快適筆記で超極細でノック式!消せるボールペンの覇者「フリクション」の最上モデルを見つけてしまった

ink_pen 2019/9/26
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快適筆記で超極細でノック式!消せるボールペンの覇者「フリクション」の最上モデルを見つけてしまった
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

【きだてたく文房具レビュー】快適な書き味で超極細なノック式フリクション

普段から誤字脱字・書き損じの多い筆者としては、どうしてもパイロット「フリクションボール」に日常筆記を頼らざるを得ない。というか、フリクションなしでは、もはや仕事ができない完全依存状態とすら言えるだろう。

 

そして筆者は、フリクション好きであると同時に0.4~0.3㎜の激細字ペン好きでもあるのだが、これが自分の手の中でなかなかうまく共存できていなかった、というのも事実だ。

 

どういうことかというと、フリクションの超極細字タイプである「フリクションポイント(0.4㎜)」や「フリクションボールスリム(0.38㎜)」の書き味が、どうにも好みから外れているのだ。

 

どちらも妙にカリカリし過ぎている感じだし、パイプ(ニードル)チップのフリクションポイントはインクフローが良くないのか、早書きするとかすれることもあって、いまいち信頼しきれない。それにキャップ式だというのも、ちょっと苦手。

 

もう少し快適な書き味で、超極細で、かつフリクション(ついでにノック式)というペンがあればいいのに……と願い続けてはや数年。願っておいてなんだが、まさか本当に叶うとは思っていなかったヤツが、とうとう発売されてしまったのである。マジか。

 

その「快適な書き味で超極細でフリクションのノック式」というのが、9月に発売されたばかりの「フリクションポイントノック04」だ。0.4㎜の超極細フリクションのノック式で、さらにペン先にシナジーチップを搭載しているというから、それはもう筆者を含む“お好きな人”には「ぼくのかんがえたさいきょうフリクション」にほかならない。

↑パイロット「フリクションポイントノック04」全8色/各250円(税別)
↑パイロット「フリクションポイントノック04」全8色/各250円(税別)

 

この“シナジーチップ”というのは、2016年にパイロットから発売されたボールペン「ジュースアップ(0.5/0.4/0.3㎜)」用に開発された、新しい形のボールペンチップのこと。

 

ペン先が針のように細いため、先端の視界が良く細かい書き込みがしやすいパイプ(ニードル)チップと、コーンチップの安定したインクフローという、いわば両者のいいとこどりをした、悪魔合体的なチップだ。

↑根元が太いぶんインクの出が良い(コーン)、先端が細いので見通しがよい(パイプ)、と両者のメリットを兼ね備えているのがシナジーチップだ
↑根元が太いぶんインクの出が良い(コーン)、先端が細いので見通しがよい(パイプ)、と両者のメリットを兼ね備えているのがシナジーチップだ

 

0.4㎜の超極細でもインクフローが十分なためにカリカリし過ぎず、かつ、ほどよいひっかかりが残っているので落ち着いて字が書けるのが、シナジーチップの特長と言える。

 

先ほど“いいとこどり”と書いたが、どちらかというとパイプとコーン両者それぞれの不満が上手く解消されている感じ。どこを見てもマイナス要素のない優等生タイプだ。この優秀さは、普段から細めのゲルボールペンを使っている人であれば、確実に体感できると思う。

↑サラッとしたなめらかさでここまで細い字が書けて、しかもフリクションとは最高だ
↑サラッとしたなめらかさでここまで細い字が書けて、しかもフリクションとは最高だ

 

書いてみた素直な感想としては、「これ、最高のフリクションだわー」の一言に尽きる。ジュースアップで初めて書いた際に体感した、超極細字におけるシナジーチップの高性能さを、フリクションインクでも味わえるというのが単純にすごい(ジュースアップよりややカリ感があるが、インクの違いによる差だろう)。

 

0.4㎜フリクションでパイプチップの「フリクションポイント04」と比べると、差は特にハッキリする。書き出しのひっかかりもなく、最初から最後までサラッと落ち着いた筆記感が続く感じ。

 

面白いことに、フローの良さからか、ノックの方が筆跡の黒も濃く見える。もともと黒の薄さが弱点のひとつでもあるフリクションだけに、これもありがたい。

↑フリクションポイント04(上)とポイントノック04(下)での筆跡。インクフローが良いためか、色もくっきりと濃く見える
↑フリクションポイント04(上)とポイントノック04(下)での筆跡。インクフローが良いためか、色もくっきりと濃く見える

 

もうひとつ、細かい話なのだが、ペン軸後端のイレイザーが従来よりも細くなっていることも見逃せない。

 

超極細字をチマチマ消すのだから、イレイザーも細い方がピンポイント消しがしやすいのは当然だろう。こういうちょっとした気遣いのあるブラッシュアップは、非常に嬉しい。

↑フリクションポイントノック04(右)は、一目で分かるレベルで従来フリクションよりもイレイザーが細い
↑フリクションポイントノック04(右)は、一目で分かるレベルで従来フリクションよりもイレイザーが細い

 

↑手帳などで細かい消し込みをするには、もちろんスリムなイレイザーが有利に決まっている
↑手帳などで細かい消し込みをするには、もちろんスリムなイレイザーが有利に決まっている

 

あくまでも個人的な意見だが、フリクションの超極細でここまで気持ちよく書けるというのは、ここ10年のフリクション史の中でもトップクラスの傑作だと思う。

 

実際、筆者もペンケースに常備するフリクションはもう、すべて「フリクションポイントノック04」に入れ替えてしまったぐらい。「快適な書き味で超極細でフリクションのノック式」というワードにグッと来た人は、今すぐ文房具店へ走るべきだ。

 

 

手帳専用に指名買い! 多色フリクションの新作がベスポジな理由内部に何本もの芯を内蔵する多色ボールペン。“スリムタイプ”とはいえ、芯自体が細い油性ボールペンならではだろうな……と思っていたら、今度はなんと、書いて消せるゲルインクの3色フリクション「フリクションボール3」がスリム化したという。チェックしてみたら意外にも、手帳用としてベストなペンだった!

 

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