ちょい恥ずだけど「素直になれよ…」忘れ物に悩む中年が「うっかりチェッカー」導入を強く推す理由

ink_pen 2025/10/23
  • X
  • Facebook
  • LINE
ちょい恥ずだけど「素直になれよ…」忘れ物に悩む中年が「うっかりチェッカー」導入を強く推す理由
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

筆者はとにかく忘れ物が多く、取材に行く際に必要なツール類は家を出るときにしつこいぐらいチェックしているつもりだ。それなのになぜか現地で「あっ、アレがない!」が発生してしまう。本当に不思議だ。

よくあるのは、カバンを変えたときに中身を入れ替えるのを忘れた、といったケースなので、モバイルバッテリーや名刺入れなど必須レベルの高いものは「同じものをカバンの数だけ買って全てのカバンに予め入れておく」といった対策をとっている。とはいえ全部がそれで済むはずもなく……。困ったものである。

そこで現在、物忘れ対策として試してみているのが、一般的に“わすれものチェッカー”と呼ばれているチェックボードだ。 基本的に小学生の忘れもの対策用として市販されているものなので、最初はちょっと抵抗もあったのだけど、使ってみると「なるほど」と唸ってしまった。

「うっかりチェッカー」が目を引く理由

この手のチェッカーはすでに多くのメーカーから販売されており、構造もほとんど同じである。

片手に握れるサイズのボードに5〜10列のチェック項目と「×/○」を切り替えるスライダーが並んでおり、家を出る前に各項目ごとに忘れてないかセルフチェックしたら、×から○にスライドさせる。これでチェック漏れを防いで忘れ物をなくすという仕組みだ。

大手通販サイトで「わすれものチェッカー」を検索すると本当に大量に出てくるのだけど、その中で今回導入してみたのが、SONiCから発売されたばかりの「うっかりチェッカー パスケース付」である。

なぜこれを選んだか? 家を出る際にチェッカー自体を忘れるという定番の凡ミスを防ぐ工夫が含まれていたからだ。

忘れ物防止グッズ自体を忘れない工夫

従来のチェッカーは、そのほとんどが“チェッカー単体+吊り下げ用リングかカラビナ”という構成だった。

対して、うっかりチェッカー パスケース付は、その名の通りシリコン製のパスケースにチェッカーが収納されており、さらにナスカンとカールコードまで付属している。

↑柔らかいシリコン製パスケース+ナスカン+カニカン付きカールコードで、常時携帯しやすいのがポイント。
↑チェック項目には付属のシールを貼る。ここにないものは白シールに手書きするか、ラベルライターで9mm幅のテープを印字すればOK。

例えば、日常的に使用頻度が高い交通系ICカードを一緒にパスケースにセットしておけば、チェッカーも忘れにくい。ナスカンに家の鍵を吊しておけば、自宅を出るときにまずチェッカーで忘れ物をチェックしてから施錠する……という流れになるし、カールコードでいつものカバンに取り付けておくと、外出しようというタイミングで視界に入りやすい。

↑カギをつけておけば、家を出るときに毎回必ずチェッカーが視界に入るので、忘れ物の発生率は確実に減るはず。

ともかく、外出時にチェッカーを身に付けていられる工夫が複数備わっていることで、チェッカーの存在を忘れることなく、確実に忘れ物チェックがしやすくなっているわけだ。

↑普段使っているカバンに取り付けておけば、チェッカーの存在を忘れにくい。

実のところ、筆者のように忘れ物が多い人にとっては、外出時のチェックを忘れるよりも、チェッカー自体を置き忘れてしまう可能性のほうが大きい。なので、身に付けておきやすい工夫は重要なのである。

あえて不便にした? 設計の妙

うっかりチェッカー パスケース付のボードは6列構成で、左に×/○スライダー、右にチェック項目の欄が並んでいる。この並びの順番も、確実にチェックするうえで重要となっている。

というのも、外出時にはだいたい利き手(筆者は右手)にカバンや荷物を持っているので、チェッカーは空いている左手で操作する確率が高い。そのとき、チェック項目が右側だと親指に被らず見やすく、チェック漏れしにくいのである。

↑×/○スライダーとチェック項目の配置にも実は配慮があるのだ。

スライダーを×から○に切り替えるには、右から左へスライドさせるのだけど、これは左手の親指で行うと“引く動作”になって、ちょっとやりにくい。

でもだからこそ、このやりにくさも重要……というか、やりにくいのが正しいのだ。

親指の動きとしてはスライドを押す動作がラクだけど、そうなると、チェック項目を確認せずに惰性でチャッチャッとスライドさせてしまうこともある。そうなると、もはやチェッカーの意味をなさないので、スライド動作はあえてやりにくいほうが正解なのだ。

↑スライダーはかなり硬めのクリック感で、これも無意識の惰性スライドを防止する効果がありそう。

パスケースの裏側も活用

パスケースには裏面にカード用の収納ポケット(1つ)とカードスリット(2つ)があり、そこに交通系ICカードや会員証など出先で必要なカード類を入れておけるようになっている。

ケースから取り出す必要のない非接触式の交通系ICカードは、

  • 落とさないように深い収納ポケットへ
  • その他のカード類は気軽に取り出せるようシンプルなスリットへ

という使い分けが便利そうだ。

カード類を入れたらポケット上部のフラップでフタをしておくと、うっかりカードを落とす心配も少ないだろう。

↑パスケース裏にはカード類の専用ポケットがある。収納したカードの上からフタを被せておけるので、カードがうっかり抜け落ちる心配も少ない。

また、「チェッカーに項目を作るほどではないけど、たまに必要なもの」は、このスリットに専用のメモを作って挟んでおくこともできる。

ただし、チェッカー面に気を取られていると裏面のメモは見忘れることもあるので、あまりアテにはしないほうがいいかもしれない。

↑チェック項目からはみ出すような内容も、専用のメモに書いてカードスリットに入れておくことができる。

恥を捨てて素直になろう

製品自体はあくまでも学童用ということで、大人が使うにはやや気恥ずかしいと感じるかもしれない。しかし、そもそも大人として仕事場に忘れ物をするほうがはるかに恥ずかしい。どっちがマシかを考えれば、導入をためらう理屈はないはずだ。

なにより、ある程度の加齢が進むと、自分の脳がいかに信用できないかにも気付いてくる。便利な道具には素直になったほうが、結果として助かると思うのだ。

↑出張用のトランクに入れておいて、荷造りの際の忘れ物チェッカーに使うというのもありかも。
Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で