ペン先から手に伝わる感触が個性的! 400円台で買えるお買い得な最新シャープペンシル

ink_pen 2026/1/29
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ペン先から手に伝わる感触が個性的! 400円台で買えるお買い得な最新シャープペンシル
きだてたく
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1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

ボールペンで「書き味が滑らか」という場合、だいたいはインクの特性やペン先チップの性能によるもので、つまり書き味=ボールペン、それぞれの個性ということになる。

対してシャープペンシルで「書き味が滑らか」なのは、ほぼシャープ芯に由来。それはシャープ芯が偉いのであって、シャーペン自体の個性とはあまり関係していない。

じゃあ、シャーペンなんてどれも一緒か? というと、それはまた全然別の話だ。

軸のバランスが違えばコントロール性が変わるし、口金の形状次第で細かな文字の書きやすさにも差が出る。そういったかなり細かい部分で、本体の個性がいろいろと見えてくるのである。

そんな中、パイロットの新しいシャーペンが「紙へのタッチフィール(書いているときにペン先から手に伝わる感触)」という部分で少し面白い個性の出し方をしてきたので、紹介してみよう。

書きやすさを生み出す絶妙なサスペンション

パイロット「エアステップ」は、ソフトな書き心地を実現する「クッションシステム」と、1ノックで長く書くことができる「エアステップライト」という2つの機構を搭載した新しいシャーペンだ。

昨今のシャーペン界隈では平気で1000円以上する製品も増えてきたが、こちらは税込みでも500円以下。樹脂軸のポップな雰囲気もあって、わりと気軽に手が出せるシャーペンと言えそうだ。

パイロット

エアステップ 芯径0.5mm

450円(税別)

改良されたクッションシステム

新機構の中で筆者がまず気になったのが「クッションシステム」。強い筆圧に対して先端パイプが後退することで圧を吸収する、いわゆるサスペンション機構である。

パイロットのシャーペンでは、かつて「モーグルエア」が軸内の2本のバネによって筆圧を逃す機構(それによって芯折れを抑制する)を搭載していたのだが、これは正直、かなり好き嫌いが分かれるものだった。というのも、少し筆圧をかけただけでいきなりペン先が大きく上下運動するため、人によっては手元が落ち着かず、集中力が削がれてしまうのだ。

↑2つの金属バネを内蔵したモーグルエア。サスはかなり柔らかく、口金ごと2〜3mmほど沈み込む。
↑エアステップはパイプが軽く1mm弱沈む感じ。上下動が少なく、「なんとなく効いてるかな?」ぐらいの印象。

対してエアステップは、小さな樹脂製のクッションパーツだけで筆圧を吸収しているため、まず沈みしろが小さい。さらに、クッションの圧が程よく設定されているため、筆圧が弱ければ少しだけ、強ければ大きくと無段階で沈んでくれる。

もちろん、どちらが正しいというわけではないが、筆者はモーグルエアの強調されすぎたサスペンションが苦手だったので、これぐらいのささやかな沈み込みで十分だ。「そうそう、これぐらいでいいんだよ」という気分である。

↑内蔵の樹脂バネ。もちろん金属バネと比べると破損はしやすそうだが、そもそもそこまで負荷を強いる使い方はおすすめできない。

運筆によって余分な筆圧をかけてしまった場合、基本的にその反力は自分の手にかかる。すると反力に対抗するため無意識にペンを握る力が強くなり、それが続くと疲労感につながってしまう。

その点、エアステップのクッションは前述の通り筆圧に合わせてほどよく沈んでくれるため、紙への当たりがならされ、スムーズに書き進めることができるのだ。

逆にこのクッションでペン先の上下運動をハッキリ感じてしまう場合は、筆圧が必要以上に強くなっている可能性があるので、ちょっと肩の力を抜いたほうが良いかもしれない。

忙しいときに便利なエアステップライト

もうひとつの新機構「エアステップライト」は、書いている間に芯が減ったとき、先端パイプを紙に軽く押し当てるとクッションでパイプが後退し、芯だけが少し押し出された状態になるというもの。

後退して短くなったパイプは一度ノックをしないと元の長さに戻らないので、いわゆる自動芯出し機構や先端プッシュ機構とは別物だ。

↑芯が無くなった状態でパイプを紙面に押し当てると、芯だけが少し飛び出す機構。ノックで集中力を切らしたくないときには有効かも?

正直なところ、やはり自動芯出し機構などに比べると手間を感じる。しかし、1ノックで長く書き続けられるという点で言えば、それなりに効果は発揮している。板書に追われるなど「書くのに忙しくてノックしているヒマがない!」といった状況下では、役立つかもしれない。

当然ながらノック不要で延々と書き続けられたほうがラクなのだけど、500円以下という価格帯を考えれば、まぁ仕方ないかなというところだ。

ちなみにノックは、クリップを押し下げるタイプで、これは軸後端までフラットにするための仕様だろう。筆者はクリップノック全般がやや苦手なので、パイプ云々よりはむしろこちらのほうが残念に感じた。

手汗でもすべりにくいグリップ

↑ノックは樹脂製のクリップを押し下げるタイプ。上端には程良い角度がついており、親指がかけやすかった。

逆に大絶賛というか、このシャーペンの最大の褒めポイントだと感じているのが、エラストマー製の波形グリップ。これがちょっと驚くぐらいに摩擦力があって、滑りにくいのだ。

軽く握っただけでも軸表面が指に吸い付くようで、非常に安定感が高い。波形の造形はさほど効いていないようなので、この効きは純粋に素材の勝利だと思う。

手がカサカサでグリップが滑る人、手汗でグリップが滑る人、どちらのケースでも確実に効果を発揮するので、機会があればぜひ握ってみてほしい。

↑見た目だけではピンとこないかもしれないが、握った瞬間に指への吸い付きを感じる高摩擦グリップ。効きだけなら2025年のベストグリップといっても過言ではない。

オール樹脂軸の軽量さでバランスも気にならず、クッションによって安定した紙へのタッチが得られるシャープペンシルは、端的に「良くできているな」という感じ。さらにグリップの優秀さ(2025年発売の筆記具の中で最もよく効くグリップだと思う)もあって、これで500円なら間違いなくお買い得な1本と言えそうだ。

ただし筆圧が強すぎる人だけは、クッションを感じすぎて落ち着かないということもあるかもしれないので、そこだけは要注意である。

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