2026年の手帳に忍ばせておいて! 携帯性をとことん追求した2本の「極細ボールペン」

ink_pen 2025/12/25
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2026年の手帳に忍ばせておいて! 携帯性をとことん追求した2本の「極細ボールペン」
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

昨今、手帳の紙面サイズは両極化の傾向にある。というか、「大きいの」と「小さいの」に人気が集中している印象だ。

大きいほうことA5サイズの手帳は、ノートとスケジュール管理を兼用したり、緻密にライフログを記録したり、紙面をデコったり。基本的には紙面の広さを活用する方向で需要が高まっている。

対して小さいほうは、綴じタイプならハンドメモのようなコンパクト/ポケットサイズ、システム手帳ならM5サイズが人気。かわいらしいサイズがウケているのと、スケジュールはスマホで管理しつつメモ的に手書きもしたい、といった機動性重視の考え方で運用されているようだ。

で、こういった小型の手帳を使う上で地味に問題になってくるのが、ペンをどうやってセットにするか?

小さい手帳はペンホルダーが付属しているものがわりと少なく、さらには手帳そのものよりもペンのほうが長くなってしまうので、セットにして携帯するのは使い勝手も見栄えも悪い。

そこで試す価値が出てくるのが、手帳用に設計されたコンパクトなペンである。

どんな手帳にもマッチする極小ボールペン

「とにかく小さく、持ち運びに邪魔にならないペン」としてまず候補に挙がるのは、OHTOの低粘度油性ボールペン「TL01」だろう。こちらはもともと2013年に発売されたOHTO「ミニモ」ボールペンが、2025年10月の価格変更に伴って製品名を変更したもののようだ。

ただ、ミニモ時代から継続して「世界最小級のノック式ボールペン」というキャッチコピーは変わっていない。つまり、10年以上変わらず小さいボールペンのトップにいるのである。

OHTO

TL01ボールペン

市場想定価格: 800円(税別)

オート ボールペン TL01ボールペン TL01-B5-PK ピンクゴールド

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↑成人男性の手で握るとこんな感じ。あまりの細さに不安を感じるレベルだ。

製品単体の画像ではサイズ感が掴みにくいと思うが、実際に手にしてみると、その小ささと細さにギョッとしてしまう。

全長91mm、軸径約3.7mmは、一般的な綿棒よりちょっと長いかな?というぐらい。この細さにノック機構を搭載しているというのだから、本当に驚きだ。

↑ノック解除は軸側面の小さなレバーを押して行う。軸があまりに細すぎて、一般的な回転カム式ノック機構は入らなかったようだ。

このサイズ感なら、セットにして合わない手帳はまずないだろう。クリップを表紙にかけて挟みこんでおいても、邪魔にはならないはず(ノックノブが上からはみ出すのは、少し気になるが)。

また、付属のカード型スリーブに挿してやれば、財布やパスケースのカードホルダーにも無理なく収まってしまう。本当にどこにでも収まるコンパクトさなのだ。

↑A6サイズの手帳に挟んでもこの余裕。
↑付属のカード型スリーブを使うと、財布などにも入れておきやすい。いざというときの予備ペンとして持っておくと良いかも。

スルスルとした書き味

OHTOが得意とするニードルチップ0.5mm径+低粘度油性の組み合わせは、狭い紙面に小さな文字を書きやすく、スルスルと快適な書き味となっている。

フルメタル軸ということで、握ったときの剛性も見た目以上にしっかりしている。もちろん、細すぎて握りづらい……というところはあるが、これはもう携帯性とのトレードオフなので、割り切って使うしかないだろう。

↑非常に細いためグリップはしづらいが、実は見た目ほど書きにくくはない?
↑4C互換リフィルはボール径やインクの選択肢がかなり広いため、好みのリフィルを入れると書き味は向上するかも。

リフィルは4C互換

リフィルは、多色ボールペンで広く使われている金属芯4C規格互換なので、お好みで油性でもゲルでも差し替えられるのはうれしいところ。

この4C規格互換については、例えば油性なら三菱鉛筆「ジェットストリーム」やパイロット「アクロボール」、ぺんてる「ビクーニャ」などがある。ゲルもパイロット「ハイテック-C」やゼブラ「シャーボX専用ゲル(実はサラサと同インク)」と、本当に選択肢が広いのがポイントだ。

折り紙みたいな変形ボールペン

とはいっても、TL01はさすがに細すぎる、すぐ紛失しそう、という意見はありそうだ。

そこで、もうひとつ携帯しやすい手帳用ペンとして提案したいのが、MOFT「磁気式の三つ折りボールペン」である。

古くからiPadを使っているユーザーには、「折りたたみ式iPadケースの、あのMOFTの……」と言えばピンと来るかもしれない。 こちらはなんと携帯時は薄いカード型、使うときは三つ折りにして三角柱のボールペンになるという変形タイプだ。

MOFT

磁気式の三つ折りボールペン

市場想定価格: 1180円(税込)

MOFT【公式直営店】磁気式の三つ折りボールペン

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実際、携帯時の本体厚は約1.9mm(リフィル部は約3.3mm)と、まさにカード型と呼ぶしかないようなもの。なんなら、ページ間にしおり代わりに挟んでおいてもさほど違和感はないだろう。

サイズも88×40mmと名刺よりひと回り以上小さく、当然、カードホルダーや名刺ポケットにもすっぽりと入ってしまう。カバー付き手帳の多くには名刺ポケットが付いているので、この時点で収納に困るということはなくなりそうだ。

↑手帳カバーに挟んでしまえば、すっきりと収めておける。

また、粘着シール付きの小さなステンレス板が付属しており、これを手帳の表紙などに貼り付けておくと、本体に内蔵された磁石でピタリとくっつけておくことも可能だ。

着け外しも簡単で、手帳からこぼれ落ちる危険性も少ないため、このペンを常時携帯するならわりとオススメの方法と言える。

↑ポケットがない手帳とセットにするときは、付属のシール付きステンレス板を表紙に貼って…。
↑本体内の磁石でこの通りピタッとくっつけて携帯できる。

書きやすさより携帯性

さて、ペンとして使う際には、製品名通りに本体をペキペキと三つ折りにして三角柱にする。これは慣れれば片手で一瞬の作業で、合わせ目は磁力でパチッと結合する。

あとはペン先が底側になるよう握って書けばOKというわけだ。

ただ、三角柱にしても剛性はあまり高くなく、書いている最中に歪むこともしばしば。書きやすいとはお世辞にも言いづらいところである。

もちろんこれも携帯性を考えると仕方ないところで、とにかく必要なときにペンを出してサッと書ければいい、と考える他はないだろう。

↑ペンとして使うときは三角柱に折ればOK。
↑筆圧で本体が歪むこともあって、書き味はかなり悪い。「最低限、書ければよし」ぐらいの気持ちで使わないと、イライラするかも。

リフィルにも対応

構造的には、折りたためるカードの端にリフィル(もちろん、こちらも4C規格互換リフィル)を通すホールが空いている、というシンプルなもの。

リフィルの交換は、まずホールの後端をふさいでいる合皮のタブを指で押してずらし、その間にリフィルを抜き取る。新しいリフィルの挿入はこの逆手順で行えばOKだ。

ちなみに、長期間使うアテがないときなどは、タブをずらしてペン先がホールの中に収まるまで押し込んでおくと良い。いささか原始的だが、ドライアップ対策としては有効だろう。

↑リフィル交換やペン先を収納するときは、後ろ側のタブを指でずらしつつリフィルを後退させる。シンプルだがなかなか面白い機構だ。

今回紹介した2種のペンは、現時点で考え得る最小または最薄のボールペンと言えるだろう。ぶっちゃけ、どちらもかなり特殊な製品ではあるが……。

しかし、コンパクトな手帳とセットにして携帯するにはやはりこれぐらいのサイズじゃないと困るのも、また事実である。 「多少使いづらくても、とりあえず書ければ良し!」「携帯性最優先!」という需要には間違いなくハマるところなので、小さい手帳と合わせるペンに困っている方は、一度検討してみてもいいかもしれない。

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