文房具
2019/6/11 19:00

スルスル引けてキレがいい!ストレスフリーなトンボ鉛筆とプラスの最新「テープのり」

強粘着なのにスパッとしたキレがあるテープのり

今年の2月末に発売されたプラスの「ノリノコロ」は、粘着力が同社従来比で1.8倍、という強力さが売りのテープのりだ。

↑プラス「ノリノコロ」(テープ使い切り)230円(税抜き)すべて強粘着タイプ
↑プラス「ノリノコロ」(テープ使い切り)230円(税抜き)すべて強粘着タイプ

 

ここしばらく、テープのりは各メーカーともギミック競争的に新機能を持った製品を投入しているが、ノリノコロは見た目どおり、機能はシンプルそのもの。使い切りタイプでキャップ別体。ギア周りもごく普通だし、ヘッドもローラーだけの固定型。のりパターンもドットではなくフラットな帯状になっている。スペック的には一見、10年前ぐらいの製品? という印象だ。

↑テープ供給リールの大きさが目立つが、他はシンプルそのもの
↑テープ供給リールの大きさが目立つが、他はシンプルそのもの

 

もちろん、それは意味あってのこと。まずペンケースに入れて持ち運べるサイズなのに、テープ長12mとたっぷり(同サイズの他製品だと8~10mが普通)で、さらに価格も税抜230円とかなりお手頃になっている。

 

つまりギミックを省略した分、ユーザーがまず気になるテープ長と価格で値打ちを出してきた、ということだろう。

↑帯状で粘着力の強いのりテープ。端がスパッと切れるのが快適だ
↑帯状で粘着力の強いのりテープ。端がスパッと切れるのが快適だ

 

それだけでは新製品としてちょっと面白みがないなー、と思うだろうが、さにあらず。先に述べたように、ノリノコロはその粘着力の強さと、そのわりにスパッと心地よい“のりギレ”の良さがポイントとなっているのだ。

 

粘着力に関しては、最近の主流派であるドットではなく、フラットな帯状にすることで、のりの面積を稼いで強化している。これは、ドットパターンのテープと貼り比べれば誰でも体感できるほど、確かに強い。

↑ドットタイプとノリノコロをプラ板と紙の両端に貼り、中央から引っぱって粘着力テスト。ドットのりが剥がれても、ノリノコロは貼り付いたまま
↑ドットタイプとノリノコロをプラ板と紙の両端に貼り、中央から引っぱって粘着力テスト。ドットのりが剥がれても、ノリノコロは貼り付いたまま

 

ではなぜ、ドットパターンがテープのりの現在の主流になっているのかというと、帯状ののりはドットよりものりギレが悪く、ヘッドを引き上げた際にニチャーッと糸を引く傾向が強いからなのである。

↑帯状のりの糸引き状態。強粘着テープのりで特に発生しやすい
↑帯状のりの糸引き状態。強粘着テープのりで特に発生しやすい

 

この糸引きが仕上げの悪さだったり、次に使うときののり付け不良につながったりするため、帯状ののりは現在では不人気になっているわけだ。

 

そこでノリノコロは、のりテープに微細な針状のカーボンファイバーを配合。硬いカーボンファイバーが、ヘッドを引き上げる際にのりの層を突き破って切り口を作るため、スパッとしたキレの良さが得られる、という仕組みになっている。

↑顕微鏡で確認すると、確かに黒い針のような繊維が見える。これがのりを突き破ることで小さな切り口をいくつも作る
↑顕微鏡で確認すると、確かに黒い針のような繊維が見える。これがのりを突き破ることで小さな切り口をいくつも作る

 

理屈は分かったけれど本当か……? と試してみたが、なるほど、ヘッドを紙面から離した瞬間に、端がきれいにまっすぐ切れて、かなり糸を引きにくいようになっている。これだけ強粘着だと、従来品ではまず確実に糸引きを起こすので、これはやはりカーボンファイバーがいい仕事をしているんだな、と感じられる。

 

テープのりの純粋な性能として「強い粘着力が安定して使える」という点では、とても優れたものだろう。細かい便利ギミックはないが、でもコスパがいいんだから文句はつけられないな。

 

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