日本文具大賞2020でグランプリに輝けなかった傑作たち

ink_pen 2020/9/8
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日本文具大賞2020でグランプリに輝けなかった傑作たち
きだてたく
きだてたく
きだてたく

1973年京都生まれ、東京都内在住。フリーライター/デザイナー。 小学生の頃、勉強も運動も見た目も普通の子がクラスでちやほやされるにはどうすれば良いかを考え抜いた結果「面白い文房具を持ち込んで自慢すればいい」という結論に辿り着き、そのまま数十年、何一つ変わることなく現在に至る。自称世界一の色物文具コレクション(3000点以上)に囲まれながらニヤニヤと笑って暮らす日々。ウェブサイト「デイリーポータルZ」では火曜担当ライターとして活躍中。

3. デザイン部門は極限までシンプルなシステム手帳が面白い!

デザイン部門で筆者が推していたのが、上質な革製システム手帳で知られるアシュフォードの「デザインリフィルパッド」だ。

 

こちらのポイントは見た目一発で分かるとおり、システム手帳の要素を必要最小限まで削りました!的な超シンプル構成である。正直、「え、あのアシュフォードがこれを出すの!?」という衝撃がスゴい。

↑デザイン部門優秀賞のアシュフォード「デザインリフィルパッド」

 

外観は、背表紙からダイレクトに生えたプラのリング、背表紙はなし、ラバーバンド付きの表紙はリングで綴じられているだけ……と、システム手帳としてはかなり異質。リングが丸見えになっているため、手帳というよりはリングメモやルーズリーフバインダーのほうが感覚的に近いぐらいである。

 

実際、リフィルパッドという名前通り、立ち位置としても“手帳リフィルを綴じて使うパッド”というあたりが正しいのかもしれない。とにかくシンプルだし、使用感は軽快だ。

↑サイズはミニ6穴(左)とバイブル(右)の2タイプ

 

ちなみに、メーカーとしては「システム手帳を使ってみたいけど、何から始めたら良いか分からない」という若年層をターゲットにしているらしい。初期状態でセットされているリフィルは、罫線に星やハートマークが組み合わされたもので、大人にはやや賑やかすぎるかな……といった印象だ。

 

とは言え、そこはシステム手帳。自由にリフィルを入れ換えて使えるのだから、自分の好みに合わせていくらでも中身はカスタムすればいいだろう。それよりも、この軽快軽量シンプルなシステムにメリットを感じるのであれば、使わない手はない。

↑取り外した表紙は下敷きとして活用。なかなかユニークな発想だ

 

ギミックとして面白いのは、ラバーバンド付きの表紙をリングから取り外せば、下敷きとしても活用できるという部分。筆圧で紙の裏面をボコボコにしたくない、などの理由で手帳用下敷きを愛用している人もそれなりにいるので、なるほど、これはアリかも。表紙のリング穴には切れ込みが入っているので、いちいちリングを開く手間なく外せるのも、うまくできている。

 

 

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