イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは何なのか?
発売当初から愛用し続ける極細ボールペン「ジュース アップ」
自腹買いした文具を紹介してきましたが、もっとも身近な、いつも愛用しているボールペンの紹介をしていませんでした。
パイロットのゲルインキボールペン「ジュース アップ」です。2016年の発売当時からその虜になり、今では切らすのが怖いので、常に20本ほどストックしています。
パイロット
ゲルインキボールペン「ジュース アップ」
各200円(税別)
2016年8月に、同社の水性顔料インキのシリーズ「ジュース」に追加された。0.3mm(激細)/0.4mm(超極細)/0.5mm(極細)をラインナップする。
愛用するジュースアップのインク色は、ブラック、ブルーブラック、ブルー。軸全体に使った黒色と細身のクリップという、すっきりとした見た目も素敵ですが、注目すべきはこのペン先です。一般的なコーンチップとも、針金のような細いパイプチップとも違う、変わった形をしているのがわかりますか?
イイトコ取りの特殊なペン先
これは「シナジーチップ」というジュースアップで初めて使われたペン先です。
シナジーチップは、パイプチップ(細いパイプ状になっているペン先)の筆記抵抗の低さと、コーンチップ(ボールペンに多くみられる円錐形に近い形状のペン先)の書き出しのよさを兼ね備えたペン先で、0.3mmという超極細でもインクがかすれず、書き心地もガリガリせず、滑らかに筆記できます。
特殊添加剤を配合した顔料インク
ペン先だけではありません。インクに特殊な添加剤を入れることで、超極細ペン先から無理なくペン先からインクが出るようになっています。
水性インクには顔料と染料の二種類があり、顔料は耐光性や耐水性が優れています。しかし、顔料は染料に比べて粒子が大きいため、ペン先にスムーズにインクを出すのが難しいという難点がありました。そこでインクに特殊な添加剤を入れ、顔料をインク内で均一に分散させることでこの問題を解決しました。
こうして、ペン先とインク、どちらも新しい、細くても書き心地のよいボールペンが完成したというわけです。
私はお風呂場でノートをとるので、ジュースアップをお風呂に持ち込んでいますが、水性顔料インクなので、万が一、ノートを湯船に落としてしまっても文字が消えてしまうことがなく、安心ですよ。(※メーカーはお風呂での使用を推奨していません。不具合が起きた場合には自己責任となります)
「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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