文房具
2022/7/31 10:30

一歩入ればそこは昭和!? そのレトロ感がたまらない古文房具専門店・中村文具店

店主の好きなモノだけを集めた店や、書く楽しみを伝える店など、個性的な文房具店が日本全国に存在する。思わず足を運んで寄ってみたくなる文房具店をピックアップ。

 

※こちらは「GetNavi 20227月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

時代を飛び越えたようなレトロ文房具で溢れる空間

 

中村文具店

(住) 東京都小金井市中町4-13-17

https://nakamura-bungu.com

店主

中村研一さん

「古文房具って、要するに『昔に使われていた日用品』ですから、現行の文房具と比べたら不便なんです。ですが、その不便さも含めて楽しんで使ってもらえたらうれしいですね」

 

 

 

地域再開発で閉めた店がレトロな文房具でリスタート

JR中央線の武蔵小金井駅から数分歩くと見える青い建物が、古文房具の専門店こと中村文具店だ。

 

終戦直後から駅前商店街にあった文房具店が、周辺の再開発によって閉店。それを三代目の中村研一さんが、改めてアンティークな文房具の店として復活させた。

 

「閉店するとき、倉庫から大量に古い文房具のデッドストックが出てきたので、閉店セール品として販売しました。もの珍しさにその情報がSNSで発信され、多くの文房具好きマニアが訪れてくださったんです」(中村さん)

 

もともと古いモノを集めるのが趣味だった中村さんは、これをきっかけに古文房具店としてオープンしたら面白いのでは、と考えたそう。店内には紙製品や鉛筆削り、ミニナイフ、タイプライターなど昭和レトロな商品が数多く置かれており、思わず「懐かしい!」と声を上げてしまう品揃えだ。

 

レアなモノを探して全国からマニアが訪れるだけでなく、映画やドラマの小道具として古文房具を貸し出したこともあったとか。現行品にないレトロさが魅力の文房具を探すのであれば、まずはこの店に足を運んでみてほしい。

 

↑棚には懐かしい文房具に混ざって、最新のボールペンや鉛筆などが並ぶ。珍しい商品に惹かれて入る小学生から、書きやすい筆記具を求めて訪れる年配の方まで利用している

 

↑60年前に撮影された「初代・中村文具店」の写真が店内に飾られている。同店の歴史を感じられる1枚は、写真立てもレトロな店内に合わせてアンティーク調にする徹底ぶり