文房具
2020/5/27 19:00

携帯性と使いやすさを併せ持つ! 携帯ハサミ「カットン」「スティッキールはさみmini」の作り込みが意外に凄い

2020年春は、携帯用のハサミが豊作を超えた大豊作であった。すでにこの連載でも、発売されたばかりの“ペン型ハサミ”を4丁紹介しているが、実はまだ紹介できていないものが2丁ほど残っている。半年足らずの間に、把握できただけでも新製品が6丁って、そんなハサミだらけのシーズンが、今まであっただろうか? まったくもって何があったのか……というと、まず間違いなく偶然なのだが(文房具業界では、たまにあることだ)。

 

何にせよ、ここまで立て続けに発売された以上、残りの製品もレビューしないわけにはいかない。実際のところ、試してみたらなかなかの出来映えだったわけだし。ということで今回は、2020年春のハサミシーズンを締めくくる、“携帯ハサミ”2丁を紹介しようと思う。

 

1. 大きな携帯ハサミ「カットン」は使い勝手のバランス優秀!

さて、先ほどから筆者は“ペン型ハサミ”と“携帯ハサミ”を、あえて区別して呼んでいたことにお気づきだろうか? いや、特にたいそうな理由があるわけではないのだが、普段は刃先が露出せず、持ち運びやすいサイズのものを“携帯ハサミ”、その携帯ハサミの中でも特に細長い棒状のボディを持つものを“ペン型ハサミ”と言っているのである。

 

ただ全体的に、携帯ハサミの方がよりコンパクトで刃渡りも短い、という傾向は強いと思う。ところがこのクツワの新型携帯ハサミ「カットン」は、そこそこデカいのだ。

クツワ
カットン
800円(税別)

 

もちろん、デカいと言ってもあくまで携帯ハサミとしての話。ペンケースに入るし、ポケットに入れて持ち運ぶのも問題ない。ただ、同じくクツワの製品である「携帯はさみ」(筆者も愛用)のサイズアップ版ということで、並べてみると「おお……大きく育ったな」と感じるのだ。

 

だいたいの構造も同じで、ハンドルの内側に収納された刃をスライダで押し出すとロックが解除され、バネ式でチョキチョキ動かせるというもの。

↑「携帯はさみ」(税別450円、写真下)との比較。基本構造は同じながら、サイズには親子かというほどの差がある
↑「携帯はさみ」(税別450円、写真下)との比較。基本構造は同じながら、サイズには親子かというほどの差がある

 

ポイントとなるのは、やはりこのサイズアップの部分。携帯性が落ちるのは仕方ないが、その分、刃渡りが一般的なペン型ハサミと同クラスになった。これくらいの長さの刃は、やっぱりマルチに使いやすいのだ。

 

「携帯ハサミ」(刃渡り20mm前後)だと、主な用途はお菓子の袋に切り口を作ったり、衣服のほつれを切ったりなど、ちょこっと切りがほとんど。対して刃渡り約35mmの「カットン」なら、授業用プリントを切るなどの紙切りハサミとしても、それなりに使えるのである。

 

それでいて全長はペン型ハサミより短く、さらにはスライダ式のキャップレスで取り回しもラク。つまり、携帯ハサミとペン型ハサミのちょうど中間に位置して、両者の利点を併せ持っているのだ。これは今までにあまりなかった、携帯ハサミの新カテゴリと言えるかもしれない。

↑スライダを前方に押し込むと、刃が露出してハサミに変形。保護キャップがないのはやはり手軽でいい
↑スライダを前方に押し込むと、刃が露出してハサミに変形。保護キャップがないのはやはり手軽でいい

 

↑切れ味はまったく問題なし。薄いフィルムや布地なども簡単に切れる鋭さを持つ
↑切れ味はまったく問題なし。薄いフィルムや布地なども簡単に切れる鋭さを持つ

 

個人的に「おっ、気が利いてるな」と思ったのは、ハンドル周り。よく見ると、カット時に親指を乗せるスライダ上と、反対側のハンドルで人差し指などを乗せて固定したいあたり2か所に、滑り止めのギザギザが加えられているのだ。

↑地味に効果的な滑り止めのギザギザモールド。これの有無で握りやすさが大きく違ってくる
↑地味に効果的な滑り止めのギザギザモールド。これの有無で握りやすさが大きく違ってくる

 

通常の携帯ハサミよりは力を入れて切る作業が多いだけに、グリップしやすくなる滑り止めがあるのはありがたい。ちょっとしたことだが、こういう点も、使い勝手にわりと効いてくるのである。

 

続いて、もうひとつの携帯ハサミ「スティッキール はさみ mini」をチェックしてみよう。

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