【国鉄形⑧201系】国鉄初の省エネ電車として東西を走る
製造年 | 1981年〜1985年(現存車両数172両) |
残る路線 | JR西日本:関西本線(大和路線)・おおさか東線など |
101系や103系で大都市圏の電車の近代化を果たした国鉄だったが、次に課題になったのが、省エネルギーという問題だった。そのために電機子チョッパ制御という技術を採用して登場したのが201系だった。
省エネには役立った201系だったが、コスト高が問題となり、製造されたのは計1018両と控えめの車両数となった。
登場当時は看板車両だったこともあり、東では中央線に、そして西は東海道・山陽本線で運用された。その後には京葉線や、大阪環状線でも運用された。
そんな201系も、JR東日本ではすべてが引退、JR西日本でも、長らく走り続けてきた大阪環状線での運用が2019年6月7日で終了となった。残りは関西本線(大和路線)・おおさか東線などになっている。両線には大阪環状線を走った201系も転属されてきたこともあり、少なくともここ数年は201系の活躍を見ることができそうだ。
【国鉄形⑨205系】おもに首都圏で活躍するステンレス製電車
製造年 | 1984年〜1994年(現存車両数475両) |
残る路線 | JR東日本:武蔵野線・京葉線、鶴見線、南武支線、仙石線など。 JR西日本:奈良線など |
201系で省エネルギーに取り組んだ国鉄だったが、使われた機器が高価で、コスト高に苦しんだ。そこで開発されたのが205系だった。この205系から車体が鋼製からステンレス製となり、軽量化、塗装費などのコストダウンに結びついた。
国鉄の晩年となった時期からJRとなった後にも製造が続けられ、201系よりも多い計1461両の車両が誕生している。
JR東日本とJR西日本に引き継がれた205系。JR西日本の205系は36両と少なめで今は主に奈良線を走っている。
一方のJR東日本に残る車両は今も大所帯で、武蔵野線をはじめ、東北本線、鶴見線、仙石線などを走り続けている。とはいえ減る傾向が顕著になりつつある。まずは南武線、八高線・川越線を走っていた205系の運用が終了した。
さらに車両数が多かった武蔵野線も、中央・総武緩行線を走っていた209系やE231系が転入、増えるにしたがって205系が消える傾向が強まっている。
そんな205系だが、引退後に、そのまま海を越えて、インドネシアへ引き取られている。ジャカルタ首都圏の路線を運行する鉄道会社、PT KAIコミューター・ジャボデタべックでは新車両として205系が導入されている(車両形式も205のまま)。日本を引退しても海外で活躍する国鉄形車両たち。日本で走り続け、さらに海外でも走り続ける車両は健気そのもの。車両技術の素晴らしさには誇りを感じざるを得ない。