「便利なペンケース」とひとくちに言っても、その “便利” がどこにかかっているかで、印象は違ってくる。例えば、整理収納しやすくて便利ということもあれば、筆記具が取り出しやすくて便利ということもあるだろう。場合によっては、扇風機が付いているから夏場は涼しくて便利ということだって考えられる(実際にそういうペンケースも存在する)。
つまり、ユーザーが何を求めるか次第で、便利なペンケースにもいろいろあるね、という話なのだが。数ある便利なペンケースのなかで今年、筆者が「おっ、便利だな」と思ったのが、クツワの「リララペンケース」である。
ぶっちゃけて言えば、ペンケースとしての容量は少ないし、中身の出し入れもしづらい。しかし、ある一点においては従来のペンケース全てに勝る便利さがあると感じたのだ。
手首を乗せると快適な、おそらく唯一無二のペンケース
あらためて紹介すると、2023年3月に発売されたリララペンケースは、これまでになかった特殊な機能を備えたペンケースだ。機能だけと侮るなかれ。このペンケース、ルックスがすごくかわいいのだ。
クツワ
リララペンケース
1800円(税別)
全6種(ナマケモノ/カワウソ/シロクマ/柴犬/サバトラ/ハチワレ)
リララは、6種類の動物モチーフがラインアップされたぬいぐるみ系ペンケースであり、どれを選んでもかわいい(二度目)。定番の柴犬やハチワレのほかに、ナマケモノやカワウソなどの変わり種で、でも間違いなくかわいいコ(三度目)たちがラインアップされているのは、なかなかにいい感じである。彼らのボディには綿がみちっと詰まっているので、フッカフカなのも大変にかわいい(四度目)。
とはいえ、ただかわいいだけのペンケースなら他にいくらでもあるだろう。リララペンケースが唯一無二なのは、あくまでもその機能によるものだ。ということで、早速機能の説明をしていこう。
まず、使う際には、内蔵マグネットで二つ折りに固定されていた本体を伸ばして、PCのキーボード前に置く。その上に手首を乗せると、いわゆるリストレストになるという仕組みだ。
これまでに数多のペンケースを見てきたが、リストレスト機能を持つ製品は初見だ。中綿にかなり弾力があるので、手首を乗せたときのフカフカ感と安定感は抜群。さらに、表面が柔らかなストレッチ生地なので、サラサラとした滑らかな肌触りも気持ちよい。シンプルに、携帯リストレストとしてけっこう優秀な印象である。
カフェなどでPC作業をするとき、机の高さが低すぎるために手首が反って痛くなる、というケースは地味に多いと思う。リストレストはその対策としては間違いないが、だからといって都度持ち歩くか? と問われると、そこまでではない、というのが正直なところ。だが、ペンケースとして持ち歩いているものがリストレストとして兼用できるというなら、それは意外とありがたいのではないだろうか。
容量は少ないけど、それなりに使えそう
ペンケースの機能としては、冒頭でも述べたとおり、便利とは言い難い。ファスナーで側面までガバッと大きく開口はするが、中身が綿の圧力でムギュッと押し潰されているため、スムーズに中身を出しにくいのだ。
パンパンに詰まった綿のせいで、見た目のサイズに比して容量も少なめ。収納スペースはふたつに振り分けられているが、それぞれペン3本入ればいいところだろう。
とはいえ、社会人の平均的な筆記具運用を考えると、それぐらいで充分じゃない? という考え方もできる。例えば片側にはペンを数本入れ、もう片側にはUSBケーブルやビデオ会議用のイヤホンマイクを入れておく、というのもアリかも。
ちなみに、「リストレストとして使うときに、中のモノの感触が手首に伝わるんじゃないの?」という疑問もあるかもしれない。確かに、ペンの硬さが手首に響いてしまうと、せっかくのフカフカ感が台無しになりそうだが、実際に試してみた実感としては、中身の感触はほとんど気にならなかった。もちろん厚みは増えるが、綿のボリュームがしっかりしているからか、ペンの硬さなどが完全に吸収されるようだ。今後ずっと使い続けて綿がヘタッてくればタッチも変わってくるだろうが、ひとまず当分は問題無さそうに感じた。
もうひとつ、これは使用感には直接関係ない部分なので、余談として。開口用のジッパーに尻尾のようなチャームが付いているのだが、これの手触りがフワッフワで、めっっっっちゃくちゃ気持ちいいのである。筆者は重度の手触りフェチなので、このフワフワを撫で始めると止まらなくなってしまう。それはもう、かなり意識して止めようとしないと、止まらないレベルで。
リララはかわいらしいデザインが特徴なので、年齢・性別・社会的な立場などで「こんなかわいいの、恥ずかしくて使いづらいよ」と感じる人も多いかもしれない。が、逆に「見た目がかわいい! 好き!」と思ったり、「尻尾チャームのフワッフワが気になる!」と感じたりしたのであれば、これはもう買って、かわいさも手触りも堪能してみてほしい。もし、人目が気になるのなら、一人でコソッと使ったって構わない。なぜなら、かわいくて手触りの良いものを諦める方がずっとストレスフルなはずだから。