EC民の最強アイテム現る。ダンボールをギコギコできる多機能バサミをレビュー!

ink_pen 2025/12/1
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EC民の最強アイテム現る。ダンボールをギコギコできる多機能バサミをレビュー!
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

総務省の調査によると、いまや二人以上世帯におけるネットショッピングの利用率は50%を越えているとのこと。独身世帯だとこの数字はさらに上がるわけで、全体的にはもう普段ネットショッピングを使っていない、という人の方が少ないといって間違いないだろう。

そうなってくると気になるのが、「空きダンボールをどう片付けるか」問題である。

ネットショッピングで届いたダンボールの空き箱って、気が付くと「え、こんなに溜めていたっけ?」と驚くぐらい積み重なってしまうもの。

ほとんどの人は部屋の隅に折り畳んで積んでいるだけだと思うが、少しでもカサを減らしたいなら、ほどよく切って分解した方がスッキリと片付きやすいというのはご存知だろうか?

そのためには専用のダンボールノコがあると便利なんだけど、用途の限定された単機能ツールは気軽に導入しづらい。そこでおすすめなのが、ハサミ・開梱カッター・ダンボールノコギリを1つにまとめた、ダンボール向けの便利なハサミである。

ダンボールを切る道具を合体

コロナ禍でネットショッピングの普及率が大きくアップしたのを機に、ダンボールを開けるための開梱カッターの注目度もかなり高まってきた。

実際、現在でも結構な頻度で新製品が出続けているし、さらには「開梱カッターとハサミを一体化させた」発展タイプもいくつか登場している。

そして、今回紹介するレイメイ藤井の最新型ハサミ「ZACCC」に至っては、開梱カッターとハサミ、そしてダンボール用ノコギリまでまとめて合体させた超多機能っぷりなのである。

レイメイ藤井

ZACCC

スタンダード(左)1650円

チタンコート(右)1980円(共に税込)

絶妙な切れ味のノコギリ刃

専用のケースから取り出すと、まず目を引くのが独特の形状をした刃だろう。

刃の外縁に細かなギザギザが設けられており、これがそのままダンボール用のノコギリとして機能するわけだ。 ノコギリ刃はさほど鋭くないが、引き切りにすると一般的な3mm厚のダンボールぐらいはザクザクと切ることができる。

↑細かなノコギリ刃は「切れ過ぎなさ」がちょうどいい。
↑普通のノコギリと同様にギコギコと前後へ動かすことで、思ったようにダンボールをまっすぐ切ることができる。

実のところ、ダンボールノコに重要なのは「切れ過ぎないけど、程よくそこそこに切れる」という切れ味だ。

例えばダンボールをカッターナイフで切ろうとすると、硬さに抵抗するため力を入れて切ってしまいがち。すると一気に想定しないところまでズバーッと切りすぎてしまう、ということがよくあるのだ。

思うより切れ過ぎてしまうというのは作業用として使いづらいし、さらには不意のケガにつながることもある。

↑大きめのダンボール箱は、折りたたむだけでは厚みが出てしまう。そこで1辺をギコギコと切ってやると…。
↑この通り一気にフラットに。ゴミ収集に出すときに束ねやすく、かさばりにくい。

その点、刃を前後に動かすことでようやく切ることができるダンボールノコなら、切れ具合を意識してコントロールすることができる。

ダンボールを片付けるのに束ねやすいように分解したり、梱包材としてちょうど良いサイズに切ったり……という使い方をするなら、ダンボールノコはマストな刃物と言えるだろう。

安心して使えるカッター刃

↑刃先のカドは開梱カッター刃として使用可能。ほんの小さな刃だが、このサイズだからこそ開梱しやすいのだ。

ノコギリ刃が上になるよう反転させて持ち変えると、ハサミの四角い刃先が開梱用カッターとして機能する。

薄く尖った刃のカドが外側に約3mm突き出すようになっており、このカドの先端を梱包テープに突き刺して引くことで、スムーズにテープを切り裂いて開梱ができるのだ。

↑開梱カッター刃をダンボールの合わせ目に刺してスーッと引けば開梱完了。ハンドルに付いたグリップに指を乗せると作業がしやすい。

ハサミやカッターナイフで開梱すると、切れ過ぎて無駄にダンボールを切ってしまったり、刃が内側に入りすぎて梱包された中身を傷つけてしまったりすることもある。

その点、3mmという小さな刃なら中身まで届く心配が少ないし、切れ過ぎて危ないということもないだろう。

また、グリップから刃先までの距離が長いので刃がテープを切る様子が目視しやすく、開梱作業が失敗しにくいというのも使いやすいポイントのひとつだ。

ハサミとしての完成度は…

ハサミとしては刃厚が約2mmと、やや厚め。用途的にダンボールをそのままハサミで切ることも想定できるため、頑丈さ・ブレなさを考慮しての作りだろう。

また見た目において特徴的なのが、ハンドルがカシメ(ハサミの支点になる部分)に対して均等に開くのではなく、片側に偏った形状ということ。

↑一般的なハサミ(上)との比較。偏った形状のハンドルは手がダンボールに当たらず、切りやすい。

これにはダンボールノコとして使いやすいというメリットがあるが、それに加えて、ハサミでダンボールを切る際、ハンドルや手がダンボールに当たるのを回避できるという利点もある。

ただし、この偏ったハンドルは力を入れてグイグイとは切りづらく、慣れないと指が痛くなることもある。

使いやすさと切りやすさが完全には両立できず、そこは少し惜しかったところである。

ハサミに備わった便利な機能

↑刃に空いた1cm刻みの目盛穴に紙の端を合わせると、カット長を揃えて切ることも(上画像は2cmで切り揃えている)。

もうひとつハサミの機能として面白いのが、刃に等間隔に空いた目盛穴だ。

この穴はほぼ1cm間隔で空いており、例えば2cmの切り口を複数か所作りたい場合に、わりと直感的に切り口の長さを揃えることができる。

もちろんあくまでも目安であり、長さピッタリにいくわけではない。でも、こういう機能があると覚えておくと、意外と役に立つシーンもあるかも知れない。

↑カシメの後ろにある穴は、細い針金を切るワイヤーカッターに。多機能ハサミだけにこんな機能も付いている。

付属のケースは裏側に強力な磁石が2つ備わっており、冷蔵庫や鉄製の玄関ドアにハサミを貼り付けておくことができる。

特に玄関は、荷物の開梱やゴミ出しのためにダンボールを解体する機会の多い場所だけに、ZACCCの定位置としてかなりアリ。普段からケースごとドアに貼っておけば、使った後に放置して紛失みたいなトラブルも減るはずだ。

↑ケース裏の磁石はかなり強力。貼り付けたままでケースからハサミを抜き差しすることも可能だ。
↑ケースもcm刻みの目盛付き。梱包を切ってサイズ調整するときなどに、これもあると便利な機能だ。

玄関前にあると重宝する1本

ZACCCを実際に使ってみると、従来の「開梱カッター+ハサミ」よりもさらにストイックに、とにかく徹底的に梱包ダンボールと向き合う専用ハサミ、といった感じがした。

惜しむらくは、ダンボールノコ・ダンボール用ハサミとしては、それぞれ従来からある単機能の専用品には少し及ばないということ。この辺りは本当に残念だ。

とは言ってもどちらもそれなりに使えるわけで、「それぞれ専用品を買うぐらいならこれ1本買えばいいや」という判断は十分にできそうだ。

なにより使用頻度の高い開梱カッター機能はかなり優秀なので、ダンボール用ツールとして玄関前に備えておくのはアリだと思う。

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