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2019/6/8 17:30

花も景色も列車もみんな絵になる「わたらせ渓谷鐵道」10の秘密

【わ鐵の秘密②】東武線との乗換えは相老で、では上毛電気鉄道は?

桐生駅の1番線を発車したわ鐵の列車は、前述したように渡良瀬川橋りょうを渡り、最初の駅、下新田駅(しもしんでんえき)に停車する。この駅はわ鐵のみの駅で両毛線の列車は駅のすぐ目の前を通過していく。

 

下新田駅を発車、すぐに列車は右に大きくカーブする。ここからわ鐵専用の路線となる。下新田駅が、わ鐵本来の旅のスタート地点といって良いかも知れない。全線単線、非電化の路線が間藤駅まで延びる。

 

次の相老駅(あいおいえき)で、東武桐生線の電車と乗換えることができる。相老駅には東武鉄道の特急「りょうもう」も停車する。ちなみに東京都内、北千住駅から相老駅間まで1時間50分ほど。ほど良い乗車時間で到着することができるわけだ。相老駅には有人窓口もあり、わ鐵の一日フリーきっぷ(1850円)などの購入も可能だ(自動販売機でも購入できる)。

 

↑相老駅の跨線橋から眺め。手前、1番線と2番線ホームがわ鐵用。さらに左の3・4番線が東武鉄道桐生線のホームとなる。右の1番線に駅舎があり、窓口でわ鐵と東武鉄道の乗車券や特急券の販売が行われる。跨線橋からは上州名物の赤城山を望むことができる

 

東武線とは相老駅で接続がされているのだが、さて西桐生駅〜中央前橋駅間を走る上毛電気鉄道との乗換え駅はないのだろうか。わ鐵の相老駅〜運動公園駅間で、上毛電気鉄道の線路と立体交差しているのだが、残念ながら両線の乗り換え可能な駅がない。

 

もし両線を乗り継いでの旅を、という場合には、桐生駅と西桐生駅間を歩くか(徒歩約4分)、わ鐵の運動公園駅と上毛電気鉄道の桐生球場前駅の間を歩くか(徒歩約5分)をお勧めしたい。どちらの駅間とも幸いそれほど遠く離れていない。

 

 

【わ鐵の秘密③】トロッコわたらせ渓谷号は大間々駅発となる

車内からわたらせ渓谷を楽しめる列車として人気があるのがトロッコ列車。わ鐵では2種類のトロッコ列車を走らせている。気動車2両で運行しているのが「トロッコわっしー号」で、こちらは、わ鐵の全区間、桐生駅〜間藤駅間を往復する。

 

一方の「トロッコわたらせ渓谷号」はディーゼル機関車が客車4両(うち2両が窓のないトロッコ車両)を牽いて走る。機関車が客車を牽いて走る列車ということもあり、旅情をより楽しめる、加えて静かな客車ということで人気がある。

 

↑大間々駅構内にある検修庫で待機するDE10形ディーゼル機関車。客車と同色にしたDE10形と国鉄原色カラーのDE10形の2台が「トロッコわたらせ渓谷号」を牽引する

 

とはいえ問題も。路線の起点の桐生駅や、東武線との乗換駅、相老駅からは直接この列車に乗ることができない。「トロッコわたらせ渓谷号」は大間々駅(おおままえき)〜足尾駅間(特別な日のみ運行区間が変更される場合があり)を走る列車なのだ。

 

これは機関車が牽引する列車のため、終点に到着したら機関車を後ろから前に付け替えする作業が必要となる。いわば機関車を“機回し”できる駅が必要となるわけだ。そのため大間々駅〜足尾駅間という区間のみで運転されている。

 

運転区間が限定される「トロッコわたらせ渓谷号」だが、心配はご無用。上り下り列車とともに、大間々駅〜桐生駅間を走る接続列車が運転されている。「トロッコわたらせ渓谷号」を利用の際は、この接続列車を上手く利用したい。

 

ちなみに上毛電気鉄道の駅であり、東武桐生線の終点の赤城駅と、わ鐵の大間々駅は歩いても15分ほど(約1km)と意外に近い。

 

↑客車と同カラーのDE10形が牽引する「わたらせ渓谷号」。客車は「わ99形」という形式で、旧国鉄の12系客車と京王電鉄の旧5000系を改造したトロッコ車両が使われる。同列車に乗車の際は乗車券に加えてトロッコ整理券(510円)が必要となる

 

↑神戸駅(ごうどえき)の花桃が美しい4月序盤の週末に運転された「花桃号」。同列車のみ通常時とは異なり桐生駅始発で運転された。この列車では国鉄原色カラーのDE10形が牽引役として使用された
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