デスクワークをしている最中、ふと呼吸が浅くなっているのに気付いて深呼吸をした、という経験はないだろうか? ついでに首回りがやたら疲れているので、揉みほぐしたり……。
それ、もしかしたら猫背が原因かもしれない。
猫背というのは、ざっくり言うと「背中が丸まって内側へ曲がり、頭部が前傾している」状態のこと。
こうなると、体重の約10%(4〜6kg)とされている頭の重みを背骨で支えきれず、肩こりや頭痛・腰痛の原因となりやすい。さらに、前傾姿勢が続くことで肺が圧迫されて酸素摂取量の低下、内臓も圧迫されて胃腸の負担増・便秘なども起こりやすくなる。
上の各症状を見て、ご自身に当てはまるものはないだろうか。ちなみに筆者はかなりキツめの猫背なので、全てに覚えありだ。
もしこれらが気になるのだったら、デスクワーク中の姿勢を正す専用ツールを試して見るのはどうだろう?

デスクに取り付けて前のめり姿勢をブロック
一度、猫背の姿勢が定着してしまうと、整体にガッツリ通い詰めても、戻すのに半年ぐらいはかかる。筋トレもしたほうがいいし、猫背矯正サポーターで肩周りをギュウギュウに締め付ける場合もある。猫背の矯正はなかなか大変なのだ。
とはいえ、デスクワークに没頭すると無意識に前傾姿勢になってしまうので、まずはそこをなんとかしないことには、いつまで経っても改善は望めない。
だったら、もう物理的に「デスクワーク中に前傾姿勢を取れなくしちゃえ」というのが、レイメイ藤井の「学習姿勢キーパー」である。

実は昨今、スマホやタブレットによる子どもの猫背も大人同様に問題になっている。本製品はそういった児童の勉強時の姿勢をサポートするツールとして発売されたものだが、試してみると、大人でもかなり使いやすく快適だったのだ。


学習姿勢キーパーの使い方
使う際にはまず、折りたたまれた状態から上部ユニットをスポッと抜き取り、180度反転させてはめ直す。

そうしたら底部の固定ねじをゆるめてクランプを開き、机の端に固定。

あとはブラケットをT字型に展開して角度を調整し、自分が座ったときの胸の位置に合わせて高さを調整すれば準備完了だ。

ちなみにクランプはかなり大きく開くので、かなり多様な机に対応している。
メーカー公称値としては「机の天板厚15mm〜55mmまで対応」とあるが、一般的なオフィス用の引き出し付きスチールデスク(天板+引き出しで67mm)にもギリギリ装着することができた。
とは言ってもメーカーが推奨しない使い方にはなるので、試すならばあくまでも自己責任でお願いします。

ブラケットの位置
正直なところ、試用前は「とはいえ学童向けだし、大人には使いづらいかも?」と予想していたのだが、身長175cm(かつ座高わりと高め)の筆者でも特に問題なく使うことができた。
もちろん椅子座面/机の高さ次第ではあるが、学習姿勢キーパーが使いづらいようだと、むしろ椅子か机の高さ設定を間違っている可能性があるかもしれない。
ブラケットのクッションが当たる位置は、だいたい胸骨(胸の中央にある縦長の骨)の辺りか、それよりも少し下(みぞおちの下あたり)がちょうど良さそう。女性の場合は下側に当たるように調整したほうがラクかもしれない。

クッションが胸に当たるようにしておけば、それ以上は身体が前傾することがない。つまり背骨がまっすぐ保たれて、物理的に猫背になるのを防いでくれるというわけだ。

最強の猫背アラート
使い方としては、クッションに体重を預けっぱなしにするのではなく、猫背になって前傾しかけたときに「おっと、これ以上は猫背になるぞ」と気付くためのアラートとして運用するのが正しそうに思う。支えではなく、境界線としての役割である。
自分で背筋を伸ばした姿勢を維持するよう意識するのは大事だし、猫背矯正のトレーニングとしてもそれが重要なのだ。

また、猫背になるとPCのモニターに顔を近付けてしまいがちだが、これを間に挟むことで、モニターからの距離も取りやすい(一般的には目をモニターから40〜80cm離れるのが目安)。
PC作業での目の疲れを軽減する役にも立つし、それによって集中力を長持ちさせる効果も実感できた。

さすがに使用中のビジュアルがちょっと目立ちそうなので、オフィスで堂々と使うのは気が引ける……と思われるかもしれない。しかし、筆者を含めて強めの猫背を自認している人なら、ここはもう素直に使ったほうが正解と思われる。
実際、数日試しただけでも肩こりがマシになった感があるし、ふと気付くと呼吸が浅くなってて慌てて深呼吸する、みたいなことも確実に減った。
身体へのダメージという点で猫背はかなり高リスクなので、ちょっとでも気になるなら、学習姿勢キーパーを導入してみてほしい。