この“シュモクザメ部”を使えば簡単だ。

↑スプリッターを突き刺しにくい側面は、“シュモクザメカッター”を引っかけて切る
↑スプリッターを突き刺しにくい側面は、“シュモクザメカッター”を引っかけて切る

 

続いて、流通の現場でよくあるのが、ストレッチフィルムぐるぐる巻きの開梱。家庭レベルの段ボールでこの梱包に直面することはあまりないだろうが、中国やアメリカなど海外通販で買い物をすると、このぐるぐる巻き(通称:ミイラ梱包)状態で届く場合もある。

 

普通ならカッターナイフなどで切ってやらないと開けられない難敵なのだが、これもカイコーンなら一発。フィルムの端にシュモクザメを引っかければ、スパッと切れるのだ。もちろん、荷造りヒモや硬いPPバンドもシュモクザメでスパッ、だ。

↑開けるのが面倒なミイラ梱包が、確実・迅速に開けられるのはさすが
↑開けるのが面倒なミイラ梱包が、確実・迅速に開けられるのはさすが

 

さすがプロユースの道具。ざっくり言えば「あらゆる梱包に対応できる万能開梱用カッター」という評価になるだろう。

 

ただ、家庭で使う分にはテープ梱包さえ切り開ければ、だいたい事が済むわけで、「なんでもできる」よりは「コンパクトで収納しやすい」とか「簡単に使える」ほうが便利ともいえる。なので、日常的に開梱作業をするプロや、海外通販まで使っているヘビーユーザーには、文句なしにオススメ。週にひとつふたつ段ボール開けるかな……くらいご家庭には、いささかオーバースペックかも? というのが正直な感想だ。

 

とはいえ、カイコーンは使い切りタイプということで、実売でだいたい100円台半ばと、開梱用カッターとしてはかなり安いのが、ひとつの大きなポイントでもある。

 

使い切りといっても多少の汚れは水洗いで落とせるし、家庭レベルの使用頻度であれば、刃の損耗や粘着材の付着もそこまでではないだろう。とりあえず一本持っとく、というぐらいの感じで備えておいても損はしないのではないか。