文房具
筆記用具
2022/1/31 20:30

なめらかボールペンの金字塔「ジェットストリーム」「ジュースアップ」に登場した多色ボールペンがその名に恥じない傑作だった

「ジェットストリーム」の多色は複合型ノックで効率アップ

最新多色としてもう一点紹介したいのが、三菱鉛筆「ジェットストリーム 3色ボールペン」だ。「ん? なんで今さらジェットストリームの多色?」と思う人もいるかもしれないが、実はこれ、従来の多色ノックシステムをリファインした、完全に新しいジェットストリームの多色なのである。

三菱鉛筆
ジェットストリーム 3色ボールペン
500円(税別) ボール径0.5mm/0.7mm

 

最大の特徴が、このノックノブ。軸後端から出ているのは単色(黒)のノックだし、側面には赤・青の多色ノックが見えている。つまり単色+多色の複合ノックという、不思議なシステムを採用しているというわけだ。

 

単色ノックは、押し込むと黒リフィルが出て、もう一度押し込むとリリース。多色ノックはスライドさせるとリフィルが出て、別のノックをスライドさせるとリリース。どちらも見た目通りの挙動である。

↑黒は後端の独立したノック、赤・青は側面のスライドノックでペン先を出す。これまでになかった珍しいシステムだ

 

ただ、それに加えてリリースの方は、単色ノックは多色ノックのスライドでもリリースできるし、もちろん多色ノックも単色ノックでリリース可能。文章で説明するとややこしいが、実際に触ってみると、直感的に使えてまったく違和感が感じられないノック機構だ。

↑ほぼ無意識でも黒が選べるので、あきらかに書き出しが速い!

 

ではなぜこのような不思議な構成になっているかというと、単純に黒が使いやすいのである。多色ノックは、使用時にいちいちノックの色を確認する必要があり、これがどうしても手間。実際、従来の多色ボールペンを使用するときは、どんなに馴染んだものでも、チラッとノックノブを見て色を確認しているはずだ。

 

ところが、黒が間違いようのない単色ノックで出せれば、最も使用頻度の高い色が完全にノールックで効率よく書き始められるというわけで、これは間違いなく快適なのだ。

 

互換性も! 容量7割アップでインク長持ち

また、この「ジェットストリーム 3色ボールペン」から、新しい多色用の黒インクリフィル「SXR-ML-05/07」――通称「長持ちリフィル」を採用している。

↑インク容量70%アップの長持ちリフィル。パッケージは環境に配慮した紙パッケージだ

 

これは従来の多色用黒リフィルのチューブ内径を肉薄化したもので、なんとインク容量が70%もアップ。つまり、それだけたっぷりと書けるようになっているということだ。

 

外径や長さは変わらないので、従来のリフィル「SXR-80」及び「SXR-203」と互換可能。これまでのジェットストリーム多色(プライムは除く)にも搭載できるのは、なかなかに嬉しい。

↑クリップは金属パーツ埋め込みで強度アップ。折れる心配が減ったのはありがたい

 

「メインは黒で、赤や青はあくまでサブ」という使い方をしているジェット多色ユーザーであれば、このノックシステムと長持ちリフィルのメリットは、相当に大きいと思う。こちらも移行して間違いない、優秀な多色ボールペンである。

 

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバーはこちら

 

  1. 1
  2. 2