イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?
超定番ボールペン「シグノ」の最新事情
今回紹介したいのは、三菱鉛筆のロングセラーボールペン「ユニボール シグノ」(以下、シグノ)です。……といっても、読者のみなさんもご存知ですよね、シグノは。
言わずと知れた大ヒット作です。ゲルインクならではの滑らかな書き味や顔料によるくっきりとした発色が評価され、今やゲルインクを採用したボールペンの超定番商品になっています。日本中のオフィスのペン立てにシグノがささっているのではないでしょうか。私も、10年以上愛用しています。
三菱鉛筆
ユニボールシグノ 0.38mm
150円(税別)
※ほかに0.5mm、0.28mmもラインナップする。
そのシグノを今回あらためて取り上げるのには理由があります。子どもの頃にシグノを知った世代は、最近のシグノの変化をきっと知らないだろうからです。
31色にまで増えたインクカラー
もともと1979年発売のボールペン「ユニボール」の別ラインとして1994年に作られたシグノ。私はその2年後に登場した極細の0.38mmを愛用しているのですが、発売当初は、インクの色は8色でした。しかし今や、この0.38mmは31色にまで増えています。
その歴史は、インクカラーへの需要の変化を物語っています。
2003年に4色が追加されました。
続いて、2008年にもカラーを追加。
さらに、2017年にも追加されています。
色数がどんどん増えている様子がわかります。なかなか違いが理解されにくいピンク系のインクも、たくさん用意されています。
今、グリーンブラックやブルーブラックのような黒ベースの大人っぽいインクが流行っていることをご存じかもしれませんが、早い段階で、そういったインクをボールペンに採用したのもシグノでした。
こういったインクは厳密にいうと“黒”ではないのですが、落ち着いた色ですから悪目立ちせず、仕事でも使えるでしょう。だから黒に飽きたビジネスパーソンにも人気です。
そういえば、黒系のインクといえば2008年に「ラベンダーブラック」が廃盤になったことを覚えているファンもいるかもしれません。実は、ラベンダーブラックは海外では今も売られているのですが、国内では手に入らないのは残念です。微妙なニュアンスカラーが充実しているシグノらしいエピソードです。
文字にもイラストにも活躍
このように色への探求心が尽きないのがシグノの特徴です。書きやすいのは前述の通りですが、色数が豊富なので、文字を書くだけではなくイラストや図形にも向いています。私はアイデア出しの際にシグノを使っていますが、気分に沿ったさまざまなカラーのインクを使いたいので、シグノがぴったりなのです。
学生時代にお世話になった方も多いであろうシグノですが、今は、ここまでラインナップが増えているのです。
仕事にも、趣味にも。ノートにも、手帳にも。懐かしいシグノを見直してみませんか?
「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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