紙の資料を効率よく読むためのコツは、読みながら“気になったところ”をマーキングしていくことである。

読み進めて情報が次々に入ってくると、どうしても時系列で前の方からどんどんと脳から押し出されてしまうので、ちょっとでも「ここは大事かも?」と思ったら、まずは何をおいてもラインマーカーなどで目印をつけておくべきなのだ。
とはいえ、後で自分の引いたラインを目安に再読すると、「あれ、なんでこんなところにライン引いたんだっけ?」みたいな意味不明のマーキングに出会うこともあるだろう。
それ自体はよくあることなんだけど、しかしそういったラインを残しておくと、以後、読み返す毎に「あれ、なんでこんな(略)?」が発生するので、ちょっと面倒くさいのだ。そうなってくると、資料読みのときに使うラインマーカーで重要なのは、意外と「消せる機能」なのかもしれない。
修正テープみたいな蛍光マーカー
文房具が好きな方であれば、「消せるマーカー」と聞いてまずイメージするのは、消せるボールペンでお馴染みのパイロット「フリクション」シリーズだろう。実際、こするだけで太い蛍光ラインがきれいに消えるので、なかなか便利なのだ。
しかし、それ以外にもう一つ、フィルムテープタイプのマーカーという手があるのを覚えておくのもありだと思う。

レイメイ藤井の「Kept キエラ」は、2色のテープを透明軸に内蔵したフィルムテープマーカーだ。ザックリと言えば、修正テープのテープを半透明の蛍光色に替えたようなものである。
カラーラインアップは「ブルー&イエロー」「パープル&ピンク」「オレンジ&ライム」「レッド&グリーン(暗記用)」の4種類となっている(上画像は「ブルー&イエロー」と「レッド&グリーン(暗記用)」)。
マーキングしたい箇所にヘッドを当てて引くと、5mm幅の蛍光色テープが文字列の上に貼られて、まさにラインマーカーで線を引いたように見えるという仕組みだ。

消しゴムで普通に線を消せる
この薄いフィルムテープは、上から消しゴムをかけてやるだけで、簡単に紙面から剥ぎ取れる。つまり、マーキングの消去が可能なのだ。
必要以上に強くゴシゴシ擦る必要もないし、剥がれたテープは消しカスに包まれて落ちるので、無駄にゴミが出るわけでもない。感覚的には、普通に鉛筆の筆跡を消すのとほとんど変わらない印象である。
ただし、「消しカスがまとまる」タイプや「濃い鉛筆用」の消しゴムを使う場合、当たりが柔らかすぎて上手くフィルムが剥がせないことがあるので、そこだけは注意が必要かもしれない。
繰り出し式のピンポイント消しゴムなどは程よい硬さがあり、さらにテープを狙った場所だけ剥がすことができるので使いやすいだろう。

きれいな線がまっすぐ引ける
消しゴムで消せる以外にも、フィルムテープマーカーには大きなメリットがある。
それは、従来のマーカーではまっすぐなラインが引けない不器用なユーザーでも、確実に一定の太さでシャープな直線が引けるという点だ。

フィルムテープの幅が一定(5mm幅)なのだから、そもそも線幅が狂うということがあり得ないし、インクが紙に染みる心配もないから、ゆっくりと落ち着いてラインを引くことができる。
むしろこれでグネグネと曲がったラインを引くほうが難しい……。

美しい使い方
使うときは、まずキャップを外し、断面が台形になっている透明ボディの短辺側にあるギザギザとした刻みに親指を当てて、ヘッドを文字列に沿ってスライドさせるだけ。
2色のフィルムテープが入ったツインタイプだが、どちら側のテープを使うにしても、指を置く位置や動かす方向は変わらない。
必要なところまでラインを引き終わったら、最後にその場で軽くヘッドを紙に押しつけるようにしてから垂直に引き上げると、テープ端がスパッときれいに切れて見た目が美しい。

弱点はコスパ?
こんなKept キエラで唯一気になるのは、コスパだ。
一般的なラインマーカーの筆記距離はだいたい100mほどと言われている。それに対して、Kept キエラのテープ長は3m×2色。それで価格が税込600円以上となると、単純に「価格が高い」と感じてしまうのは否めないだろう。
それでも、インクにじみがない、スパッと直線が引ける、消しゴムで消せるなど、機能的な優位性があるのは間違いない。これらにメリットを感じるのであれば、使ってみるのはアリだと思う。