「wemo(ウェモ)」というメモツールをご存知だろうか? コスモテックから2017年に発売された「wemo バンドタイプ」は、手首に巻き付けて装着するシリコン製のメモで、油性ボールペンで書き込むことができるというもの。さらに、消しゴムでこすって筆跡を消せるので、何度でも再利用可能。シンプルだが、とても実用性の高いツールなのだ。
実際、簡易に使えるウェアラブルなメモということで、看護師をはじめとした医療従事者や主婦など、「メモは取りたいけれど、手がふさがっている」ことが多い職種の人たちには、かなり多くのファンがいるとのこと。筆者も骨折で入院していた際、担当してくれた看護師さんが着用していたのを確認している。
この「wemo バンドタイプ」専用のボールペンが2022年4月に発売されたのだが、これがかなりユニークかつ機能的な1本なのだ。当然ながらwemoとの相性は抜群なので、組み合わせて使うと間違いなく便利になりそう。これは試してみなければ!
「wemo」からバンドタイプに装着できる専用ペン登場
その専用ペンというのが、コスモテック「wemoペン」である。見た目からはボールペンの機能を読み取るのが難しいほど特殊な形状をしているが、それは「wemo バンドタイプ」とセットで使う前提で設計されているからなのだ。
コスモテック
wemoペン
350円(税別)
サイズは、Bluetoothの片耳用イヤホンマイクぐらい、という表現で通じるだろうか。要するに、指先でヒョイとつまめる程度の太さ・長さの角柱である。
裏面にあたる側にはクリップが付いており、これを腕に巻いた「wemo バンドタイプ」に挿し込むと、ピタッとハマるように装着できる仕組みになっている。
そしてペンとして使用する際は、「wemo バンドタイプ」から引き抜いてクリップをノックノブのようにスライドさせると、クリック感と共に内蔵していたリフィルの先端が露出。これで書けるようになるのだ。
コツさえつかめば、ペンをバンドから引き抜く動作とクリップノックを連動させることもできるため、抜いてから書くまでが非常にスムーズに行える。
また、書き終わったペンは再びバンドに戻せば、自動でクリップが押し戻されてリフィルが収納される。
動きを動画で見てみよう。
これなら、うっかりペン先が出っぱなしで服をインクで汚してしまう、なんてトラブルは起きえないだろう。
ウェアラブルなガジェットは人体と衣服にダメージを与えない、というのがまず大前提なので、そこはキチンとクリアしてきたな、という感じ。
設計上の最優先機能がバンドに装着する際の動作なので、ペンとしての書きやすさは、まぁお察し……と思いきや、意外と指の置き場所もしっくりきて、握り心地はさほど悪くない。快適な筆記感とまでは言わないが、それなりにちゃんと書けるやん? という印象だ。
握りからペン先までが近すぎるため、机上のノートに書き込むなどの用途には向かないが、自分の手首(に巻いたバンド)に書くなら、むしろこれくらいがジャストなポジションと言えそう。
wemoに油性ボールペンで書き込んだ筆跡は、消しゴムでこすれば消せる。とはいっても常に手元に消しゴムがあるとは限らないので、困ったら「wemoペン」の後端でこすってみよう。書いてさほど時間が経っていないなら、これで消すことも可能だ。
ただしペン軸自体にインクが付着して汚れてしまうので、あくまでも緊急時に使える裏ワザ、程度に憶えておくといいだろう。
そもそも、メモをポケットやカバンから取り出す手間が省けるというのが、ウェアラブルなメモのメリットの一つ。であれば、相棒の筆記具もウェアラブルに済ませたいと考えるのが当然だろう。
だから正直なところ、「装着できる専用ペン、やっと発売されたのかよ!」と言いたいところだが……ここまで相性バッチリのものを出してくれたなら、文句もない。少なくとも今後は、必ずセットで使うべきメモとペンだと思うのだ。